「水の音―広重から千住博まで―」@山種美術館(2014,7、19~9,15)
殺人的な猛暑にうだる今の時期にぴったり!
涼を求めて行って参りました~。
水。
海に囲まれ、山河の自然に恵まれた日本において、
「水」とは身近で、
常に変化し決まった形を持たないその形態は、時代を超えて画家たちを刺激し続ける題材そのもの。
本展では、「水の音」に焦点を当て、川、海、滝、雨の主題に沿った、
近代から現代の画家たちの当館所蔵作品約60点が展示される。
第1章 波のイメージ
川―流れゆく川
海―躍動する波
第2章 滝のダイナミズム
第3章 きらめく水面
第4章 雨の情景
奥村土牛 鳴門 1959(昭和34)年
会場で1番初めに出迎えてくれるのが、広告にもつかわれているこちら。
徳島の鳴門。
土牛70歳の作。
見ての通り渦巻く潮渦に、船は大揺れし、土牛は奥様に帯を掴んでもらって何十枚も写生、
下絵を描かずに完成させたという。
群青、白緑、胡粉を重ねて海の深さと動きを表現している。
実物は、遠くに浮かぶ淡路島など、クリーム色をしていて、
画面全体が温かみのある色調で整っていること。
線をつかわず、濃淡のみで表現されていて、優しい印象を受けること。
そのせいで、潮渦は激しいはずなのに、見ているうちに心は静まり、ほっこり癒されてしまった。
奥村土牛 那智 1958(昭和33年)
こちらも土牛、69歳の作。
セザンヌの影響を受けたと思われる構図が面白くて興奮!
日本三大瀑のうちの1つ、和歌山の那智。
落差133m。
絵自体が、縦に大きく、胡粉を重ねた白い滝は、
中心を真っ直ぐ貫き、迫力があった。
奥田元宋 奥入瀬(秋) 1983(昭和58)年
会場の中でも、一際存在感を放っていたのがこちら。
見事に染まった紅葉は、「元宋の赤」と呼ばれ、目に鮮やか。
近くでよく見ると、どの紅葉も、様々な色調、諧調で丹念に表され、それは、木の肌、流れる清流、岩、全てに通じている。
それを離れて一眺すると、そこには完璧に美しい風景が広がっている。
背景には金泥が敷かれ、絵全体から淡く光が発せられているようで、思わず目を細めてしまう。
只々忽然と呆けるように、幻想的な世界に引きこまれてしまった。

歌川広重 木曽路之山川(雪月花之内 雪) 1857(安政4)年
待ってました広重!(笑)
今回の展示は、時代問わずに様々な作品を見られるのが嬉しい。
3枚続きの大画面を効果的に用い、雪の降り積もる木曾の渓谷を、パノラマ風に捉えている。
左右方向に、透視遠近法を加えることで、山塊がせり出すような立体感を作り出しているそうだが、
素人の自分には難しい説明抜きに、ただ見ているだけで面白い。
変な形の山が面白い。
白いもこもこした塊り。
使っている色は、墨、白、青だけ。
解説によると、旅人を小さくすることで、スケールの大きな景観との差を意識しているとのことなので、探してみたら・・・いた!
右の絵の橋の上に。本当にちっさい!!(笑)
歌川広重 阿波鳴門之風景 (雪月花之内 花) 1957(安政4)年
先ほどの土牛と同じく、阿波(徳島)の鳴門が描かれている。
広重最晩年の作。
こちらの鳴門の渦潮が「花」として見立てられ、それに上記の「雪」、後期展示の「月」とが、
「雪月花」の3部作と称されている。
近景と遠景の差が激しく、巧みな構図が面白くて目を見張る。
こちらもきちんとした図法が解説されていたが、
兎に角、隅々まで眺めて、1人その面白さを噛みしめていたい。
広重は、他にも名所江戸百景など、有名な絵が展示されていた。
山元春挙 清流 1927-33(昭和2-8)年頃
山元春挙について、今まで着目したことがなかったので知らなかった。
下部大半を占める清流は、澄んだ色味が涼しげで、暑いこの時期にはもってこい。
岩の上になった植物の実は、黄緑とピンクの彩りが鮮やかで可愛らしい。
良いアクセントになっている、小さな水面の水鳥。
この鳥がいなかったら、ちょっとぼやけた印象になってしまう。
山元春挙 火口の水 1925(大正14)年
カメラを持参した最初の画家といわれる春挙。
風景画として圧巻の写実性。
洋画の遠近法と、円山四条派の写生の技術が合わさり、
このような見事な絵が完成された。
千住博 ウォーターホール 1995(平成7)年
滝の連作で有名な千住博。
滝を生み出した当時を振り返って。
「滝のリアリティを何とか出したい。
とにかく絵具を上から下へ流してみた」
壁に立てかけた紙の上部から、胡粉を溶いた水を流して描いているらしいが、
それだけでこの複雑な線が表現できるのだろうか。
詳しい描き方が気になる・・・。
飛沫などは、霧吹きを使っているらしい。
竹内栖鳳 艸影帖・色紙十二ヶ月のうち松島(七月) 1938(昭和13)年頃
横山大観 夏の海 1952(昭和27)年頃
日本画についてド素人な癖に、何をほざくかという感じだが、
やっぱり栖鳳と大観は、他とは群を抜いて上手いと思う。
というか、素人目でもわかるほど秀でているというのか。
様々な作品が並べてあっても、必ず目を引かれる。
センスが違う。
絵の神様から授かった、生まれ持つ根っからの絵のセンス。
他にも気になった作品がちらほら。
小野竹喬 沖の灯 1977(昭和52)年
画像はないけれど、杉山 寧 の「潤」など。
本当は、帰りに「Cafe 椿」で企画展限定メニューの和菓子を頂きたかったのだけれど、
この日は別に土産を買う予定があったので已むなく断念・・・(゚ーÅ)
食べたかった、というよりその可愛らしい出で立ちを見つめて愛でたかった・・・(゚ーÅ)
それぞれの絵をモチーフに作られた生菓子たち、すごくかわいいのだもの!
1個あたり、¥510は、お、お高いけれども(汗)
私のCafe椿デビューは、果たしていつになるのでしょう。。
「水の音―広重から千住博まで―」@山種美術館(2014,7、19~9,15)
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
連日馬鹿みたいに熱い猛暑が続く中、この見るからに(聞くからに?)涼しげな企画展は、
山種美術館、大当たりだと思われます。
ぜひ会場に足を運んで、涼を味わって頂きたい。
行って正解♪
ありがとうございました。






































































































