声をかけて頂いた社長さんの会社でお世話になることになり、ここから人生の勉強の日々が続きます。

この社長さんは私と似た環境で育ったそうで、「お前を一人前にしてやる!!」と言って頂いたのですが、それは大変厳しい人でした。当時この社長さんは780万円の腕時計をして新車のプレジデントに乗っていました。「お前も頑張れば俺のようになれる」と言っていましたが初任給9万8千円の私にとってその言葉の重みは何も感じられませんでした。

この会社は鉄を削って加工する会社で従業員の人達は定年退職した人達ばかりでした。言ってみれば超職人の会社でした。その中で一人だけ若い私はとても可愛がっていただけました。しかし、普通校出身の私には右も左も分からない事だらけで、唯一知っている工具はドライバーだけでした。そんな環境の中で仕事をしていても身に入らず一日がものすごーく長く感じていました。でも社長の期待は大きく出張に行く時は私を連れて行きました。新幹線に乗っても、車に乗ってもすぐに寝てしまう私はいつも怒られていました。こんな私でも少しずつ仕事を与えられてきて仕事が楽しくなってきました。

でも、当時の私は朝が弱くいつも遅刻ギリギリか2,3分遅れの遅刻でした。そんな従業員ですから怒られても仕方ないのです。

丁度入社して1年が経った時以前から社長さんに親のことを色々と言われ嫌になっていた事もありこの会社を退職することになりました。

 

この会社で学んだことは今も昔もどんなことを言われても「受け入れる」ということです。それは物事には必ず「原因があるからその結果がある」ということです。しかし、未熟な私には理解していませんでした。

 

退社して1ヶ月位した頃親父が姿をみせるようになっていました。昔からの知り合いのところで働くみたいなことでした。

私はすることなく毎日パチンコで稼いでいました。その数日後親父から「やることがないなら親父の務め先でバイトでもしないか?」と誘われパチンコにも飽きてきた私はバイトをすることにしました。今まで私と母親が払ってきたお金を親父が払うということになり少し気持ちが楽になりました。

 

心機一転、バイトを始めることになりましたが初日から心を動かされることになりました。