<主訴>
【舌痛症】
初めは『何か舌の様子がおかしい』という違和感から始まる。徐々に痛みやビリビリ感、苦味感を感じるようになる。自分の親も同じ様な症状に悩まされていた。
以前より首に違和感がありめまい・フワフワ感・動悸などの不定愁訴がある。
大学病院の口腔外科で『舌痛症』と診断され、専門医に受診を受ける。安定剤や漢方薬を処方してもらうも改善が無い。
以前より過敏性腸症候群があり、下痢と便秘を繰り返す事も多い。医師から『消化器系が原因では?』という事で胃腸薬をもらう。改善は無い。
『鍼治療はまだ試したことが無い』という事で当院へご来院して頂きました。
<視診・触診>
うつ伏せ状態での視診では特に問題はなく、触診では頚部・背部など上半身の筋緊張が強度に診られました。問診時にお話をしていると左右顎関節のバランスが悪い印象を受けました。
2、3回治療後、もし変化が診られなければ顎関節バランスを整えるための咀嚼筋治療を行う旨をお伝えしました。
3回目治療後は多少の改善が診られました。10→7
しかし顎関節部が気になる為、うつ伏せでの治療後に仰向けになって頂き顎関節調整及び咀嚼筋・胸鎖乳突筋の治療をさせて頂きました。
数回治療後、舌の状態はかなり改善していきました。7→3
もうしばらくするとご症状は改善するかと思います。
<まとめ>
舌痛症は原因が確定していない症状でもあります。
当院では頚部の緊張緩和の後に咀嚼筋トリガーポイントに対してアプローチする事が多く、明らかな顎関節部のバランス異常に関しては鍼治療後の徒手による矯正も行います。
今回のケースでは長年患者様を苦しめていた【舌痛症】という病気が①頚部・背部の緊張による交感神経緊張症状②咀嚼筋トリガーによるもの③顎関節バランスの3点による複合症状で出現していたものです。
西洋医学的には薬物療法がメイン。それでも改善しなければ漢方…となりやすい舌痛症。
良くなる未来を想像して頂ける治療をご提供できて良かったです。