このシリーズは私と癌との日々を綴っていきます。こんな生き方をした人間がいたことが誰かの役に立てば。おざポンがどんなときでも一日一生で生きたことが教え子達の勇気に繋がれば。そんな想いを込めて。
(※以下長文です。お時間のある際にお読みください。)
私は昔ネットの匿名掲示板で大規模な誹謗中傷を受けた。
私の塾がタイトルのスレッドが掲示板で作られ、あることないことを好き勝手に書き込まれた。
たしかに火のない所に煙は立たぬという言葉がある。
中には実際に通って頂いている方の書き込みだろうと推測できるものもあり、そういう言葉は真摯に耳を傾けた。
講師ミーティングなどで取り上げ改善を図った。
しかし書き込みの多くは事実にそぐわないものである。記憶は定かではないが、一ヶ月で100件は超える書き込みだったと思う。
しかもほとんど全部がアンチのコメント。
私が普通の神経の持ち主なら即入院というレベルだろう。
当時私は大手塾を辞め東京駅・八重洲南口に新塾を立ち上げた。人があまり住んでいない場所(昼と夜の人口が1,000万人違う!?)ということに加え、有名講師を集めた塾だったから注目を集めた。
外観↓(当時あった八重洲ブックセンターの裏あたり)
東京をあまり知らない人のために塾までのアクセス(各駅からの所要時間)↓
各種取材もあったし、第一回入塾説明会には100名近くの方が参加した。
小4・小5・小6のみを対象とした中学受験専門塾であるにもかかわらず、塾生数は初年度で130名になっていた。
その頃から誹謗中傷は始まった。
「信用」が要である塾は悪評により大打撃を被る。
毎月毎月生徒は多数辞めていき、ついにはピーク時の2割くらいになった。
当時は現在ほどネットの取り締まりも進んでなく、やりたい放題だった。もちろんただ唇を嚙んでじっとしていたわけではない。
⑴掲示板管理者に削除依頼をしたが、なかなかしてもらえなかった。そのとき知ったのが社長は会社のシンボルなので消せない。
たとえば社員Aの書き込みはすぐに削除に応じるが、社長=その塾とみなされ、削除依頼には応じられない。
⑵プロバイダーに相手のアドレス特定を依頼したが限界があり、特定には裁判が必要。さらに費用は1件100万円程度かかる。
そしてもしIPアドレスまで知ったとしてもPCの特定ができるだけで個人の特定には至らない。書き込んでいる場所が会社やネットカフェの可能性も低くはないのでアウト。
⑶警察にも相談に行ったが、サイバー課の刑事が「殺害予告などがないので動けない」と言って、警察官巡回中のステッカーをくれただけ。
「どうにかしてあげたいけどゴメンね…」とも言われた。
これでお手上げ。こんな時代だった。
被害額は1億円は下らないが、それよりも重くのしかかったのは多くの子ども達と講師が去っていってしまったこと。中には生徒を数名引き抜いて辞めた講師もいた。
今まで仲良くしてくれた友人や知人が汚いものを見ているかのようにサーっと離れていった。「潮が引くように」という表現がピッタリの状況だった。
銀行も態度が180°変わった。それまでは「小澤さん、プロパー貸しですから!」とニコニコしながら資金を融資してくれたこともあったが、売上が落ちてからは冷酷な取り立て屋に変身した。
自殺が脳裏をよぎった
実際に計画したりすることはなかったが、生きる目的を失いかけた。街ですれ違う人全員が書き込んでいる人に見え、私を見て嘲笑しているように感じた。
晴れた日に空を見上げると暗いオレンジ色に見えた。
昼も夜も怯えて過ごした。
東京のど真ん中でのバカ高い家賃は到底払えるわけもなく、命からがら市ヶ谷に移転した。
そのときにつけた塾名が「名前もない小さな個人塾」というもの。できるだけ目立たないように。しかし単に「個人塾」という名前だと検索にもの凄い数の塾がヒットしてしまう。しかたなくこの名前にした。
完全に逃げる・隠れるの心理だった。
その後しばらくして少し元気になった頃、Facebookで「誹謗中傷に屈しない会」というものを立ち上げ、理不尽な誹謗中傷にはけっして屈しないと宣言した。
そのときに自分を応援してくれる声が多く届き、自分は一人ではないと勇気をたくさん頂いた。
しかし、風評被害が消え去るには2,3年を要した…
※誹謗中傷については上映中の「ミッシング」が興味深い。誹謗中傷を受けた者の苦しみや過酷さ、心の変化を如実に描写している。
経験した者にしかわからない詳細を描いているし、マスコミの裏側もよく表現できている。エンディングには不満があるが。
私も5月末に観てきたが色々考えさせられた。
静岡の沼津が舞台になっていて沼津の映画館で観てきた。
長くなってしまった。
これは私の昔のことを皆さんに伝える目的で書いているのではない。可哀そうだねと同情してほしいからでもない。子ども達に伝えたいことがあるからだ。
キミ達も今後イジメやLINEクループでの無視やとんでもない裏切りや謂れのない誹謗中傷などに遭ってしまうことがあるだろう(あるいは現実に起きているかもしれない)
その時に思い出してほしい。
そういえばおざポンも昔とんでもない規模の誹謗中傷に遭ってしまったんだよな。でもそれを乗り越えて堂々と生きて、我が人生は満足だったと笑って旅立ったんだよな!
