このシリーズは私と癌との日々を綴っていきます。こんな生き方をした人間がいたことが誰かの役に立てば。おざポンがどんなときでも一日一生で生きたことが教え子達の勇気に繋がれば。そんな想いを込めて。
2022年の大晦日から富士宮にある大自然に包まれた宿泊施設・日月倶楽部(ヒツキクラブ)に一泊した。
元がんセンターの医師と看護師が夫婦で営む所で、全国各地からがんサバイバーも多く集まる。
看護師だった奥さんは私の手術を執刀した呼吸器外科の部長のことをよく知っていて話が弾んだ
夕日を眺め想いにふけり、元旦は早朝に寒さに震えながら富士の麓から昇る初日の出を拝む
これが最高!
その後全員で散策に出かけ、富士山の湧き水を飲む。生きていることを実感する素晴らしい瞬間だ。
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もちろん初詣で祈ったことは(少しでも長生きできますように…)だった。しかし現実はそう甘くはなかった。
1月下旬に転移再発という現実に直面することになる。
抗がん剤の経過チェックのためがんセンターに行ったとき、血液検査とCT検査が終わって暫くすると、外科部長(※)が血相を変えて診察室とは逆の方向に走っていく。
(※)抗がん剤治療の終了に伴い、この時は主治医がいったん外科部長に戻っていた
(これはなにか良くないことがあったな…)という予感があったが、それは見事に的中してしまった。
その後暫くして診察室に入ると、部長から淡々と言葉があった。
「小澤さん、摘出した左の肺と反対側の右肺に癌が見つかりました。複数見られ、最大のものは大きさ13mmです。
こんなに早い転移は滅多になく驚いています。
これで肺がんのステージ4ということになります。
来月詳しい検査をします」
2月の詳しい検査でも転移再発が確認され
ステージ4に突入
正直怖かった
全摘した左肺はもう完全にない
それに加え右肺にも癌が??
しかも、もう1㎝より大きいって!
これが大きくなったらもう…
新治療である免疫チェックポイント阻害剤の投与が始まることになる。
完治を目指すのものではなく、延命を目的とする治療だ
もうそんなに長くはないな…
そう覚悟した
(以下次号)
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