【主訴】
右の鼻だけ詰まる・右の耳も閉塞感がある
10年前。
受験勉強をしている時から右の鼻だけ詰まるという異常に悩まされる。
耳鼻科へ行くと『副鼻腔炎』という診断を受ける。その場で点鼻薬を行う。改善には至らず。
色々と仕事なども忙しく4年の月日が経過。副鼻腔炎を専門とした鍼治療院へ通院。数回通院するもやはり改善せず。
治療は諦めた。鼻・耳は基本的には詰まっているが、風呂上がりに一時的に楽になる。
難聴などは無い。日常生活は特に苦しいという程でも無いが気にすれば気になる…という程度。
しかし最近のテレワークなどでイヤホンで会議をしていると耳が反響する様な感覚がある。
当院WEB SITEにて同じ様な症例を偶然見かけ、『やっぱり治したい!』…という熱い想いでご来院頂きました。
【視診・触診】
視診で判るほどのストレートネック。
皮膚緊張も強く普段のデスクワークから首への負担が診てとれる。
触診では頭半棘筋の緊張が強く、今まで首こりによる無意識化の食いしばりによるものか、相当な咀嚼筋緊張が診られました。
【治療】
寸6ー2番(25本)の全ての首・咀嚼筋に対して集中的に治療を行いました。
1回目:治療後に2・3日怠さ。ここまで鍼で患部を治療したのは初めて。しかし3日後からスッと鼻と耳の詰まりが抜ける感覚がある。
3回目:2回目の治療後より今までに無い改善。10年間悩ませていた症状に治る希望が見つかる。
5回目:ほぼ症状は良くなる。しかし忙しい時や身体が疲れた時などに思い出すかの様に症状を感じる事もある。現在も継続治療中。
【首と咀嚼筋トリガー→耳鼻咽喉科系の症状】
耳鼻咽喉科に長く通院する方も少なくありません。
『慢性鼻炎だから』『耳鳴りがある』『喉の詰まった感じがある』…多くの場合それらは薬で治る事もなく、経過観察・対症療法にて何となく月日が過ぎてしまっている傾向があります。
大切なのは『なぜその様な症状が出てしまっているのか?』という原因をしつこくしつこく探していく事。
なぜ慢性的に鼻炎症状が出ているのか?なぜ耳鳴りが治らないのか?なぜ喉に詰まった様な感覚があるのか?副鼻腔炎を繰り返してしまう理由はどこにあるのか?…これらをしつこく探していかなければなりません。
首や咀嚼筋のトリガーによる不定愁訴は想像を超える程多く存在するのです。