引退まであと1か月! 小田急ロマンスカーVSE乗車の思い出
2005年にデビューし、「白いロマンスカー」と親しまれた小田急ロマンスカーVSE(50000系)。
1987年デビューのHiSE(10000系)以来久しぶりに展望室が復活したり、かつてのロマンスカー名物「走る喫茶室」のようなシートサービスが復活したりと、久しぶりの「これぞ小田急ロマンスカー」と感じさせてくれる車両として、登場時大いに話題になったものでした。
しかしそんなVSEも登場からわずか17年の昨年3月11日限りで定期運用から撤退し、その後2編成とも臨時列車やイベント列車、団体臨時列車などで活躍を続けてきましたが、2編成のうち50002編成が去る9月に運用を終了し、残る50001編成もちょうど1か月後の12月10日をもっての引退が決まりました。
デビューからわずか18年、連接者という特殊な構造と、アルミダブルス金構造という車体構造ゆえのメンテナンスや改造工事の難しさといった理由や、小田急ロマンスカー自体の環境変化などの事情があるとはいえ、これだけ意欲的で乗っても見ても楽しい車両がこれだけの短命で引退を余儀なくされるとは、何とも寂しい話です。
そのVSEですが、実は私は一回しか乗車した経験がなく、写真を撮影したのも2~3回ほどしかありません。
もともと小田急線に乗る機会自体が少ないこともあり、VSEが登場して以来ずっとぜひ乗車したいと思いながらも、なかなかその機会が訪れませんでした。
しかし、2008年頃に撮り鉄のため東海道線の根府川駅や湯河原駅へ行くことにした際、途中小田原までのルートを往復とも小田急にすることにし、この機会に小田原へ向かう往路でVSE使用の列車に乗ることにしました。
その時乗車した列車の具体的な時刻は忘れてしまいましたが、おそらく昼前後に新宿駅を発車する「はこね」だったと思います。
VSEの姿はそれまでにも鉄道雑誌などで何度となく見ていましたが、実際に新宿駅に入線してくるVSEを見ていると、何だか動物のようにも見える独特の前面形状と、昔からのロマンスカーのイメージとは異なるアイボリー(?)ベースの塗装はやはりインパクト台でした。個人的には、窓下に赤い細帯の入った車体側面の外観に、京王のかつての名車初代5000系を思い出してしまいましたが(笑)
乗車日は平日でしたが、それでもやはり展望室は人気のようで指定券が取れず一般の座席に座ることになりました。
それでも側窓からの展望を考慮して通常より5度窓側に向けられた座席からの眺めはちょっと新鮮なものでした。
昼間の列車ということもありそこそこの高速運転と快適な乗り心地を楽しむことができましたが、今思うと悔やまれるのは、VSEで復活した本格的な飲み物などのシートサービスを利用しなかったこと。
うっかり(?)別の場所で弁当や飲み物を買って昼食にしてしまったためでしたが、ロマンスカーの車内販売が全廃されてしまった今となっては、あの時何かしら注文していれば…という心残りはあります。
新宿駅から乗車すること1時間余りの小田原駅で下車し、次回はぜひVSEに乗って箱根へ行こうという気持ちになりましたが、結局その後再びVSEに乗るチャンスは訪れず、定期運用離脱後の各種イベント列車での乗車の機会もないまま、とうとう引退の時を迎えてしまうことになりました。
幸い、昨年の定期運用離脱の時点では、小田急としても将来的にVSEを海老名の「ロマンスカーミュージアム」で保存するという意思はあるというような意思はあったようで、ぜひともそれは実現してほしいと思います。
VSEの引退により、小田急ロマンスカーの伝統ともいえる展望席を持つ車両も最新のGSE(70000系)だけになり、今後はロマンスカーも観光客というより通勤利用やビジネス利用を重視する方向へシフトしていくというような話も聞いたことがあります。
しかし、私も含め多くの人が抱く小田急ロマンスカーのイメージは、今も他の列車とは違う特別なものがあると思いますし、ただ目的地まで座って速くいける列車というだけでない、乗ることにわくわくや夢のある列車という精神は今後も失われてはならないと思います。