70代女性
【主訴】
脊柱管狭窄症の術後疼痛
腰痛・右臀部痛・右脚の痺れ
【問診】
3年程前からの症状。整形外科で脊柱管狭窄症の診断を受ける。
リハビリや電気治療、牽引治療にも通ったが改善が見られず、一年程前に腰椎1〜腰椎5番の範囲でボルト固定の手術(脊椎固定術)を行った。
手術後も痛みは改善せず、、最近は右脚への痺れが強くなって来た感覚がある。
痛みの範囲は右側に強く、臀部〜右下腿の脛の外側に痺れ症状が強い。
手術痕周囲は局所的に痛む。
リリカ、カロナール、メチコバール、ロキソニンテープの処方を受けている。
痛みは天候の変化にも影響を受けやすく、天気が悪い日は痛みも強くなる感覚がある。
元々活動的な方であったが、最近は少し歩くだけでも辛く、家でじっとしている時間が長い。腰の痛みにより眠りの質も悪い。
鍼治療は以前他の部位の治療で経験がある。
心配された、ご家族に当院ホームページを見つけて頂き、ご連絡頂きました。
【視診・触診】
視診では、前屈み姿勢で歩行もゆっくりで歩幅も狭いのが診られる。痛みで体幹の前後屈がほぼ出来ない。後屈痛が強く診られる。
触診では手術痕周囲の脊柱起立筋(最長筋)の過緊張が診られる。
右小臀筋の触擦で下腿への関連痛を得られる。
【治療部位】
最長筋、多裂筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋、ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋)、前脛骨筋、腓骨筋
【まとめ】
脊柱管狭窄症と診断され、手術を受けても痛み、痺れが改善されなかった症状が当初よりだいぶ緩和されました。
そもそも腰痛の85%は「非得異的腰痛」と言われています。X線やMRI、CTなどの画像検査と患者の訴える症状と一致せず、科学的に証明出来ない、原因不明の腰痛の事を言います。
画像診断上分からない(映らない)痛みに対しては、ほぼほぼ骨格筋に形成されたトリガーポイントが活性化されての痛みであると、日々の臨床で患者さんが改善されていかれるのを診て確信しております。
今回の患者のケースでも、画像上は脊柱管狭窄が診られたのかもしれませんが、、手術で脊柱管を拡張しても、痛みは改善されませんでした。
トリガーポイント鍼治療では、鍼の響き感を大切にし、骨格筋に形成されたトリガーポイントの処理を行います。
長年悩まれてる方でも適切な治療が出来ると症状が改善されていくケースは多いです。
手術を決断される前に、鍼治療を治療の選択肢の一つとして考えて頂ければと思います。
是非ご相談ください。