30代男性。
<主訴>
左手首の痛み。
昔から剣道をしていた。一昨年手首の痛みが起こり、整形外科へ行った。
手首の変形性関節症と診断されたが特に治療を行うわけでもなく現在に至る。
常にサポーターをしている状態で、サポーターをしていても手首を使うと痛みが出る。
手首が腫れるという事はない。腕立て伏せの姿勢が最も痛みの再現が起こる。
最近痛みが治まらない為MRIを撮ると、手首の関節が少し狭くなっているという診断を受けた。
改善を諦めていたとの事でしたが、御家族のご紹介にてご来院してくれました。

<視診・触診>
初めはなかなか改善しない手首の痛みという事だった為TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)を疑いましたが、問診では特徴的な症状が見られなかった為、違うと判断しました。
視診・触診では手の甲、手首の直上に圧痛及び、手関節背屈時痛がありました。

<治療>
総指伸筋腱のトリガーポイントが原因として治療を行いました。
それと同時にそこに負担をかけていた原因である可能性があった棘下筋に対しても同時にアプローチを行いました。

(総指伸筋)

(棘下筋)
1回目:治療後は痛みが増す。しかし今まで何の変化もなかった為、良くなるかもしれないという希望が湧く。
3回目:治療後に痛みが大分楽になるようになる。仕事で手首を使う事があり、少し痛みが出るが前ほどではない。
4回目:サポーターが取れる。大分良い。
5回目:初めの痛みを10とすると、残り2位の自覚症状になる。
現在継続治療中。。。
<手首の痛み>
手首の痛みには様々な要因があります。
肩甲骨周りの筋肉の緊張により腕の筋にストレスがかかってしまった結果、肘が痛いという自覚症状が出る場合もあれば手首が痛いという自覚症状が出る場合もあります。
中にはTFCC損傷や手根管症候群。母指の腱鞘炎や今回の様に総指伸筋腱のトリガーポイントが原因で起こる痛みもあります。
今まで2年間、全く痛みの変化がなかったにも関わらず今回の様に5回程度の治療で症状が改善した事は良かったです。
手首は非常に細かい人体や筋肉の腱がある為、それら一つ一つにトリガーポイントが形成されると様々な症状が出現します。
話は少し変わりますが、手首の痛みの誤診が多いのはTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)というもので、小指側の手首が痛くなるものです。
MRIを撮りますと明らかにTFCC損傷・・・と言う場合でも、実際に発痛を起こしている原因はその損傷部位ではないという事が多いのです。
今回は総指伸筋腱のトリガーポイントが原因だとすぐ判断して治療を行い良い結果を得ました。
手首は細かい部位なので細かい診察と細かい触診が必要です。
国立おざわ鍼灸・整骨院
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