今でも潜在需要は十分なはず | あさかぜ1号 博多行

今でも潜在需要は十分なはず

今でもいつか何らかの形で復活してくれると信じているものはいろいろあるけれど、その中で一番ということになると夜行列車ですかね。
現在では定期列車としては東京ー高松間の「サンライズ瀬戸」と東京ー出雲市間の「サンライズ出雲」の2列車しか存在しない夜行列車。
今や、それなりの規模の都市の間を夜のうちに異動するなら高速バスを利用するのが当たり前になり、新幹線や飛行機を利用して「前乗り」し、目的地近くのホテルに泊まれば翌日は朝一番からビジネスや観光ができるから、いまさら夜行列車なんていらない、という声も上がりそうなご時世ではあります。
ただ、このところ頻発している地震や豪雨災害、今年正月の羽田空港での事故、新幹線の長時間の運転見合わせなどといった事態が起こった時に、その代替交通機関としての在来線夜行列車があれば、予定していたルートや時間での移動ができなくなったことへのいら立ちや不安もある程度は緩和できるだろうし、平常時でも夜の移動が高速バスだけというのはあまりに選択肢が少なすぎる感があります。
その高速バスも、このところのバスドライバー不足の影響を受けて減便や路線の廃止が相次いでいるそうで、夜の移動を高速バスだけに頼るのも心もとない状況と言えます。
そして最近はインバウンドの影響もあってホテルの宿泊費も高騰しているそうで、「寝台列車に乗るよりもホテルに泊まる方が安い」とも言い切れなくなっている例も多くなっているのかもしれません。
そういったことを考えると、今こそ夜行列車は本当にもう不要な存在なのか、もし夜行列車がこれからも必要であるならば数十年前とはかなり違う環境の中でどうしたら他の交通機関や宿泊施設に対する優位性を保ちつつそれらと共存していけるかを本気で考えた方がよい時期に来ていると思います。
以前、もし新型「サンライズエクスプレス」が登場することになったらこんな列車を運転してはどうかという記事を書いたことがありますが、「サンライズ」のような長距離の個室寝台主体の夜行列車はもちろん、かつての「ムーンライトながら」「ムーンライト九州」「ムーンライト高知」などのような座席やカーペット席主体の夜行列車も復活すべきだと思いますし、料金設定や利用しやすいダイヤ、魅力ある設備やそれらの効果的な宣伝次第では、今でも夜行列車の潜在需要は十分にあると思います。
例えば首都圏と関西の間では、「サンライズ」タイプの寝台電車による列車とは別に、かつての「ムーンライトながら」に「サンライズエクスプレス」のノビノビ座席を設けた車両を増結したイメージの列車を大宮ー姫路間に運転すればかなりの利用が見込めるでしょうし、編成を長くして座席数を増やし、多客期には臨時列車の運転も行えばその分高速バスの稼働台数を減らすこともできドライバー不足対策にも少しは貢献できそうな気がします。
他にも首都圏から名古屋・仙台・新潟・長野・金沢、関西から博多・広島・出雲市・松山・高知・富山・新潟などといったルートに夜行列車が復活すれば、料金やダイヤ、車両設備の工夫次第で結構な数の利用客が期待できそうな気がします。
もちろんそのためにはコスト面や人手不足の問題など数々のハードルを克服していかなければなりませんが、せっかく潜在需要があるのにそれにこたえる列車を設定しないのはもったいない話ではないでしょうか。
ヨーロッパ諸国では一度衰退した夜行列車が、コロナ禍の少し前あたりから新たな形で復活し始め、その流れは今も続いているとか。
日本にもそのような流れがぜひ来てほしいと、夜行列車好きの私は願っています。〇〇の復活を信じてる

 

 

 

 

 

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