西武「Laview」新宿線発営業列車乗車の思い出 その1 | あさかぜ1号 博多行

西武「Laview」新宿線発営業列車乗車の思い出 その1

5000系「レッドアロー」、10000系「ニューレッドアロー(MRA)」に続く3代目の西武の特急車両として001系「Laview」(ラビュー)が登場したのが2019年3月。
その翌年には池袋線の特急列車の「Laview」への置き換えが完了し、以来「Laview」は西武池袋・秩父線、というより西武鉄道全体の顔として大活躍を続けています。
一方、もう一つの西武の幹線というべき存在の新宿線ではいまだに「Laview」の定期営業運転は実現しておらず、西武の二大幹線である池袋線系統と新宿線系統との格差が目立っています。
このことについては昨年の西武鉄道の株主総会でも取り上げられ、「Laview」を新宿線に投入する考えの有無などについての経営陣への質問や要望が出されました。

そんな「Laview」ですが、過去に新宿線での営業運転の実績がなかったわけではなく、2019年のGWの10日間(4月27日~5月6日)に運転された本川越ー飯能間の臨時特急で所沢ー本川越間のみながら営業運転を行っていました。
この臨時特急は、GW中に埼玉県内の観光地を周遊してもらおうという意図のもと設定されたもので、往路の本川越発飯能行が「むさし90号」、復路の飯能発本川越行が「小江戸92号」の列車名で運転されました。
そして私は、その「Laview」新宿線発営業運転となる2019年4月27日の初列車(上下とも)に乗車しました。
今回と次回でその時のことを振り返りたいと思います。

当日、別の用事を済ませてから12時頃に本川越駅に到着。
駅ビル内のドトールで昼食の後、12:30頃に改札に入りました。
ここから乗車するのは、西武新宿線での「Laview」のまさに発営業運転列車となる13:05発の「むさし90号」。
通常は直通の定期列車のない本川越ー飯能間を走る特急であり、なおかつ「Laview」の新宿線初営業列車という話題性の高い列車なので、特急券が入手できるか不安もありましたが、結果的には発車直前でも空席があったようで、私も当日の午前中に特急券を無事確保することができました。
この日の「むさし90号」は本川越駅発車に先立って「Laview」の新宿線初運行記念セレモニーが開かれるというので、少し早めにホームに出てみることにしました。
駅構内で私を誘導してくださった駅員さんにセレモニーのスピーチがよく聞こえる場所まで誘導していただき、開始を待ちました。
やがてセレモニーが始まり、西武鉄道の当時の社長、川越・飯能両市のそれぞれ当時の市長、さらに今はなき「としまえん」が全面協力した「映画 としまえん」に出演した俳優の小島藤子さんがスピーチを行い、出席者によるテープカットも行われました。
さらに川越市マスコットキャラクター「ときも」も登場するなど、いかに西武鉄道や川越・飯能両市がこの本川越ー飯能間の直通特急に期待をかけているかがよくわかるセレモニーでした。
私はこの日が「Laview」初乗車でした。
発車5分前の13時ちょうどになって、いよいよ初めて「Laview」の社内へと足を踏み入れます。
話題の車両外観や内装を自分の目で確かめることができないのは何とも残念ですが、それでも駅員さんに誘導していただいて指定された7号車の座席に座った瞬間、この車両の斬新さがよくわかりました。シートは腰のあたりから下が完全に包み込まれるような感じの初めて味わう座り心地です。また、車体側面の窓が大きくしかも他の車両よりも格段に窓ガラスと座席との距離が近いので、もし目が見えていたら相当にインパクトのある車窓風景を味わえたのではないかと思います。

「むさし90号」は定刻通り13:05に本川越駅を発車し、まずは新宿線を所沢へ向かいます。
乗り心地はさすが最新車両といったところで快適ですが、臨時列車の悲しさか、あまりスピード感が味わえないのは残念でした。
車内では案内放送の時以外にもピアノ演奏などのBGMが流れていました。
後日乗車した通常の「Laview」使用の池袋線特急では特に車内BGMが流れている様子はありませんでしたが、これも斬新な新型車両をアピールするための試みだったのかもしれません。
ただ、スピーカーから流れる音量がやや大きめだったので、もう少し音量を抑えめにした方が車内環境としてはよかった気がしました。

所沢駅では、ホーム手前(池袋・本川越寄り)の新宿線から池袋線への渡り線を使って池袋線へ転線し、池袋線下りホームの4番線に入線しました。このような入線方法をとる列車に乗車する機会もなかなかないので、動画に撮れるものなら撮っておきたかったです。
同駅では乗務員の交代も行われ、2分ほど停車して発車しました。
所沢から先もあまりスピードは上がりませんでしたが、その分新型特急車の乗り心地を味わう時間が長くなるという点ではよかったかもしれません。

そして13:51に「むさし90号」は飯能駅に到着しました。到着後も特急券は回収されなかったので、記念すべき「Laview」の新宿線初営業運転列車の記録を手元に残すことができました。
飯能駅に到着後は、本川越駅から連絡を受けてくださった駅員さんの誘導をいただき、一旦改札を出ました。
でもこの日飯能では特に予定もないので、「むさし90号」の折り返し運用となる「小江戸92号」で本川越へ戻ることにしました。
そのあたりはまた次回の記事で振り返ります。