2023.8.5-5 ST ガンダルフとサルマン | 大分アントロポゾフィー研究会

大分アントロポゾフィー研究会

ブログの説明を入力します。

ロード・オブ・ザ・リングでは

ふたりの魔術師が戦う場面が たしか2回でてくる。

白の魔術師ガンダルフと黒魔術にはまってしまったサルマンだ。

どうもふたりはかつては友人どうしであったらしい。

ふたりとも もう年をとってしまい 肉体の力は衰えている。

サルマンは 強大な悪の力=サウロンには敵わないという激しい恐怖の感情にとらわれ

悪の手下になることで 黒魔術に自分の魂のすくいをもとめた。それは 自分の魂を悪魔に売り渡すことに他ならなかった。

そうして その力で(黒魔術の力で)親友のガンダルフを やっつけようとするまでになってしまう。

なぜなら 友人であったころから ガンダルフは かれのライバルだったからだ。

もちろん ガンダルフの方も サウロン サルマンを 自分のライバルだと思っていたにちがいない。

ふたりのあいだには 眼には見えない霊的な 魂同士の張り合い(はりあい)が

もともとあった。熾烈(しれつ)な競争が。

だが、ふたりの作法(態度)は おおきく異なるものになってしまった。

いうまでもないことだが サウロンに対する かれらの対峙のしかたが まったく異なっている。

さらに ガンダルフに対するサルマンの態度と 

サルマンに対するガンダルフの気持ちのぶれかた(すき でも きらい / きらい でも すき / でもでも~やっぱり でもでも('ω')でも つよいのはいったいどっちなんだぁああっあー( ゚Д゚))が まったくちがっている(のか)。ちょうど 鏡に映ったみたいに。

同じようで違う 違っているようで同じなのか でもやっぱり違うのか・・・

危機状態にある中つ国を舞台として ふたりはまさに運命的に再会し、たたかうことになる。

サウロンという巨大な悪が この地上の世界に出現してしまったことが

ふたりの運命の歯車を 悲劇的な方向へと 大きく 回転させてしまったのだ。

同時に とくにサルマンに注目すると

かれの魂の物語りは 

私たち自身の魂の際どい(きわどい)現実を 鋭利に映し出していることがわかってくる。

 

この重層的な 

悪に対するかれら(ガンダルフとサルマン)のたたかいの諸相を 

見とどけることは たいへん勉強になる。

わたしやあなたのたましいのなかを 

イメージ豊かに ファンタジーのたすけをかりて 鳥瞰(ちょうかん)するようなものだからだ。分析などではなく。

 

***

 

♪ エンヤ 『メイ・イット・ビー May It Be』

 

ガンダルフ(左)、サルマン(右)