【主訴】
ギックリ腰一歩手前感覚
呼吸が吸いづらい
【問診】
保育の先生をしている。
長時間の屈み姿勢や体幹の曲げ伸ばしが多い。子供が急に飛びついてくることも多いため、いつぎっくり腰をしてしまうかとひやひやしている(過去にギックリ経験三度あり)
最近ではずっとギックリ腰一歩手前の状態が続いている。
全身的なコリがピークになると背中も全体的に固まり呼吸が苦しくなる。
【触診】
腰は体幹の曲げ伸ばしで働く脊柱起立筋群に認知覚あり。
屈み姿勢も多いため腰痛最大の原因筋(多裂筋)にも筋硬結が見られた。
首も、頭半棘筋の緊張が強く眼精疲労も日常的に感じているとのことなので、頭半棘筋後頭骨付着部をメインに狙うこととした。
【治療】
腰部:脊柱起立筋群・多裂筋
背中:上部胸椎多裂筋
首肩:僧帽筋・胸鎖乳突筋・頭半棘筋・後頭下筋群
【結果】
腰部の痛み、腰の置き所が安定しない不安感は二回の治療で完治とした。
首や背中のコリからくる呼吸の吸い辛さにはトリガーポイント退治はもちろん、継続的自律神経調整刺激が必要と判断し現在も治療継続中であります。
【なぜ筋肉は慢性痛を起こすのか】
筋肉はストレスを受けると自律神経の交感神経が興奮し無意識的に筋緊張が強くなる傾向があります。
筋緊張が強まった筋肉は血液循環が悪くなり虚血状態で筋肉が運動することによって、筋線維が傷つき痛みの原因を作ってしまいます。
つまり身体のコリを作る原因の一つにストレス環境があるのです。
いくらコリを作らないよう身体の使い方に気を付けていてもストレスフルな環境に身を置いている場合、筋肉は無意識的に緊張し続けて痛みの原因を作ってしまいます。
トリガーポイントへの鍼の刺激は強制的に副交感神経を働かせ自律神経バランスが乱れた身体にメスを入れることができます。
現代社会を生きている私たちは常々時間に追われ情報が交錯するストレスフルな社会を生きています。そしてスマホを見る姿勢や長時間のデスクワーク等で筋肉が酷使されている時間も多いです。
痛みというサインを待ってからではなく、常に万全な心身状態で過ごせるようにしていくことが重要です。改めて定期的治療の大切さを感じます。