山登りをした後から
足首のズキズキ・足のダルオモが治らない
【主訴】
1ヶ月半前に山小屋に泊まりがけで山登りへ。
登っている最中に腰から足まで重ダルい感じはあったが、なんとか2日間乗り切った。
それから数週間経っても一向に足のダルさは取れず、足関節にも違和感がずっと残っている状態。
以前に比べ、ここ数年は山に登った後の足腰の怠さや痛みが残りやすく、回復が遅くなってきた自覚があるがここまで続くのは初めてとの事。
今は山に登るのを控えており、平坦な道を散歩するくらいで抑えている。
足腰の状態がこのまま続くようなら山登りも止めようかなと考えているそうで、その前に治療を色々試してみようとご相談がありました。
【視診・触診】
視診
特に異常はない。
触診
中殿筋を触診の際足関節の外側まで関連痛。
ハムストリングス〜下腿にかけて圧痛あり
長・短腓骨筋に明らかな筋緊張がみられる。
【治療】
下肢の怠さの症状が強い為、循環確保を考え殿部の鍼を増やしながら、腰とハムストリングス〜下腿を治療。
また、足関節の違和感は中殿筋による関連痛と長、短腓骨筋が原因と考え治療しました。
治療ポイント
①中殿筋 ②小殿筋 ③腰部最長筋 ④半腱、半膜様筋 ⑤大腿二頭筋 ⑥腓腹筋内側 ⑦長、短腓骨筋
1回目
中殿筋を刺鍼時に足関節へ再現痛が出る。
2回目
前回後、数日は怠さが残る。
足関節の違和感は少し軽減。
3回目
徐々に下肢の重怠さが軽減してきた。
足関節の違和感は残り2〜3割。
4回目
足関節の違和感は消失。
山に登る気力が出てきた。
5回目
久しぶりに山へ。
登った後も、以前ほど怠さが残らない。また回復も早い気がするとのこと。
現在も定期的に治療継続中。
【考察】
今回のように下肢の怠さや足関節の違和感が主訴の場合、どうしても局所にフォーカスされがちです。
しかし実際の原因は遠隔部位などにあることが多々あります。
TP(トリガーポイント)が形成された筋肉の特徴としては、【関連痛】と呼ばれるものがあり、その部位だけでなく広範囲に痛みを出すことが知られています。
そして今回、足関節の症状の原因となった中殿筋や小殿筋はTPが形成される事で大腿部の外側〜下腿外側、外果まで最も遠隔に関連痛を生じさせます。
〈その他の関連痛を生じさせる筋肉の一例〉
頭痛… 頭半棘筋、頭最長筋、頭板状筋、大後頭直筋など
指先の痺れ…棘下筋、胸部多裂筋
膝の痛み…大腿直筋、中間広筋など
問い合わせの多い頭痛症状なども頚部に形成されたTPが関連痛として頭(後頭部や側頭部、目の奥など)に痛みとして出ます。
これらの症状は頚部のTPを的確に治療する事で改善は可能です。