80代女性
<主訴>
9年前に圧迫骨折をしている。
骨粗しょう症があり、薬を服用している。朝起きる時に痛みが強い時期があった。
最近腰の急激な痛みにより歩行が困難になり、腰を曲げてないと歩けない状態になる。
家では歩くのが辛いため這っている様な状態が続いている。
整形外科でレントゲンを撮り、新たに圧迫骨折があると言われた。
骨折時の痛みは無かった。
特にクリニックではこれ以上治療も出来ないという事で痛み止めを処方され様子を見ることになった。
娘さんのご紹介でご来院されました。
<視診・触診>
腰を曲げており、痛みにより歩行も困難な状態である。
触診では腰部の緊張・股関節部の緊張が強く診られ、圧痛もあった。
痛み止めを服用しても症状の改善がない。
骨粗しょう症により骨折時の痛みが無い事から、圧迫骨折は今回の痛みが起こる以前に起こっていたものであり、現段階の痛みは腰部及び殿部のトリガーポイントが活性化した事による症状と判断し鍼治療を行いました。

<治療>
治療部位:中殿筋・大腿筋膜張筋

1回目:あまり変化はない。
3回目:洗濯ものや料理など、少し動けるようになる。
6回目:トイレなどの日常生活動作が普段通り可能になる。
7回目:痛みが軽減され背筋が伸びてくる。
現在継続治療中。
<まとめ>
高齢者の圧迫骨折には骨粗しょう症などがある場合、痛みを感じないケースがあります。
椎体の前面がつぶれてしまっているケースが多いです。
腰の動きが悪くなる事により急激に股関節部の筋緊張が強くなり、歩行が困難になる事も少なくありません。
『圧迫骨折を実はちょっと前に気が付かぬうちにしている→腰の動きが悪くなり、腰や股関節のトリガーポイントが活性化する→歩行が困難になる→レントゲンを撮る→圧迫骨折が分かる(現在の痛みと圧迫骨折をつなげてしまう)』…高齢者にはこの様な事がしばしばあります。
中には鑑別が必要な症状もありますので注意が必要です。
国立おざわ鍼灸・整骨院
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