詳細については、これからということですが、

山形県鶴岡市・三瀬(さんぜ)保育園で、保育環境の研修会が5年ぶりに開催されることになりました。

日程は10月24日となります。ぜひ、ご予定ください。翌日、保育観察も可能とのことですので、日程にゆとりをもってのご参加をおススメします。

 

【2017年研究会の様子。多い時は200名近くが参加】

 

さて、この三瀬保育園は、2014年の11月、自分たちの手による保育環境の整備を進めることを決め、以降、こつこつと環境を整えてきました。今年で丸10年となります。

 

【2018年9月の園庭】

 

園庭が生かされていなかったころ

小学校のグラウンドと同じ発想の園庭時代です。

遊具や木々は園庭の脇にあり、中央は広く、地面は固く滑りやすい状態でした。

やることが見つからない子たちは走り回り、何もないので動線が交錯し衝突・転倒が多い園庭でした。遊具も、けがが容易に想起できるものだけでしたので、おとなが監視的にならざるを得ず、遊具を使う時もそこに付き、ルールを設け、注意事項をシャワーのように言い続けていくしかないような状況でした。

 

 

【2014年11月の園庭】

 

冬は駐車場の役目も果たします。

これでは園庭をいじることは難しくなります。

おとなの言うように動く活動しか園庭でしないとすれば、これでよいのかもしれません。

 

 

しかし、子どものやってみたいことは、自身の育ちと直結した思いであり行動であり、おとなのさせたいこととはずれがある、ということに気づいた園は、思い切って環境を整えていくことを決意します。最初は砂場からでした。

砂場や築山は、おとなが子ども時代に遊んでいたことや、今も設置している園も多いので、おとなの抵抗感が少ない遊び空間です。

 

【以前の砂場は枠がコンクリートブロック、砂もなく】

 

上の写真は以前の砂場ですが、いかに重要視していなかったかがわかります。

しかし、以下のようになります。以降、ここから、あまりに素敵な物語が湯水のように「自噴」するようになるのです。

ここで生まれたあまりにたくさんの物語が、おとなたちの意識を徐々に変えていきます。

 

【保護者や地域の力を借りて誕生した砂場 2015年3月】

 

以降、園庭だけでなく、室内の環境も変化し続けていきます。

 

 

【進化を続ける園庭】

 

子どもたちのやっていることを丁寧に観察し分析することで、保育というものが楽しくなっていきます。

わたしは、子どもたちの様子から人間の可能性を感じ、この取り組みの深さと魅力を、訪問するたびに感じ続けてきました。

けがの怖さから徐々に解き放たれ(油断は禁物)、子どもというか人間の魅力を感じ始めると、おとなの子どもへのかかわりの質は変わっていきます。不要な声掛けは減り、みていることが増えていきます。ひとってすごいなって感じることが増えていきます。

 

以前の監視的な役割は、ともに暮らす仲間的な関係性の中から生まれる役割へと変化していきました。

もちろん、おとなにも揺れはありますし、抱えているバックグラウンドにはいろいろあるので、山あり谷ありでありますが、それも必要な「旅」であり、自分たちのアップデートには不可欠な道程だと思います。 

 

 

自分の好きを起点に創る空間

2024年、おとな自身の「好き」をきっかけに保育を創造していこう!というチャレンジしています。

同時に、老朽化してきたさまざまなもののリニューアルも行っていきます。

 

今までの10年を振り返りつつ、そしてこれからの10年をどデザインしていくか。

変化の激しい社会、天変地異がいつ起こるかわからないこの日本において、どう生きていくか?

この乳幼児期の経験から学ぶ生きた「知恵」が、人生120年時代をより豊かに楽しく創造します。

 

 

みなさんと、これからの10年、そしてその先を楽しく「妄想」できる研究会になるといいなと個人的に思っています。

 

 

研究会のお問い合わせについては三瀬保育園にお願いします。

〒999-7463 山形県鶴岡市三瀬殿田233-1
電話番号 0235-73-3500 担当:本間

ウェブサイト 

 

 

おわり。

 

 

三瀬保育園の取り組みについては、この本に掲載されています。

 

 

 

木村の公立園時代の取り組みについて掲載。