橋本光二郎 雪の華 | ブッチャー山のブログ

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かつて、日本映画には、戦前のトーキー初期に歌謡映画が作られ、戦後にも、市川昆監督作品にもそのタイプの作品が作られ、石原裕次郎作品にもそのタイプの作品が作られ、何だかんだいいながらも細々ながら、その系統の作品が絶滅していないことに、妙な安心感と、テレビ時代も終焉したのにも係わらず、連綿と続いているさまに、逆に感動を覚えました(笑)それらは、どこか、人間の感情の本源に触れる、羞恥心に触れる、そういう、恥ずかしさギリギリの作品の伝統があり、平成末期にこさえられたこの作品にも受け継がれていることも、好感が持てます。アイドルが主役を勤めるパターンも同様で、平成末期の、幼児化して考察をしない日本人の弱さもあるかとは思いますが、これは、映画の王道として数々の欠点にも係わらず、これは、素直に受け入れたくなる作品でした。本編中での作品の弱点をフォローする台詞や、数々のリアリティの欠如も、とにもかくにも、映画の王道を恥ずかしげもなくここまでやってしまえば、立派?です(笑)。反対の声が大きいのはわかりますが、反対者が賛同している映画の方がより酷いケースも多いのではないでしょうか?中条あやみ、登板氏のヒロイン、ヒーローもー安っぽくてもOK(笑)ー絵になっています。リアリティは欠如していて、突っ込み所満載ですが、そればかりみる人は映画のフィクションの毒に絡み捕られて気の毒といえましょう。作り手は初めからそのような点は考えていません。確かに一級の才能ではなく、カット割、空間、余りの映画としての幼稚さーこれは平成末期の、邦画に通じる。特に若向け全般作品の傾向で、若い人を舐めていて中年男としては、作り手の怠慢に怒りを覚えますーもありますが、とにかく、下手くそな搦め手もなく、真っ向勝負にホッとしましたーそれにしてもラストの接吻多くてこれも思考回路の画一化のようで逆に恐ろしいー。不満は沢山ないわけではないが、日本映画の伝統と本質的な具現化が続行していて、嬉しい作品でした。才能ある監督で、この枠組みでミュージカル映画にしたら面白くなりそうですが(笑)