50代男性
【主訴】
アキレス腱の痛み
【問診】
3週間前頃から左のアキレス腱周囲に痛みが継続している。
仕事は体育の教員をされており、日々の授業にも支障をきたしている。
最初は趣味でのランニングの際に違和感を感じたのがきっかけであったが、最近は歩くだけでも痛みを感じる程である。。
自分で湿布やアイシング、ストレッチ、マッサージ等をして様子を見ていたが、中々痛みが改善しない状態である。
アキレス腱の違和感、痛みは以前にも悩まされる事がありその都度セルフケアで凌いでいたが、、今回はセルフケアでの限界を感じる程の辛さの為治療を決断。
当院ホームページを見つけて頂きご連絡頂きました。
【視診・触診】
視診では左アキレス腱踵骨付着部に腫れ(肥厚)が診られる。
触診ではアキレス腱に熱感が診られる。
ふくらはぎ(下腿三頭筋)の硬さが顕著に診られる。
足関節背屈での痛み(+)
つま先立ちでの痛み(+)
【アキレス腱炎とは】
ふくらはぎの筋肉と、かかとの踵骨を結ぶアキレス腱に炎症を起こした状態の事を言います。一般に陸上やジャンプスポーツなどの運動を行う方に多く診られます。
走る時などにふくらはぎが足の裏を踏み返す動き(つま先立ちになる)に関係します。運動などで繰り返しの負荷が掛かった後に十分な回復期間を取らないと、アキレス腱の炎症に繋がります。
アキレス腱炎症部の局所、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)に形成されたトリガーポイントに対してのアプローチが大切となります。
【治療部位・治療経過】
アキレス腱肥厚部局所、下腿三頭筋(腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、ヒラメ筋)、後脛骨筋、前脛骨筋、長趾伸筋、腓骨筋
施術1回目
アキレス腱局所、ふくらはぎ構成筋の下腿三頭筋に対して集中的にTP鍼治療を行う。
治療後痛みの緩和
ペインスケール10→8
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は3個の筋肉から構成される
①腓腹筋内側
②腓腹筋外側
施術2回目
治療後歩行時の痛みが軽減する。
痛みの緩和
ペインスケール8→6
施術3回目
引き続き集中治療。
痛みの緩和。
歩行時の痛みは感じなくなる。
熱感が消失する。腫れが一気に減少する。
ペインスケール6→4
施術4〜6回目
当初あった痛みがかなり改善する。
つま先立ち荷重時の違和感、足関節背屈での違和感の残存がある為→アキレス腱、下腿三頭筋の治療にプラスして、すねの前の前脛骨筋、長趾伸筋の治療も追加して行いました。
ペインスケール4→2
施術8回目
当初あった違和感、痛みが改善する。
腫れも消失する。つま先立ちでの荷重も大丈夫になる。
日常で違和感も無く過ごせている。軽いランニングも再開出来る様になる。
ペインスケール2→0
【まとめ】
アキレス腱炎に対しては炎症部のアキレス腱局所、下腿三頭筋に形成されたトリガーポイントの処理が大切になります。
また、何故アキレス腱に炎症が起こる程負担が掛かってしまうのか。を考えた時に、ふくらはぎの筋肉の拮抗筋にあたるすね前(前脛骨筋、長趾伸筋)の筋肉の柔軟性の確保も大切となります。
TP鍼治療で早期の改善、根治を目指す事が可能です。是非ご相談ください。