家の脇を流れる小さな沢、しかし集中豪雨や台風の時の出水は、警戒すべき水量となります。
ここの小さなⅤ字谷の沢に横たわっている多数の倒木、放置すれば土石流などの水害を引き起こしかねません。撤去作業が先週から始まりました。
 始まったばかりは、チェーンソーやショベルカーや運搬車両の立てる音が喧しく家に響きましたが、今日は作業現場が山奥に移ったせいか、ようやく気にならなくなりました。

昨日7月23日の現場
倒木処理の作業現場



家に近い場所 5月14日

沢に多数の倒木

作業を担っている方と立ち話で、
撤去した跡地に杉の苗を植えるように指示されていると聞き
それは拙いのではないか、
思うところをまとめ、
市の防災担当、県の森林事務所、森林組合の担当の方に
以下のメールしました

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防災のために倒木の処理跡地に広葉樹を植えることを提案します

今年の冬のこれまで経験しなかった風雪害の処理にいまもって追われています。
森の大半を占める杉は常緑樹で天辺に茂らせた葉に積った雪が凍結し、
風に吹かれて多数が倒れました。
上半身だけがもぎ取られいまだ木肌を露わにしている杉も多いのですが、
根こそぎなった杉も少なくありません。
露わになった杉の根は浅く地中深く根を張っているようには見えず、
倒れやすいように思えます。
倒木のほぼ100%は杉です。
この冬の積雪は私の住む山中では70センチになりました。
雪深く通行不能になった街への唯一の道路に多数の杉が倒れ、

道沿いに敷設された電線も切断され孤立集落となりました。
携帯電話の圏外で通信途絶となり、高齢者の健康維持が心配されましたが
災害対策を担っている担当者の不眠不休の尽力もあり無事乗り越えられました。
幸いにも我が集落には倒木による家の損壊はなかったのですが、
他の集落ではそのようなことがあったと聞きます。
とりあえずの緊急の手当を終え、

いま防災を長期的な視点でも検討する時期にきているように思えます。

現在家の周辺や河川、沢などの倒木の処理作業が行われています。
河川や沢にも多数の倒木で敷き詰められたような場所があり、
台風や集中豪雨により上流から枝葉土砂流木が引っかかって
堰を作り、自然のダムのようになって水を堰き止めるといっきに水位があがり、
今度は水圧により堰が決壊し、土石流となって下流の民家に被害を与える可能性がある。
秋の出水期前には作業を終わらせたいと聞いて、とりあえず安堵ております。
しかし次のようなことも耳にしました。倒木を取り除いた跡地に再び杉の苗を植えるといいます。
耳を疑いました。
この苗は20年、30年後には成長して、大雪の前とほぼ同じ状態の森になります。
数十年降らなかった量の雪が今年ふり、今後どうなるか。昨今の異常気象を考えると、同程度の積雪があることを念頭に入れた対応が防災上適っているのではないでしょうか。
ナラやブナなどの広葉樹は冬には落葉し、積雪を杉の葉のように受け止めず、
根も地中に深く張り巡らし、今回のような大雪でも倒木には至らない。
河川、沢、道路の倒木の処理跡地には、ナラやブナなどの広葉樹を植え、
今後の被害の予防策になるのではないでしょうか。
今回の風雪害を体験したあと、危険性を認識しながら、有効な対策をとらずに、
次の災害をまねいたなら、
今度は天災ではなくまさしく人災ではないかと危惧しております。
短期・長期を見据えて災害予防に意を砕いていただきたくお願い申し上げます。


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