心一つに!
組織において業績を上げる本質的な要因は“人間関係”である。
確かに戦略的な要因や商品やサービスなどの要因も大きく業績
に左右されるのは確かだが、それ以前の問題として人間関係が
良好で無くては、モチベーションも上がらないし、お客様によ
り良いサービスなど提供できないからである。
だから、同じようなサービスを扱う同業者間においても、業績
の差があるのは、ほとんどの場合は組織における人間関係であ
ると言っても過言では無い。
もうほとんどのメンバーが経験していないので、ピーアンドエ
フが一番苦しかった時期のV字回復した要因を少し書き記して
おきたい。
もう丁度10年になるが、一番苦しかったのは法人3期の時で
ある。私が本業から離れ、新事業へ進出しようと考え大胆に権
限を委譲し、現場のほとんどを任せることにした。営業所を大
阪内で創業地でもある枚方と大阪市内に新たに開設し、採用活
動を積極的に行い6名位だった組織を11名の2拠点でスター
トした。私は現在もフレックスとして活躍してくれているMさん
と新事業への進出を試みていた。
人数や拠点が増えれば、必然と売上は向上していくものと考え
ていたのだが、数ヶ月も経つと人数も増え、拠点が増えたにも
関わらず昨年の数字すらも割り始めたのだ。(結局経営とは数
では無く“質”であるという事を改めて感じた)固定費は膨らみ、
売上や粗利は減少するといったダブルパンチ状態。
「このままいけば、倒産する」といった危機感の下で、私は大
きな投資をすでに新事業にしてきたものの、大胆に決断をして
いく事になる。
1、新事業への投資金額は全て捨てて、本業で立て直す。
(投資金額当時で1350万の放棄。現在の組織でいうと1億を
捨てた)
2、コストを大胆に削減するために、報酬を役職者全員カ
ットする。(私が40%、管理職20%のカット)
3、創業地の枚方営業所を捨て、大阪市内の拠点だけに
する。(力の集約)
4、既存のお客様を今一度徹底してメンバーで守り、私は
新規のお客様開拓に集中する。(東京への出張)
5、本気で厳しい局面を乗り越えてくれるメンバーだけ残っ
てほしいと希望退職を嘆願する。(結局6名体制になる)
その他にも様々な当時のドラマがあるが、そこはかなりの長文
になるので割愛するが、とにかく素早く決断、行動を行なって
いった。
ピーアンドエフでは創業から月次決算での会計管理を行なって
きているのだが、3ヶ月連続での月次赤字決算からの事である。
そういった決断を行い、正しく少数精鋭になった新しい組織の
中で陣頭指揮を執り、その3ヵ月後には過去最高を遥かに上回
る業績回復をする事が出来て、年次決算も黒字化し、売上や利
益も昨年を上回ることが出来たのである。(その後は毎年15
0%増の決算を続ける事が出来る)
様々な要因があって、一気にV字回復を成し遂げる事が出来た
と思うのだが、その中でも現在の組織において参考になると思
う諸要因を挙げさせておいていただく。
(当時V字回復が出来た諸要因)
1、大胆に捨てた!(言い方は悪いが人も、拠点も、やり方も
投資金額も)
2、希望となるモノを責任者で作った!(東京の大口顧客の創
客、東京への進出)
3、本業で新たに顧客視点に立った!(顧客との接点を増やし
顧客の声を聞いた)
4、少数精鋭になった!(少数になれば精鋭になる)
5、とにかく全員で心一つにまとまって組織を守った!(一丸
となった)
諸要因に挙げさせていただいた5点であるが、その中でも
本日は特に全メンバーにお伝えしておきたいのは、5の
“心一つ”である。結局、業績とは働く人たちの“心の現われ”
である。本気でやるべき事を全員の心一つにやれた時、大い
なる力を発揮するのである。