昔書いたものを修正、加筆。先生・監督・コーチ・親など、指導者としての立場にある全ての方々に読んでほしい。そして子ども達にはおざポンはこんなことを考えている人なんだと知ってほしい。

皆さんにとって良い指導者とは何ですか?
おそらく多くの人が教え方が上手な人だと答えるでしょう。
でもね、いくら教え方が上手くても生徒がそれ(教えられたこと)をモノにできなければ成績は上がりませんよね?
勉強にしろスポーツにしろピアノにしろどんな習い事でも。
本当に良い指導者とは…

《塾の特異性》
それは「新人でもベテランに勝てる」数少ない仕事で
こと。ただし、幾つかの点においては無理だが、総合力としては勝てる。

「塾講師の五者」という話がある。塾講師に求められる五つの要素だ。
①医者…生徒の悩みをなくす
②易者…入試問題を当てる
③学者…膨大な知識を持っている
④芸者…生徒を楽しませる
⑤役者…生徒を酔わせる

説明をしよう。
②と④は熟練講師には勝てない。
③は確かに優秀な学生は世の中にたくさんいる。特に中学生の問題を解くことなど何の苦労もないだろう。
しかし「この問題は○年度の○○高校で出題された」「類題は○年度の○○高校でも出ている」などの話は新人にはできない。

ところが①と⑤は新人でもベテランに勝て、生徒・保護者から十分な信頼を得ることができる。

①の「医者」について小澤はこだわっていて、新人にもベテラン同様に求めている。
医者の2つの大切な要素を講師達に力説してきた。

⑴処方箋を書く
人生に方程式などない。
同様に「子育て」にも「受験の成功」にも「やる気にさせること」にも王道など存在しない。
生徒を伸ばし成長させるためには「どれだけ一緒に壁に向かって伴走するか」が大切であり、現状を打破するために5W1Hを伴う対処法を真剣に考えてくれる大人の存在がカギである。
この点において新人だから負けるなんてことがあるわけがない。
「その子をどうにかしてあげたい!」という情熱と行動が命なのだから。

⑵生きている意味・価値
医者の大切な仕事は病気を治すことだけではなく、たとえ余命僅かでも「いかに価値のある時間を過ごせるように患者をサポートすること」だと思う。
塾講師も同様の重大任務を負っていると考える。
ご存知のとおり「自分には価値がない」と思って生きている高校生は70%強という信じられない状態が日本にはある。
その原因は「自信を奪われ自己肯定感を失っている」からだ。

「キミはダメな人間じゃない!」
「やればできるよ!」
「あきらめないで!」
「一緒に乗り越えよう!」
子どもを信じてそんな言葉を投げかけるのに、ベテランも新人もない!
しかし、見透かされる形だけの褒め言葉では効果がない。子ども達は「この大人は心から褒めていない」ことを肌で感じとるからだ。厳しい道を努力で一緒に乗り越えた時の達成感を伴った真の言葉であることが重要だ。

ここまでの「五者」の話は、各塾の塾長が言葉を変えアレンジして講師達に伝えていることだろう。
でも、私は塾講師にはもう一つの大切な要素があると思う。
いや、塾講師のみならず学校教師でもスポーツでも習い事でも全ての教える立場の人間にとって。

それは「指揮者」の要素だ。
二つある。

⑴空間を単指示で操り、授業を理想の方向に持っていく力。

ごちゃごちゃわかりづらい指示を出すのではなく、明確に的確な指示を出し子ども達を導く力が大切。
これは想像しやすい。

しかし、次はあまり意識していない人(あるいはわかってはいても実践できていない人)も多いのではないか。

⑵空間づくりは水槽の魚に餌を与えることに近い。

上から目線の一方的なやり方ではない指導とでも言おうか。
子どものそれぞれの状態に歩み寄っていく行動力とでも言おうか。

いろいろな魚がいる。
餌をもらおうと水面に勢いよく出てくる魚
気づかずにあさっての方向を見ている魚
餌を食べたいのに浮き上がる力がなく水槽の底にいる魚

なのに、水槽の上から「オイ餌だぞ!食わなきゃダメだろ!」という指導になんの意味があろうか?

授業はやる気を持って臨んで当たり前
宿題は完璧にやって当たり前
集中力が切れるなど言語道断
質問はあなたから来るべき

それは、はじめからそうできる子を相手にした論理である。
大抵の子はそうではない。あるいは同一人物でもその時々でモチベーションは大きく異なる。
そうさせるために、そういう子を作り出していくために、我々は「指揮者」になる必要がある。
ここで言う指揮者とは壇上で上からタクトを振る指揮者ではなく、子ども達に歩み寄り子ども達の目線に立って指揮をとる指導者のことだ。

実はこの接し方ができない親は実に多い。
「なぜ本気でやらないの!」
「はやく勉強しなさい!」
「受験生なら勉強して当たり前でしょ!」
「いい学校に合格しないと◯◯みたいになっちゃうよ!」
枚挙にいとまがない。

長くなった。
我々塾講師に求められる要素のうち、私は「医者」「指揮者」に特にこだわる生き方をしてきたし、巡り会う講師達に求めてきた。
そして、これからもこの要素だけは誰にも負けないと心に決めている。

そんな塾講師や指導者が増えれば、子ども達はもっともっと頑張れる、自己肯定感が芽生え、日本が元気になっていくと信じている。

 

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