70代女性
<主訴>
右足の痺れ。
2年前から足が痺れる。
繰り返し症状が出る。いつも湿布やトレーニングなどをすることにより改善してきたが、今回はいつもより症状が長く続いている。
昔から全体的に右半身に痺れ症状が出ることがあり、トレーニングなどを行い対処してきた。
ゴルフが趣味である。
ゴルフをしていると足がつっぱるような状態になってしまい現在は行くことができない。
痺れは大腿後面と外側部に出現。
レントゲン検査では狭窄があると診断された。
ヘルニアもあり、辷症でもあると言われた。
現在はプールで歩いたり筋力トレーニングなどで改善?してきてはいる。
しかしスッキリしない。
歩いているときに症状が強い。
立ち上がって歩こうとするときに症状が強く出る。
右足に体重を乗せると症状が出る。階段では片方ずつ昇ったり降りたりする。
ご家族の紹介でご来院されました。
<視診・触診>
視診では腰椎に後弯が診られました。
触診では腰部の筋肉は過緊張、殿筋部に硬結が多く診られました。
<治療>

今までのトレーニングなどによる症状改善は一過性に過ぎず、殿筋の潜在性トリガーポイントが活性化していて足に痺れ症状が出現している症状と判断し、上図の中殿筋及び、、、

小殿筋に対するトリガーポイントアプローチを行いました。
週2回の治療を行いました。
1回目:治療後は少し良い。しかしすぐ戻る。
5回目:10→8 初回時よりも症状は改善しているが、無理をすると戻る。
10回目:8→5 ゴルフにも行けるようになる。運転時につらかったが現在は長距離運転も可能になる。
15回目:5→3 初めのころよりだいぶ症状が改善する。
現在継続治療中。
<今後の治療方針>
殿筋部のトリガーポイント処理は15回程度の治療にてほぼ改善しました。
しかし「なぜそこにトリガーポイントが形成されてしまったのか?」と考えたときに腰椎の後弯は見逃せません。

現在は上図の腰部最長筋を中心に、、、

最深部の多裂筋も同時に治療しています。
腰椎が後弯(腰椎が通常前弯しているがまっすぐになっている状態)では、上図の筋に負担をかけやすくなります。
腰椎が後弯している人の特徴的な例としては腰部の筋肉が緊張し、骨盤の回旋力が低下して股関節周辺の筋に負担をかける事です。
今回のケースの場合は①腰椎後弯による腰部最長筋・腰部多裂筋の過緊張→②骨盤回旋力の低下(ここまではまだ無症状)→③股関節周囲への負担→④股関節周囲の筋である中殿筋・小殿筋にトリガーポイント形成→⑤トリガーポイントが活性化し、足の痺れ症状が出現(ここで初めて自覚症状出現)
痛みの自覚というのは人それぞれです。
①の段階で腰に痛みを感じる人もいれば、⑤の段階で痛みや痺れを感じる人もいます。
①の場合は一般的。
⑤の場合は痛みに強い人と言えるでしょう(痛みに強い方に多い。(特に女性))
ここまでの症状の場合は、現在の症状をまず初めに緩和させることがスタートです。
そして今後痛みが起こらないように「なぜここがここまで悪くなってしまったのか?」という事を施術者が考え痛みの発生の元を断つ治療をしていく必要があります。
頑固な痛みほど今までの経過を逆算して考えて根本治癒を目指さなくてはなりません。
国立おざわ鍼灸・整骨院
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