小6受験生保護者の方に質問します。
GWにしてはいけないことは何でしょう?
逆にすべきことは何でしょう?
よく「GWは遊べるラストチャンス」と言われます。
「お盆も正月も受験生にはないのだから、家族でゆっくり羽を伸ばしましょう」
私も大手進学塾勤務時代はそう言っていました。
でも、そこには「我々も休ませて」という本音が隠されています。
塾の一年は世の中とズレています。
中学受験塾は2月に年度が始まり1月に終わります。
高校受験塾は3月に年度が始まり2月(または3月)に終わります。
受験の時期の関係でそうなっているところが多いのです。
一方で「忙しさ」は以下のように推移します。
6月…夏期講習の募集が始まり忙しい
7月~8月…天王山まっただ中!合宿がある塾はなお忙しい
9月~2月…日が経つにつれどんどん受験モードに
3月~4月…息つく暇もなく新年度生募集
(大手塾の一例)
こう考えると合宿や正月特訓をやれば、まさに盆も正月もないのが塾講師。
5月は、いやGWは唯一安らげる時なのです。
そう考えると、もしGW特訓もやって(あるいはGW中も暦通りに授業を行い)、合宿や正月特訓もやり、しかも全イベントに全講師が出席義務のある塾があれば、それは鬼です。
さて、話を戻しましょう。
GWにしてはいけないことは何でしょう?
逆にすべきことは何でしょう?
もし、お子様がフル稼働型の塾に通っているのなら、それについていけばよいだけです。問題はGW中は休みという塾の場合です。
羽を伸ばすべきか?
答えはNOです。
もったいない。
「まとまった学習量」が確保できるこの時期を無駄にしてどうするのでしょう?
やった人との差が広がってしまって何がいいのでしょう?
以下のケーススタディをよく分析し、行動を決めてください。
①過去問を解くべきか?
第一志望校が明確に決まっている場合、一年分はやっておくことが有効かもしれません。
メリットは以下の通りです。
(1)志望校の要求する水準を知ることにより、今後の努力の必要性を感じ取れる。「この問題を解けるようになるために、もっと頑張らねば!」と。
(2)志望校の傾向を知ることにより、その後の学習にプラスの影響がある。たとえば塾の先生が「これは●●中学に出るぞ!」と言った場合、実感がある子とない子では、その差は大きい。定着が異なってくる。
しかし、過去問とは先輩達が最後の最後に60~70%しか得点できなかった問題であることは忘れてはいけません。
自信を喪失しては意味がありませんから、レベルによる判断が必要です。
解く年度にも注意すべきです。
②他塾のイベントに参加すべきか?
実力がかなり高い子で、武者修行を喜んでする子なら行ってもいいでしょう。
志望校向けの特訓なら価値があるかもしれません。
しかし、以下のデメリットは否めません。
(1)全単元の学習を終えていない現段階では、効果的な志望校特訓は期待できない。
(2)塾のカリキュラムの違いに苦しむ場合がある。また、わざと脅してくる問題を用意する塾もある(こんなのもできないの?)
(3)その塾の先生が悪かった場合は時間が無駄になり、良かった場合は自分の塾の先生への不信感が芽生える。
慎重な選択を求められるわけです。
では何をすべきか?
ズバリ、「弱点補強」です。
各塾とも夏期講習でその作業を行うことになるでしょうが、小4~小6の全単元を全教科行うわけですから、その分量はとてつもないものになります。
その急勾配を少しでも緩くしておくことが、GWの最もよい使い方になります。
もう一つの視点があります。
7月に他塾の模試や自塾の選抜試験などを受ける方も多いのではないでしょうか?
夏前に大勝負のクラス分けがあるかもしれません。
では、その試験範囲は?
当然、「広範囲」となることでしょう。
その試験で満足のいく結果を出し、やる気満々で天王山である夏期講習に突入するのと、そうでないのとでは、一体どれくらいの差があるのか!
ぜひ、「個々の弱点を埋める」ことを目標に過ごしてみてください。
え?具体的に何をやればいいのかって??
そんな時こそ、塾の先生の出番でしょう。
適切なアドバイスができるのは、普段お子様と接している人なのですから。