現在の札幌北幼稚園・園庭です。

 

 

今日のワークショップに参加した保護者の方から、

この園庭を道路から観て(入園を)決めた! とおっしゃる方がいました。

 

 

自分たちの手による園庭環境の整備は今年度で2年目を迎えました。

ここのところ、「整備にとりかかりたい!」という方からの連絡をいくつかいただいたこともあり、

今回のブログでは、札幌北幼稚園(以下、北幼稚園)のここまでの経緯を少し振り返ってみたいと思います。

 

 
〇きっかけは研修。
北幼稚園が保育環境の整備を自分たちで進めていこうと思ったきっかけは、おいわけ子ども園(北海道安平町)で開催された2019年の研究会がきっかけでした。園庭を観て、あまりの違いに衝撃を受け…。
子どもが伸び伸びと遊んでいて、職員が「監視」していない…。
 
園に戻って、まず職員に紹介。しかし、「温度差があった」とのこと。
そこで、話し合いを重ねつつ、講師を呼んでの研修を複数回行ったり、他園に積極的に訪問したり。
このことが、その温度差をだんだんと縮めていったようです。
 
〇最初の整備は「絵本コーナー」
とっかかりは室内環境の整備でした。
絵本コーナーをより魅力化することから自分たちの手による整備をスタートさせました。
 
【話し合ってイメージを固めていく】
 
電動工具を初めて手にした職員ばかりで、全くの手探りだったそうですが、
夕方、何とか作業は終わり、みなさんからは、「落ち着いた環境ができた」「すてき~」という声が聞かれました。
 
【ゆっくりと絵本が読めるように、空間を分けている】
 
この年度は、冬に振り返り研修を行って、締めとなりました。
 
 
〇いよいよスタート、園庭整備。
さて、2021年の夏、園庭整備がスタートしました。
やはり事前研修を行ってのスタートです。
 

【以前の園庭。遊具は園庭の隅にあった。地面は硬い】

 

これは、開始前の園庭です。

何もありません。。

 

鉄製の総合遊具。

これは、スタッフによると、「見張っていた遊具」とのこと。

 

 

職員が怖くて、必ず下についていましたし、

今思えば「監視していたよね」ということだそうです。

 

走ること。

鬼ごっこ。縄跳び。ドッジボール。

振り返ると、保育者主導で…。

 

今だから言えるとの事ですが、

「縄跳びでずっと縄をまわしていたので、腕がとっても疲れて辛かった」そうです。

 

これらの遊び自体が悪いということではありません。

しかし、総合的に考え、「子どもたちが自分で遊びを見つけて、かかわりの中で遊びを深めていく」という保育のねらいにはなかなか到達しにくい状況だと判断をしました。

 

この年の整備では、2つの築山のうちの一つを完成させ、いくつかの登るものを制作しました。

制作した直後から、子どもたちの姿の変化に、みなさん、感じたことが多かったようです。

この時の様子は、ブログで紹介しています。

 

 

 

この年度も、冬に振り返り研修を2度行い、締めました。

 

 

〇2022年度は、「よりワクワクする空間づくり」

 

今日のワークは、久しぶりに保護者も参加して行われました。

近隣の手稲区から、園長・副園長の2名、見学&お手伝い。

 

【手稲区の園のスタッフがステージづくりを手伝って】

 

このような「ふらっと参加」交流は、どんどん行われていくといいなぁと思っています。

 

【「京都・清水寺風」デッキ】

 

築山の南斜面に、デッキをつくってみました。

京都にある清水寺風、です。高さは1.4mですが、築山からそのまま行けるため、

様子を観て、柵を設置する予定です。

柵は、作り方によっては、「忍者渡り」(外側を横に進んでいく)に誘います。

これが不要なルール(決まり事)を生み出すとすれば、そうならないような形状にします。

 

監視する者・される者、という構図からの「脱却」をめざしているとすれば、

新たにルール(決まり事)をつくってしまうことは本意ではありません。

もちろん、環境の整備を行っていくとき、制作途中などの段階であったり、どうしても不安がぬぐえない時などは、ルール(決まり事)を設ける時もあります。しかし、できればルール(決まり事)は少ないほうが良いとするならば、物的・空間的な環境を工夫していく必要があります。同時に他園をいくつか見学することで、「そういうものだ」という思い込みに気づけるのかもしれません。

 

さて、このデッキですが、

 樹木の保護(根を守る)

 ちょっとした隠れスペースになる(園舎が築山の向こう側)

 気持ちの良い場所となる(心地よい風が吹き抜ける)

などのプラスの効果を期待しています。

でも、きっと子どもたちはおとなの想像を超える使い方をすることでしょう。

 

【錦帯橋のような、仮称「小林橋」ほぼ完成】

 

ワークショップの時間は、予定よりも伸びましたが、

スタッフたちの明るい表情や会話から、明日からの保育の充実が想像でき、

一緒にいて、とても嬉しく感じました。

 

これからもとっても楽しみな北幼稚園です。

 

 

参考:北海道新聞掲載記事。北幼稚園の築山上にあるような、樹木の枝を使った工作物などについて書かれています。

 

 

 

木村