70代女性
【主訴】
ふらついてまっすぐ歩けない
~原因不明のめまい症~
【問診】
一人で歩けない。この1年間はずっとご主人付き添いでの行動をしている。
メマイとふらつきがあり、まっすぐ歩くことが出来ない。
40代のころ一度重いめまい症をしている。
今回は全く良くならない。
耳鼻咽喉科に4件ほど通院した。それぞれ行く度に違う事をいわれる。
脳神経外科を紹介され通院するも、結局原因は不明。漢方薬を処方されている。
メニエール病でもない…耳石でもない…と言われ様々な漢方薬を変えて処方されている。
そこからまた耳鼻咽喉科や脳神経外科を回る。調べつくして言われることは『原因不明』。
結局、『自律神経が原因による不定愁訴では?』と言われる。
ご主人も高齢であり、毎日の世話が辛い。奥様も申し訳ない…という状態。
今回NHKの東洋医学の番組を見て『これだ!』と思ったそうで、来院して頂きました。
【視診・触診】
来院時は靴の履き替え時にフラッと転びそうになる。
待合室から問診室もご主人のサポートなしでは歩けない。フラフラしている。
意識や会話は正常。
今まで鍼灸やマッサージなどの施術は受けたことが無い。
病気も特にしたことが無く、元気が取柄であったとのこと。
触診では頚部緊張(++)浮腫(++)皮脂(+)が診られる。
【治療方針】
原因不明な状態こそが盲点にあると判断。
疼痛や痺れといった自覚症状が出ないまま経過した首の環境悪化から起こる自律神経症状として首の治療を行う事にした。
【治療部位】
①頭半棘筋
②頭板状筋
③後頭下筋群(大後頭直筋・上頭斜筋)
を中心に治療を行う事にした。
使用鍼『1寸01(霞鍼)×30本』
【治療結果】
初回治療後から『目の前が晴れた!』との感想。
そのまま治療継続。
4回目の治療時にはふらつきが軽減し、ご主人の補助なしで歩行が可能になる。
(まだ頚部に緊張や浮腫が残る)
6回目の治療時には杖無しにて歩行可能。
『1年前の元気なころに戻った!』とのこと。
8回目の治療時には大分症状も回復。ご主人の負担もだいぶ減ったとのこと。
コロナ禍から行っていなかった旅行に5年ぶりに行くことが出来た。
来月も長期旅行予定である。
現在も旅行以外の時は週一度のペースで治療は継続している。
【高齢者のメマイ・ふらつき・意力減退が増えています】
私の飲み友達に62歳の最高に面白い精神科医(U先生)がいるのですが、U先生が『最近は高齢者のうつ・やる気の低下・引きこもりが増えてるんだよね...』と言っていました。
確かに最近息子さんや娘さんが連れて来てくれる70代~80代の年齢の患者さんが、そういった悩みを抱えていることが多いように感じています。
今まで元気で動けていた人や、私は元気!…と勘違いしている元気な方ほど、急にガクンと調子を崩すことが多いです。
その時の身体の状態は心にも影響を及ぼすので注意が必要です。
U先生も国立おざわで定期的に鍼治療をしているのですが、やはり治療をすると目の前が晴れてヤル気が出るようです。(精神科医も大変なのです)(10日に一回ほど治療している)
本人の体感もあるので『うつの人や意力減退、不定愁訴に効果がある』…と認めてくれています。
2025年から『U先生のカウンセリング+OZAWAの鍼治療』を一つの診療項目として行っていく予定です。(銀座院にて行う予定)
またお知らせします。
自律神経の症状は『私の身体、どうしちゃったの?』という症候群です。
首凝りは様々な症状を引き起こします。
高齢者世代は首凝りが様々な病気の原因になっている…という事に気が付かないので、勿体ないと思う事も正直多いです。