築山づくり in タカラヅカ

 

宝塚市・雲雀丘学園幼稚園で2日間のワークショップが行われました。

珍しく、初日は雨時々曇り。二日目は夏を思い出すくらいの暑さの晴天で。。

今回は、保護者講演会をワークショップとセット。造園家の村田さん(埼玉県毛呂山町在住)とのコラボで実施。

専門的な話は、やはりその道の方に話を聴くのが一番です。

 

ご参考までに、築山の今後の変化の様子がわかるよう、村田さんとコラボしているキリスト愛児園(茨城県境町)の園庭築山のbefore・nowを紹介します。呼吸する園庭・地球を感じられる園庭をめざしています。

 

【before 2021年1月】

地面が窒息状態でした。

真砂土で滑り、転んだらすぐにひざなどを擦りむいてしまいます。

 

【土のう積終了後 2021年3月末】

選んだ土(諸々ブレンド済み)を敷き、築山を設置。

動線を整理するために、コースをつくり始めました。

 

【now 2022年9月】

もはや、そこらの野山との区別がつかないほどに自然な感じに。

 

 

さて、雲雀丘学園幼稚園の話に戻ります。

鉄製遊具の一部撤去と同時に築山をつくろう!という話が出たのが今年の春。

ただ、いきなり築山と言ってもなかなかイメージもしにくいので、まずは「お試し築山をつくろう!」という話になり、

小さな築山をまずつくってみようということになりました。

 

【before 2022年3月】

 

最初は、園舎に隣接する部分にかわいいものを作る予定でしたが、

築山熱が上がり♨、お試し築山ではありますが、当初の想定よりもやや大きめのものになりました。

 

 

築山をつくるとき、これは園庭の地面も同じなのですが、こだわるのが土です。

真砂土では崩れやすいですし滑りやすく、不要なけがも誘発されると考えています。

土が肥えて植物が育ち、それらが土の流出を防ぎます。虫や鳥も来ます。

土の湿り気も柔らかさも保持しやすく、落ち着いた雰囲気を醸し出します。

 

年月が経ったとき、地球を感じられる、地球とのコンタクトが取れる場所に。

 

 

 

 

〇ワークショップの様子

今回も大勢の保護者が参加し、また、保護者で土建業を営む方の会社からの強力なバックアップも得て、進められました。人数が多かったので、3交代制で行われました。園のスタッフや会社から応援に来たみなさんはフル稼働。

週明けの月曜日から子どもたちが遊べるように間に合わせたいと、みんなで汗をかきました。

 

【築山上の水はけをよくするため溝を掘っている造園家・村田氏】

 

やはり土にはこだわります。お手製のくん炭や竹炭、腐葉土を混ぜていきます(配合は村田氏指導)。

ベースとなる土が見つかったことが、今回の築山誕生の背景にはあります。このベースとなる土がないと、築山づくりに踏み切れません。土を扱う保護者の方が見つけ出してくださいました。

 

【有機物をふんだんに混ぜている】

 

ところで、今回、京都・滋賀から3園のみなさんが、雨中、駆け付けてくださりました。

みなさん、保育環境の整備を自分たちの手で進めています。

近畿地方に仲間が増えてきています。

仲間同士がつながり、情報交換をしたり必要に応じて助け合ったりすることは、研修の同時実施同様、この取り組みには不可欠です。

 

【初日の作業風景】

降ったりやんだりの中、ぬかるみに気を付けながら作業。

 

【二日目の作業風景】

初日と打って変わっての晴天。台風一過。

 

【トンネル出入り口は特にふかふかに。今後植栽をします】

 

植栽は、トンネル上部とそこに続く動線を調整するためです。

階段状になっている丸太の太さや山頂とトンネル上の踊り場の広さ、

園庭面との高低差などから考慮し、まずは木(低木)を植え、子どもの様子から調整します。

ここで使う木は、村田氏にこの場にふさわしいものを選んでもらっています。

 

 

〇こんな感じになりました。

【2022年3月の写真と比べてみてください(上の方にあります)】

 

この写真は、beforeとほぼ同じアングルから撮影したものです。

変化がわかると思います。

 

このブログがアップされた今日は、おそらく子どもたちがこの築山で初めて遊んでいるだろうと思います。

観に行けなかったのは残念でしたが、来月の研修日にしてくださる報告を楽しみにしています。

なお、ワークの次の訪問時には、報告される子どもたちの姿から微調整をする場合があります。

この微調整や日々のメンテナンスは不可欠ですが、自分たちでわいわいと楽しく作ったものは、そこに意識が向きやすい傾向があるので、放っておかれることはそうそうないようです(全国の実践園をみていて感じていること)。

 

 

〇おまけ。前回ワークショップの様子はこちらから。

 

〇さらにおまけ。

カブトムシの幼虫がたくさん、腐葉土の中から。

 

 

おわり。

 

<以下、木村編著の書籍紹介>