初めて彼を見たとき、
「ビビッときたの」と彼に言うと、
彼は「人はそんなにビビッとなんて来ない、
それは思い過ごしだよ」と言った。
彼を初めて見たのは講演会だった。
彼は進行役で、黒い細身のスーツを着こなしていた。
私が今まで体育会系の中で歩んできた人生では、出会ったことのないような
知的な雰囲気があった。
そして、静かな優しい声で
「皆さん、今日はようこそいらっしゃいました」と第一声を発した。
「なんて素晴らしいきれいな言葉なんでしょう!!」
その時私はビビッときた。
結婚するかもとか、運命とか、
全く思わなかったけど、
確かにビビッときたのだ。