数ヶ月続く首から背中にかけての痛みと凝り
40代 女性
【問診】
昨年の年末にご自宅でヨガをやっていた最中にバランスを崩し転倒。
その際に背部を強打した。以来痛みが続いている。
痛みが強かったので整形外科へ。骨等には異常はなく湿布や痛み止めを処方されただけであった。
その後、電気治療やマッサージなど色々試したが完全には痛みが取れきれず残っている。
現在は、息を大きく吸った際や身体を回旋した時の痛み、首の後屈で顕著に痛みがある。
元々慢性的な首肩こりや歯の食いしばり、その他腰痛などもあった為、軽減の目的でヨガやピラティスは長年続けている。
【視診・触診】
視診
患側の背部に明らかな筋膨隆が確認できる。
触診
頚部から背部にかけ、顕著な筋緊張がみられる。
【治療】
治療ポイント
①胸部多裂筋 ②僧帽筋 ③頭半棘筋 ④棘下筋
上記の筋肉を中心に治療スタート。
1〜3回目は特に症状が強い背部を中心に治療。
3回の治療で背部痛みが3割くらいに軽減した。
歯の食いしばりの治療をスタートする。
5回目
回旋時や後屈した際の痛みも軽減し、以前に比べさほど気にならなくなってきた。
現在は1週間に一回のペースで範囲を首肩こりと食いしばりの治療をメインに継続中。
〈考察〉
今回のご症状は、転倒時の急な外力によって背部(胸部多裂筋)に形成されたトリガーポイントによるものでした。
実際のところ背部の筋肉は何層にも重なっており、女性で2〜3㎝男性で3〜4もの厚さがあります。(もちろん体格により差はあります)
治療ポイントである胸部多裂筋はその最深部に位置する為、電気治療やマッサージではアプローチが難しいです。
鍼治療は、トリガーポイント(痛みの原因)に直接アプローチできる為、身体への負担も少なく、早期改善が見込めます。
背部にトリガーポイントが形成されると、背部痛だけでなく自律神経の乱れや指先の痺れ、なかなか取れない咳症状や逆流性食道炎などのご症状にも関与します。
ぜひご相談下さい。