彼は大学で働いているのだけど、
週1回マンツーマンで
一緒にドイツ語を勉強している男子学生がいる。
彼が大学生の時、
彼の恩師がそうしてくれたから、
同じように困っている学生や
やる気のある学生につきあっているのだ。
学生は毎回必ずお礼を言ってくれるのだけど、
この前、急にゴソゴソとして、
これ地元のアメです、とくれたそうだ。
彼はありがとうと言って、
いつも研究室に学生用に買ってあるお菓子を
ひとつお返しに渡そうとしたらしい。
すると学生がそれを断ったそうで、
彼が、みんなにいつもあげてるから
遠慮しなくていいよと言ったら、
その学生が、
今日は本当にいつものお礼がしたかったから、
と言ったそうだ。
彼は家に帰ってから
「彼に悪いことしちゃったな」と言った。
彼の純粋なお礼の気持ちを
ちゃんと受け止めてあげればよかった、
と言って、
なんか、そういう気持ち僕も分かるし、
と言った。
アメは小さな丸いべっこうアメで、
袋に7粒入っていた。
1個だけ気持ちのお裾分けをもらったら、
とても甘くて、あたたかくて、
おいしかった。