【鉄道イベントの思い出】品川駅 ブルートレインフェスティバル(1998年) | あさかぜ1号 博多行

【鉄道イベントの思い出】品川駅 ブルートレインフェスティバル(1998年)

先日は、登場から25年を過ぎた現存唯一の定期夜行列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」に使用されている寝台電車285系「サンライズエクスプレス」の後継車両の概要と、その新型「サンライズエクスプレス」車両を使用して運転してほしい寝台特急のダイヤを勝手に予想してしまいましたが、今回はその現行「サンライズエクスプレス」のデビューを前にした1998年5月30・31日に品川駅で開催された車両展示イベント「ブルートレインフェスティバル」を見に行った時の思い出です。

このイベントは、この年7月10日に営業運転を開始した「サンライズエクスプレス」の車両展示をメインに、JR東日本に所属していた豪華寝台客車「夢空間」の展示、EF5861号機と連結した14系座席者の車内でのブルートレインの写真パネルやヘッドマークの展示などが行われたイベントです。
「サンライズ」の展示会自体は285系が充当される「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の運行ルートの沿線の主要駅で数度にわたり開催されていましたが、品川駅はJR東日本エリアでは唯一の開催だったからか、他の各駅よりも規模の大きなものになっていたようです。

私は、イベント初日の5月30日に行ってきました。
イベント開始の10時を少し回った頃に会場の品川駅9・10番ホームに到着しました。
まずはやはり「サンライズ」からということで、9番線横浜寄りに停車している同車の車内公開の待機列に並びました。時間帯によっては車内に入るまで1時間以上並ぶこともあったようですが、私はそこまで待たされることはなく(それでも20分ほどは並んだ記憶があります)、車内に入ることができました。
車内が公開されていたのは確か3~5号車の3両ほどだった記憶がありますが、それでもA個室「シングルDX」やB個室「シングル」、カーペット敷きの「ノビノビ座席」など、いろいろな設備を見ることができました。さすがに一つ一つをじっくり見学している時間はなかったけれど、それでも従来の寝台客車にはない木の温もりを感じる車内に、ますます早く乗りたいという気持ちにさせてくれる展示でした。

「サンライズ」の車内見学を終え、今度は隣の10番線で展示されていた24系豪華客車「夢空間」に向かいます。
「夢空間」は、デラックススリーパー・ラウンジカー・ダイニングカーというこのグループを構成する3両の他、電源車カニ24と「デュエット」のスハね25とで編成を組み、これに「夢空間」のクリーム色のヘッドマークを付けた北斗星塗装時代のEF8181号機を連結した編成で展示されていました。
スハね25は元「あさかぜ1・4号」用の車両で、「あさかぜ1・4号」が臨時格下げとなった後もしばらく「夢空間」を使用した臨時列車に連結されていました。
「夢空間」も「デュエット」も、現役時代にはついに乗るチャンスに恵まれなかった車両たちだけに、わずかな時間だけでも乗車している気分に浸れたのは今となっては貴重な経験になりました。ただ、ダイニングカーのオシ25 901号車はこの日、予約制のランチコースの客が利用していたので、車内に入ることができなかったのが残念でした。

「夢空間」編成を出て、今度は再び9番線に戻り、東京方に停車している14系座席者のもとに向かいました。ここでは3両の車内にブルートレインの写真パネルやヘッドマークが展示されていました。国鉄時代のものから1990年代後半に撮影された写真まで、いろいろな写真を見て楽しめました。私が訪れた時には「サンライズ」や「夢空間」ほどは見学客も多くなく、わりとゆっくり展示を鑑賞することができました。
14系座席者のさらに東京方には、「つばめ」のヘッドマークを付けたEF5861号機も展示されていました。同期をここまで近くでじっくり眺めたり撮影したりできるチャンスもなかなかないので、これも貴重な経験とばかりゆっくり鑑賞してしまいました。

この他、10番線東京方には休憩用車両として185系電車が停車していましたが、こちらを利用した記憶はありません。
あくまでこのイベントは「サンライズ」や「夢空間」がメインという意識があったからか、それとも当時は今ほど185系も注目を浴びる存在ではなかったからか、おそらく両方だったかもしれません。

会場にいたのはおそらく2時間弱ほどだったような気がしますが、営業開始前の「サンライズ」の車内に入ることができたり、普段はなかなか乗るチャンスのない「夢空間」の車内を見ることができたりと、寝台特急・ブルートレインファンにとっては大満足のイベントでした。
あれから25年、品川駅も上野東京ラインの開業や再開発などで大きく変貌し、あの日「サンライズ」「夢空間」などが停車していた9・10番線も、今では主に品川折り返しの常磐線列車が発着するホームへと変わり、かつて各種臨時列車やイベント列車、回送列車等の発着、今回取り上げたような車両展示会などいろいろな目的に使われたころの面影もなくなりつつあります。
今となっては、今回思い出をつづった「ブルートレインフェスティバル」のような規模の大きな車両展示イベントが駅のホームを会場として行われることが少なくなったのは寂しい限りです。

26年前の「ブルートレインフェスティバル」は、縮小傾向が明らかになってきたとはいえまだまだ寝台特急が最後の輝きを残していたことの象徴のようなイベントだったのかもしれません。