9月10日
土石流が襲い、地下水路の入口が塞がれ、溢れ出た濁流が庭や家の周りを取り囲んだ。


土石流で覆われる


9月18日

重機が入り、土砂を取り除き、地下水路の入口が見える。


最初の工事


この状況では、再び土石流に見舞われれば、簡単に埋もれてしまう
水路入口の手前を、深く広く掘り、容易に埋もれぬように、
新たな工事がいる。
水害関係で多くの現場があり、土建業者は多忙。
先日(12月1日)、ようやく取り掛かってくれた。


2回目の工事


いままで災害復旧とか水害復旧と書いていた。。
復旧とは、旧に復す、すなわち元に戻すという意味だ。
災害に遭うと、災害前の状況がなんと平安な日々だったかと感じ、あの頃に早く戻りたいと欲する。
この気持ちを復旧という言葉で表現するのはふさわしいかもしれない
この2年に瞑想の家が経験した2つの災害とそのあとの処理を振り返ると、

環境を元に復すだけでは安全性をはかれないと覚った。


昨年の2月14,15日の大雪、この辺は7,80センチの積雪だった。
山間地のこの地に住んで23年の私は経験ないのだが、この地で生まれ育った80歳を越える方にも経験がないという。いままでは地を白く覆う数センチくらいの雪が一シーズンに3,4回ある。それでも数年に一度くらい積雪30センチの降雪になる。森の中から雪の重みで杉の木が倒れたり枝が折れるバッシ―という音を聴き、生木の白い肌が森の中によく見れば発見できる。
昨年の大雪では多数の倒木により、電線と電話線を切断、除雪を倒木が妨げ通行不能が長引き、孤立化した。初めてのことなのである。 倒木は瞑想の家の屋根に接触して倒れ掛かった。偶然にも損壊をまぬがれた。 地球温暖化で冬は暖かくなり、雪も少なくなると思いがちだが、日本海の海水温が上がり大量の水蒸気が分厚い雪雲になり、大雪を降らせるとも聞いた。他の気象条件も考慮せねば正確なことはわからないであろうが、少なくとも80年間、降らなかった80センチの大雪がこれからいつ起きても不思議がない。対策を考えるのに遅くない。そこで瞑想の家の周囲の倒れれば家を損壊させる危険な木を伐採することにした。
川にある多数の倒木の除去を行政に働きかけた。いまは受付窓口があり画像を添付しメールで伝えることもできる。


今年9月9日は雨が激しく降ったり小降りになったりを繰り返し止まず続いた。
台風18号が関東を通過し、鹿沼市では累積降雨量500ミリを超えたと報じた。
夕方には家の西10mの沢で写真の土石流が発生した。
西の駐車場の地下水路の入口が塞がれて、溢れ出た濁流が家の周囲を流れ、石垣や土塁を滝のように落ち、浸食し崩しかねない。まだ明るいかったので、雨中のなか、地下水路に濁流を流すために、覆っている土砂を除け、杭を打ち込んだりした。11日に打ち込んだ杭に牽引ロープで車で牽いたりして、土砂を穿ち、濁流が徐々に地下水路にのまれ、敷地に流れる濁流は止んだ。人手では限界がある。それから4日後に重機で堆積した土砂を除去した。

それまでは土石流が家の西を下るとは、想像もしなかった。
この沢の上流に多数の倒木があったが行政が昨年秋除去していた。昔から川床に横たわっていた倒木も根こそぎ除去されていて、今回
の土石流の勢いを強めたのではないかと思えてくるが、もし多数の倒木をそのまま放置していたら、土石、流木枝が倒木に絡み、最終的には自然のダム湖に成長し,いつか決壊し、大量で大規模な土石流木で家もろとも破壊されかねない。すると今回のような被災で済んだのは幸いなのかもしれないと思う。
 今回の工事で、かなりの土石流の被災を防げるかもしれないが、絶対ではない。少し安全性が高まったという程度であろう。


 温暖化で海水温が上がり、台風に格段にエネルギーを与える。沿岸部や山間部は特に注意がいる。

遠くない未来に必ずくる巨大台風は沿岸部に津波のような高潮、山間部では土砂崩れ、土石流が襲うだであろう。

しかし今回の9月の災害の最大の被災地は海岸から遠い平野部だった。ふだんは割とゆるやかに流れている大きな川の堤防が決壊すると大きな被害がでる。60年前の数千人の犠牲者を出した伊勢湾台風も堤防決壊によって大きな災害となった。大雨で上流から大量の土砂が流れ、川床が少しずつ上昇していく、護岸を高く強固にする以外に対策はないのか、数百年前ならば頻繁に洪水が起こり、川筋が自然に変化していき、当時の人々はそれに対応していた。

 今後は温暖化で海面上昇し居住地を失う人々がでる見込みらしい。こうした見込みは何とかくつがえしてほしい。人類がこれまで経験しなかった気候変動の避けがたい新しい状況に応じていこう、

復旧にあらず。


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