50代女性
【主訴】ズキズキと痛む腰痛
1週間前、明け方から急に腰が痛くて歩けなくなる。
腰や太ももの張り感とズキズキとした痛みがある。しびれはない。
その日は1日安静にしたお陰か多少は痛みは軽減。しかしまだスッキリしない。痛みにより歩きにくい。
整形外科では『ヘルニア』と診断された。
薬と腰痛ベルトを処方されたがいまいち。腰は時々痛めることはあったが、寝たら治るので治療は特にしていなかった。
ここ数年で初期のガンが見つかり抗がん剤治療をうけていた。治療期間で全身の筋肉が弱くなってしまった。
運動のために沢山歩くことにした。よく山などにも歩きに行く。その疲れが溜まったのかもしれないとのこと。気にせず好きなだけ歩けるように早く治したいとのことでご来院されました。
【視診、触診】
殿部全体の浮腫と中臀筋に顕著な硬結。腰部多裂筋が硬すぎて指が入らない程。
整形外科では腰椎椎間板ヘルニアと診断されたとのことでしたが、腰椎椎間板ヘルニアに値する特徴的な症状が診られなかった為(そもそもレントゲンで診断)
筋肉が原因となっているものと判断し治療を開始しました。
【治療】
治療筋…中殿筋、小殿筋、腰部多裂筋、大腿筋膜張筋
期間…約2週間。週2回のペースにて集中的に治療しました。
1回目…10→3。ふつうに歩けるようになった。嬉しくなり少し動き過ぎてしまう。
2回目…3→2。
筋肉の解れを自覚。かなり動けるようになり痛みも軽減。太ももの張りが改善。
3回目…全体の症状は軽減。イスから立つ時や、前屈するときにまだ違和感がある。
4回目…症状が改善。時々気になるくらい。
現在は、腰の状態が良くなったと同時に上半身に症状が出てきたので、腰殿部をメンテナンスしつつ上半身メインで治療を継続しています。
今回の患者は1回の治療で違和感なく普通に歩けるようになり、2回目以降は日常生活で気にする事が数回程度...という所まで良くなった。
ここまで良くなると「もう治療しなくても大丈夫かも」と考えがち。しかしこの様な場合は良くなってからの治療が重要となります。
最初の主訴は氷山の一角に過ぎず。
根本的な治療を目指すには更に奥深い所に多く存在しているポイントを治療する必要があります。