トリガーポイントは『痛覚過敏部位』つまり『痛みの引き金点』という意味です。
トリガーポイントは腱や靭帯にあれば引き伸ばされて痛みが出る『伸張痛』が起こります。
例えばアキレス腱トリガーがある場合『アキレス腱を伸ばすと痛い』という事になります。
筋肉にトリガーポイントがある場合は筋肉を収縮させると痛いという『収縮痛』が起こります。
昔のトリガーポイントの考え方では『短縮痛』という概念で、例えば他動的にでも関節運動をさせた際に痛みが起こる場所にトリガーポイントがあると考えられてきました。
実際は患者様が自動的に動かす運動で痛みが強く出ることから収縮痛という概念に変わっています。
筋肉の場合は収縮させると痛みが出る為身体は無意識に筋肉をストレッチ(伸ばそうと)しようとする動きをします。
さて、歪みとトリガーポイントの関係性。
例えば食事の際でも右で噛む癖があったり左で噛む癖があったり。。。デスクに向かう際でも足を組んでいたり。必ず身体の癖というものがあります。
実際は『その筋肉にトリガーポイントがあるから思わず伸ばしてしまっている』という状態です。
足を組むのが悪いのではなく筋肉が悪いから足を組みたくなってしまうという事です。
首でも長年に渡りトリガーポイントから発生する痛み症状を回避する様な歪みを呈している事があります。
例えば片方の頚部多裂筋にトリガーがある場合。
この様に頚椎の歪みが生じます。
(黄色線は棘突起のライン)
これはおそらく日常生活の中で顔を右に向ける様な姿勢が継続して起こっているのが原因かと思います。(例えばダイニングで座っているがテレビが右にあるなど)
頚椎が右回旋しているが顔は正面を向きます。
このまま放置しますと身体全体が右回旋状態になり全身的な自律神経機能を乱す事にも繋がります。
側弯の患者様に多いのですが、胸椎付近で側弯が認められる場合胃症状やその他消化器系の異常が見られる事が多いです。
胸椎以下の側弯は骨盤の歪みにも繋がりますので婦人科系の疾患に悩む方も多いです。
歪みは『徐々に形成されてしまったもの』と考えると、整体などの民間療法で歪み矯正を徒手で行なったとしても改善はしません。
姿勢のビフォーアフターをよく拝見しますが、プロ目線で見るとこの部位を少しアプローチすれば一時的な改善が当然あるというのが結論です。ビフォーアフターほど当てにならないものは無いです。
歪みは早く治したい気持ちは重々承知ですが、ゆっくりと治していったもの程に継続効果が認められると私は思っています。