このシリーズは私と癌との日々を綴っていきます。こんな生き方をした人間がいたことが誰かの役に立てば。おざポンがどんなときでも一日一生で生きたことが教え子達の勇気に繋がれば。そんな想いを込めて。
2022年4月21日
富士市の中央病院へ
内科に着くとすぐにアンケート用紙を渡された。
その中の一項目に「癌の本人告知を希望しますか？」があった。何の迷いもなくハイに◯を付けた。
町医者では病名が特定できないと聞いた時点で（まず肺がんだろうな）と予測していた。
東京の大手塾を退職してから一度も健康診断の類は行ってなかったし、なにせ長年に渡るヘビースモーカー。しかも両親および系列は癌で早死にとくれば若い頃から覚悟はできている。
オレは病院が嫌いだ。運命に逆らわずやりたいことをやって死ぬ。自分の命よりも子ども達の未来を大切に生きていくと半ば投げ遣りな正義感を振りかざして生きてきた。
もちろんこれには嘘はないが、しかし健康診断は毎年欠かさず行くべきだ。早期発見により治せる病気がこれだけ増えた昨今、癌も治らない病気とは言い切れない。いや癌の原発によっては完治が可能な時代になったと言えよう。自分の考え方や行動は自殺行為に等しいものであった。
長い待ち時間のあとやっと診察室に通された。町医者のレントゲン写真を見ながら医師のヒアリングが中心。来週検査をしようということになった。
GWウイークの直前4月28日の予約である。
癌の告知を予想して、夜は東京の娘を富士の自宅に呼んだ。
（以下次号）
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