これは2009年の10月にUPした記事をアレンジしたものです。
暫く出版の関係で伏せておきましたが、受験生と保護者のために再掲します。
過去問を解く時の参考にしてくださいね。
今日は過去問について。
最初に言っておきます。
過去問についてはご家庭の方が詳しいです。
大手進学塾の講師は案外個々の過去問の取り組みに無頓着。
ネット上でいろいろな情報が飛び交っていると思いますので、そちらを大いに参考にしてください。
私が書くのは塾からの視点です。
ご家庭での注意点は
①計画
②判断
③事後処理
があります。
それについて書いていきます。
※今日は写真画像が多くなります。パソコンの方はShiftを押しながらクリックで画像を大きくして見てください。そうすれば、画像を閉じるとすぐに本文に戻ります。
①計画
今日は10月6日です。
2月1日まで残された日数は118日。
今後、仮に1日平均2時間過去問演習に時間を充てられるとします。
2時間×118日=236時間がMAXとなりますね。 次の表を見てください。
これは「解くだけ」に要する時間です。
(ただし1校1科目1時間として計算しています)
マルつけ・直しをする時間が入っていません。
これを一つのモデルと考えてください。
我が家の計画はこれに対してどこを手厚くしてどこを削るのか。
それを親が計画するのです。
なお、モデルでは第一志望について、最近6年分とその前の4年分の比重(解く回数)を変えています。
これは学校により「作問者は6年1周期」という説もあるからで、深い意味はありません。
ただ、あまり古い問題は解く意味が薄れますよね。
傾向が違うからです。
(※)ラ・サールのように12年前の問題がそっくりに出た!という学校もあります。学校ごとのトピックスは研究しましょう。
②判断
解いた後、それをどう分析・判断するか。ポイントを述べます。
(1)過去問は先輩が学力ピーク時に解いて6~7割
今後日曜日の特別授業・冬期講習・正月特訓・1月の直前特訓など、塾ではものすごい量の学習量を重ねていきます。
学力は今後グングンついていくのです。
偏差値は相対的なものですから、(全体の学力が上がれば)アップ・ダウンを繰り返します。
でも、個人の学力(絶対的なもの)は確実にアップします。
その学力ピーク時に先輩が受験し6~7割しか解けなかった問題。
その時の「合格最低点」を皆さんは目にするのです。
そう、先輩たちは学力ピーク時に3~4割は失点しているのです。
できなかった問題があるからといって、それにこだわるのはいけません。
所謂“捨て問”に時間をかけても意味はないのです。
ここは塾の先生に聞くのが一番。
解けなかった問題に家で時間をかけ過ぎないこと!
(2)過去問は2度と出ない問題
特に算数と国語。
中堅以下の学校は別として、上位校は2度と同じ問題は出ません。
(ラ・サールのような例外や、学校説明会で宣言する例外はあります。)
その過去問に時間をかけ過ぎることに意味はありません。
では、何のために解くの?
■学校の狙いを知る。癖を知る。
■時間配分を身につける。
全部が誘導型ですか、それとも独立型がありますか?
(1)が解けないと(2)(3)に進めないのが誘導型。
(1)(2)が無理でも(3)が解けたりするのが独立型。
あなたの学校はどうですか?
難問はどこに配置されていることが多いですか?
後半ですか、それとも途中にいきなりですか?
今後何を克服しなければ合格できませんか?
「自分は数論が弱い」「詩がネックだ」「社会の東京問題を強化せねば」…そんな課題を見つけられましたか?
次に案外気付かない視点で話題を2つ。
●倍率だけではない! どの中学にもある“ゆり戻し(隔年)”現象
小澤は過去30年分の開成算数入試問題を分析し、単元を分類し、問題にランクをつけています。
S=超難問,A=難問,B=標準,C=やや易問,D=易問と分類しています。
2001年(平成13年)は魔の年です。
Sランクがやたらと目立ちます。
この年は算数小僧がバタバタと落ちた年でした。
各塾のエースがどれだけ泣いたか…。
ところが2002年はその反動で、Cランクが目につきますね。
そう、天下の開成でさえ揺れ動いているのです
●過去問はどこに解く?
えって思いますよね。
一般に数多く市販され、ご家庭で使用されているのが声の教育社の過去問。
さて、この問題集の編集上の問題点はわかりますか?
(※注 声の教育社では価格等を考慮してスペースをなくして編集しています)
答えは“スペース”です。
実際の入試問題はこんなにギッシリ問題が詰まっているのでしょうか
ある学校の入試問題(現物)の写真です。
問題の下に大きなスペースがあるだけでなく、右側は“余白”です。
女子御三家の問題を比較してみましょう。
桜蔭・女子学院・雙葉の順に写真をとくとご覧あれ!
「求めていること」の違い=学校のメッセージが聞こえてきますよね
桜蔭「別のところにやってね。そっちで貴女をアピールしなさい。」
女子学院「限られた右半分のスペースでやり切るような処理能力のある女の子がほしいわ。」
雙葉「この大きなスペースで貴女の能力を存分に発揮してください。」
面白いでしょ? ちなみに開成はこんなです。
コメントは企業秘密です(笑)
さて、話を戻します。
お題は「過去問はどこに解く?」でした。
問題をコピーし、1問1問ハサミで切って、メンディングテープで貼り付けるといいでしょう。
こんな感じです。
理由は言う必要ありませんね?
これ、お父さん・お母さんに手伝ってあげてほしいのです。
我が子の志望校のスタイルに合わせて。
最高の協力だと思いませんか?
長くなりました。最後のポイントです。
③事後処理
せっかく時間をかけて解いた問題。塾の先生にどう報告していますか
■年度ごとに我が子の状態をわかってほしい
■学校ごとに我が子の状態を知ってほしい
私はいつでも自分の校舎で下のような「過去問演習報告書」を子どもたちに渡していました。
写真は1ページだけのサンプルですが、実物は数ページに及ぶ冊子です。
ポイントは「解いたのは何回目か」「合格最低点に到達したのか」「子どもの反省・課題」「講師からのメッセージ」です。
この講師のメッセージで「励まされ最後まであきらめずにやれた」という声は毎年多く聞かれます。
先日のノートの話ではありませんが、ダメ講師は印鑑のみです。
次に学校ごとの報告。
ポイントはおわかりですよね
一目瞭然!ってことです。
もしお子さんの塾がこのような報告書を用意していないなら これも親が作ってしまいませんか?
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長くなってしまいました。
今までの受験経験者のブログとは全く違う視点で書いたつもりですが、いかがでしたか?
参考になりましたか?
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受験生の皆さん、勝負はこれからです
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