50代女性
【主訴】
ブロック注射やリハビリしても良くならない。
実は首凝りが原因による肩や腕の痺れ症状
【問診】
4ヶ月前からの症状。
きっかけは旅行で重い荷物を長時間持ったことから始まる。
最初は肩が重くただの筋肉痛かと思っていたが、気が付いたら1ヶ月それが続き、痺れに変わってしまった。
それからしばらく様子を見ていたが症状が悪化していった為、
頚椎の4、
『軽い頚椎ヘルニア』かも…と言われたが、医者もよく分からないという感
その後ブロック注射やリハビリをやったが一時的に良くなるだけで
とりあえず毎日痛み止めを飲んでいるが、正直効果が無い。
最近では痛くて眠れない日も多い。
自分で腕を触っても感覚が鈍く、
運動もしてみたが、痛みがあるとやる気も無くなってしまい何をす
毎日効かない痛み止めを飲み続けるのもやめたい
どうにかして根本的な治療がしたいと思い、ネットで探していたら国立おざわを見つけてくれました。
【視診・触診】
肩コリは慢性的にある。
背部が亀の甲羅を背負っているように硬く棘突起も触察しにくい。
加えて浮腫も全体的に顕著(自覚なし)。
皮膚の感覚が鈍い。
首、腕の運動での症状誘発・増強は診られない。
【治療】
頚部、肩部の運動、触察で新たに症状の誘発・増強もなし。
頸椎ヘルニアに該当する程の症状も診られず。
よって頚肩部周辺にできたTPによる放散痛(関連痛)
痛み止めは本人希望により治療開始とともに服用停止。
(治療筋)
僧帽筋
頭半棘筋
頭半棘筋停止部
後頭下筋群
胸鎖乳突筋
頭板状筋
棘下筋
1回目…10→4。
皮膚表面の鈍さが軽減。
痛み痺れも少し良い。
2回目…4→3。
徐々に感覚が戻ってきており、
3回目
4回目
今まで何をしても変化がなかったのが改善してきていると自覚がで
7回目
症状改善。
病院で何をしても治らなかった今回の症状。
数回で変化が見られ改善までも1ヶ月かかりませんでした。
初回以降から夜もぐっすりと眠れるようになったとのこと。
現在は元々あった体のコリの部分が残っている為定期的に治療を継
【神経症状とトリガーポイントによる関連痛の違い】
治療とは『本当にそれが原因なのか?』…と疑問を持ちながら行うのが本来の良しです。
画像診断で頚椎が狭くなっているからと言って、『ハイ、これが原因ですね』という訳にはいきません。
患者さん自身は辛いから、そういう画像を見せられてこれが原因だと言われると、謎に納得してしまいます。
治療では『画像診断ではそのように見られるが、本当にそれが今回の症状の原因なのか?』と疑問に思わなくてはならないのです。
トリガーポイントは活性化すると、痛みの他にも痺れを引き起こします。
例えば坐骨神経痛と診断された人の8割~9割は坐骨神経そのものに問題は無く、大殿筋や中殿筋、小殿筋などのお尻の筋肉に形成されたトリガーポイントが原因です。
今回の様に腕の痺れ症状は、だいたいが『首が原因ですね』とはいわれるものの、多くは『首の骨が神経に触っているから症状が出てますね』という意味を含んでいます。
しかし実際は複雑に絡み合う首の細かい『筋肉』に形成されたトリガーポイントが誘発した関連痛による痺れ症状というのがほとんどです。
時に、頚椎の手術痕がありながら未だに痺れが治らない…と相談があります。
腕の痺れは頚部のトリガーや肩甲骨周辺のトリガーも絡んでいることがあります。
複雑なパズルを紐解きながら、治療を行っていきます。