数限りないミームが現れては消え、また現れては消える。
個々のミームを前にした時、あるダイアローグ/モノローグが交わされる。
1 ダイアローグ/モノローグ
例えば、「このミームは意味がない」。
だからと言って、「別のミームを採用しよう」では、元の木阿弥(もとのもくあみ)だ。
そうではなく、「このミームは意味がない。あのミームも意味がない。これらミームの全体が、恣意的で、何の根拠もない。」という場所に至ったとき、インスピラツィオーンの火が点される(ともされる)。
インスピラツィオーンは、一度始まれば、もう終わることがない。ミームではなく、霊的な道行だ。
2 インスピラツィオーン
人はインスピラツィオーンとともに、少しずつ境域を越えてゆく。一挙に越えるのではない。少しずつ越えるのだ。日一日と周りの景色が違って見えてくる。
ミームに見切りをつけ、境域を越えることを始めたら、それを最後までやりきらなければならない。さもなければ、あなたは梯子を踏み違えた大工のように転落するから。~ 「踏み外した人」。そう、あらゆる意味において、あなたは「踏み外した人」になる。
2-1 最高の意味における真剣さが求められる。この真剣さが要求され、試され、そしてあなた自身の責任において、そのための勇気を発揮できる場所は、この地上の世界をおいて他にはない(*そのようにシュタイナーも述べている)。
3 インスピラツィオーンという霊的な道行において、人は完全に一人になる。対話の相手もおらず、誰の助けも得ることができない。孤独である。
3-1 インスピラツィオーンの道行において、人は境域を少しずつ踏み越えてゆく。ただし、その道行はどこまでも孤独だ。
3-2 妻のエウリディチェと死別したオルフェウスは、妻を生き返らせるために、冥界へと下る。しかし、エウリディチェを取り戻すことはかなわず、一人で現界(げんかい)へと戻るしかなかった。
3-3 妻のイザナミと死別したイザナギは、妻と再会すべく、黄泉の国へ入る。ところが、あろうことかイザナミは腐敗し、蛆がわいた醜い姿に変わっており、イザナギは恐怖と嫌悪感に襲われる。そして、追ってくるイザナミから逃れ、地上へと戻る。
4 境域であり、生と死の深淵であるところを、人は一人で乗り越えなければならない。自らのインスピラツィオーンと共に。