そして伝えたい。
①キミ達には必ず居場所がある!
②たった一度の人生を、有限の時間を、価値のない人間に振り回され無駄に使うな!
上に書いた2つは絶対だ。自殺などは絶対にしてはならない。
(これは苦しみの末そうしてしまった人を否定しているのではないから誤解のないように。自分もそれが脳裏をよぎったのが事実であるし)
不要な人間などいない。
キミは必ず生き生きと過ごせる環境に巡り合える。
本当の仲間にも巡り合える。
だから自分は独りだと思うな。
少なくとも親御さんとおざポンがいるじゃないか!(おざポンは死後もキミを守っているからね!)
もうひとつアドバイス。
悪意のある書き込みは気にする必要はないし、なんなら見る必要もない。書き込んでいるのはどうせ大したことない奴らだ。
覚えておいてほしい言葉がある。
ノイジーマイノリティー(noisy minority)
サイレントマジョリティー(silent majority)
ここではこう訳す。
「ギャーギャーわめいているのはごく一部の人間だ。そんな奴らに振り回されて人生の大切な時間を浪費してはならない。大多数の人々は静かにキミを見守っている。その中に大切な人はきっとたくさんいる!!」
そして!
何があっても書き込む側(いじめや誹謗中傷などをする側)にならないでほしい。常に相手のことを気遣う人間になってほしい。
沖縄のことわざで大好きな言葉を伝える。
あなたに傷つけられても眠れるが、あなたを傷つけたのであれば眠れない
(追記)
①命からがら市ヶ谷に塾を移転したとき、嬉しいことに何人もの親子がついてきてくれ、再び感動のドラマをいくつも創っていった。
そしてその塾は離婚した妻に譲り富士に移住。ここでも数多くのドラマを体験した。
どんなに辛くても生き続ければ良いことは必ずある!
②ちなみに書き込みをしていた人間を協力者の尽力で特定し、東京・池袋の喫茶店に呼び出し謝罪させたときの記事がコチラ↓
やはり“犯人”は面識のない人物であり、予想通り根拠のない無責任な書き込みをしていた。虚しさだけが残った…。
③イジメなどは独りで抱えず相談すること。親・先生・相談窓口・身近な友達、なんでもいい。解決の糸口が見つかるかも。
④誹謗中傷などは、相手が困っている、うろたえているのを見てさらに過熱する。いっさい気にしない方がいい。なんなら見ない方がいい。昔は炎上が冷めるのに2,3年かかったが今はそんなに長くは続かない。
⑤もしどうしようもなく辛くて仕方ない時は、以下のことをするのもいいかもしれない。
⑴東京スカイツリーや超高層ビルの展望台で我々の住んでいる世界をボーっと眺めてみよう。自分の悩みが小さく見えてくる。
⑵この曲を聴いてみよう。
⑥本記事は「誹謗中傷」という観点で書いたものである。
実際に若者が自殺してしまう原因は多岐に渡る。
15~34歳で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみ。また児童虐待の件数は2000年の年間約1万8000件から2020年の年間約20万5000件へと想像だにできない増加を示している。
本記事では本人の気構えを中心に書いたが、それは私の教育がそこに目的があるためであり、現実としては若者の自死を防ぐ方法は、本人の気構えだけではどうにもならないものがあり、社会全体としての取り組みが必要である。
(以下次号)
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