昔のノートに
茨木のり子さんの詩が書かれていた。
なにかが心に響いたんだろう。
なにかは思い出せない。
だけど、
今読んでもやっぱり惹かれる。
女性を感じる。
自律した女性の心。
経験からにじみ出る言葉。
人生にはいろんな方がいる。
いろんな本がある。
亡くなった方の想いも言葉も
時代を超えてここに届く。
救われたり視野が広がったり、
私は本が好きだ。
自分の感受性くらい
「ぱさぱさな乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな。
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなったのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもがひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ。」