80代女性
【主訴】
脊柱管狭窄症手術後からの疼痛
昨年、急に腰の痛みが起こり整形外科を受診。MRI検査の結果『脊柱管狭窄症』と診断。その後手術をするかどうかの選択を検討され手術を決断。チタンによる固定術を受ける。
術後は良い感覚があったが、それ以来以前とは違う痛みが出てきている。それによる日常生活が以前と比べると低下しており、趣味のガーデニングも行う元気が無くなる。
座って静かにしていると痛みは軽減されるが、初動時に疼痛が強い。体勢を変える時に痛みが強くでる。寝返りなども辛いので眠りも浅い。
県外他院の治療院様よりご紹介されてのご来院となりました。
【視診・触診】
待合室から問診室にご案内する時も疼痛で顔が歪むほどお辛そうでした。腰部の視診では手術痕周囲の筋緊張。そして今までの腰の状態からか腰椎は強い後弯をしておりました。
触診では両方の大殿筋付着部(上後腸骨棘)の緊張・腰部多裂筋(特に仙骨真上)の筋緊張が触診の段階から分かりました。
【治療】
筋緊張が強過ぎる為手技は行わず、鍼治療のみでの治療を行ないました。
使用鍼:寸6−2(20本)
初回:治療直後から筋肉に血が巡っている様な感覚。
2回目:初回治療時から動きの改善が見られガーデニングを頑張ってしまう(嬉しくて動き過ぎてしまう…→多少の痛みはあるが初めほどではない)
3回目:大分痛みが緩和。日常生活が本来の状態に戻る。 ご家族からも『母が大分嬉しそうです』とのご報告受けました。
【脊柱管狭窄症の術後疼痛】
ご存知の通り高齢化が進み、脊柱管狭窄症と診断される方が増えています。正直言いますと、ある程度のご年齢になれば腰椎などには変形が認められ、クリニックでは正常とは違う部分と現在の疼痛状況を考慮して診断名というのが生まれます。つまり現在の疼痛は本当に診断された病名によるものなのであろうか?…と疑問を持つことも必要。術後にそれが原因だったのであれば症状は改善する可能性は高くなりますが、骨の周りには疼痛を誘発する骨格筋が原因のものも多いのです。本来であれば手術を選択される前段階に我々の様な鍼治療による可能性を選択肢として提供しなければならないのですがまだまだ認知は少ない様に感じます。
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