山形市・たつのこ保育園。

 

【園内研修の会場はいつもの1歳児室】

 

今回の研修のテーマは給食室からの提案をもとに「談議」で決めていきました。

そして、「楽しい食事ってどんなの?」に決まりました。

 

【たつのこ式「模造紙」をつくっています 笑】

 

ペア(チーム)決めは運次第💓

ところで、談議のチーム決めは基本的に「あみだくじ」で決めます。

このあみだくじも、一人ひとりが棒を書き込み、その日の「運命」を自分で決めるということを大事にしています。ちょっとドキドキしますよね、まるで小学校の時の席替えのように、誰が隣に来るのか、ワクワクドキドキ💛

リーダー側の意図に添ってチームを決める、ということもアリなのかもしれませんが、その意図が時として邪魔をすることもあり、敢えて公開でメンバーを決めています(効率を求めて事前に決めない)。おもしろいのは、リーダーたちが意図せずひとつに集まってしまうことがそれなりの頻度であるという事。おもしろいなっていつも感じます。

※通常1対1ですが、時間の関係で今回に限り3名1チームに(全体で5チーム)。

 

テーマを絞る

給食室からのレポートを聴いた後、自由に談議。今回は15分程度、時間をとり、その後、そこで出た話の中で全体でシェアさせたい内容を1分で話してもらいました。その出てきた話の内容から、テーマを1つに絞っていきます。そして浮き上がったものが、『楽しい食事ってどんなの?』でした。

テーマを自分たちの話した内容から浮き上がらせていく作業は、確かに手間はかかりますが、自分事になりますし、誰かが狙いに添って決めた意図を意識していく必要もないので、おもしろさはぐっとアップします。

テーマ決めを場に任せられるのは、保育者の問題意識がそもそもあって、それを言語化するだけのことだからです。ほとんどの場合、どこにどんな問題があるのか、多くの保育者がわかっているとわたしは感じています。なので、場に任せちゃうわけです。

 

【やっぱり盛り上がる「談議」タイム】

 

効率を求めない

ここまでそれなりの時間を要しました。

研修の流れ・落としどころをあらかじめ意識しすぎてしまうと、ついつい効率的に時間を使おうとします。しかし、「談議」の時間は、時間ばかりでなく思考についても、何かに添うのではなく・意識を過剰にするのではなく、その人自身に委ねたいので、効率的には進められないのが実際のところです。何かに縛られているおとなが多い中、時間をどうしてもかけて、徐々に解きほぐす必要があるからです。

 

自分たちだったらどうなのか、という視点がポイント

談議し、それをシェアする中で、自分たちだったらどうよ、という視点が浮上してきました。

どういう状況だったら自分が楽しいか?

出た話をまとめると、昔からよく言われている、3つの間、時間・空間・仲間、これに量が重要なポイントであることがわかってきました。これらが選択できること。機会という話も出ていました。

時間…食べ始めるタイミング、食事にかける時間。これが選べる。

空間…食べる場所。食べたい場所があって選べる。そこで食べやすいようにアイテムを準備する。

仲間…一人を含め、食べたいひとと食べる。

量…たつのこでは、今日はそれを食べない、お替りする、も含め、基本的に本人の意思に任せている。おとなの場合は、食べたいものを選べるということもある。

機会…クッキングや栽培の機会が楽しさを増す。

 

子どもたちが食事の時、どうしたら楽しく過ごせるかは、おとなの自分と全く一緒だという事が再確認できました。

 

【書記役に突然指名されたなぎちゃん、お疲れさまでした】

 

意図に縛られない

保育者が願い(意図)をもつことは大事だと感じます。

しかし、それをついつい押し付けてしまうことも無きにしもあらず…。

子を想うがあまり、それを察した子どもがその場を去っていく…。

無理に追いかけて、関係がこじれていく…。

願ってもいない方向になっていくなんて、嫌ですよね…。

基本は、おとな自身が楽しく食べるためにふだんしようとしていることを、子どもの食事の時間でも出来るようにすること。子どももうれしいと思いますが、意図に縛られているおとなの振る舞いは、傍で見ている子どもにとって、心地よいものとは思えません。人的環境であるおとな自身がどんな心もちでその時間、そこにいるか。子どもに与えている影響は少なくないので、子どもを論じる前に、まずは自分、どうなの? です。

 

「給食」じゃなくて「ランチ」にしない?

あるひとが、「給食じゃなくてランチって言った方がよくない?」とつぶやき、「うんうん」と場が賛同。

「じゃあ調理室はキッチンだね」「たつのこに横文字は合わんな 笑(→某研修講師のチャチャ)」

呼び方ひとつで雰囲気はガラッと変わります。

ランチ、と呼ぶだけで、その場をどう設えていくかのイメージも変わります。

 

 

談議の末に見えてきたものは?

 

たつのこの今日からのお昼時間に生きてくるのかなって思います。

 

 

おわり。

 

※研修時間は2時間を1単位としています。ワークショップは5時間としています。