鳥の海公園から2,3分で阿武隈川の堤防に出た。
よじ登り見た。


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河口方向、水平線は太平洋である。

上流方向をみる。

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津波はこの堤防を越えたのか?

堤防の上からよじ登ってきた地平を見る

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堤防が傷んでいる、地震と津波で堤防は決壊したのだろうか、
決壊はかろうじて免れたのか、津波は堤防を超えて行ったのか、分からないが
堤防の外も大きな被害跡がみられる。

この位置をカーナビで調べておいた。
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鳥の海で出会った方から、
阿武隈川河口から500億ベクレルの放射性セシウムが海に流れ出ている、
この量は、事故のあった原発から4月の1ヶ月間で海に放流した分を2日で超えてしまう、とおっしゃておられた。

この発言のもとになった産経新聞の記事を見つけた。
【放射能漏れ】阿武隈川から放射性セシウム524億ベクレル 1日で海に流出
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/111125/cpb1111251439008-n1.htm

500億ベクレル
途方もなく大きいという最初の印象がくる

ベクレル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%AB
を読むと、次のような言い換えができる


まず 50ギガベクレル としてはどうだろうか 

また1ベクレル(Bq)=2.7×10(-11乗)キューリー(Ci)なので
500億Bq=
5×10(+10乗)Bq
=5×10(+10乗)×2.7×10(-11乗)Ci
=5×2.7×10(‐1乗)
=1.35 Ci

すなわち 1.35キューリー
1.35gのラジウムがもつ放射能なのだそうだ。
たいしたことないではないか、と今度は安堵しかねない。

報道としてはニュースバリューが減じ、人々に強い印象を与えぬ可能性がある。
しかし阿武隈川に関する実態は、少しも変わらない。

逆のことも言える

500億ベクレル、大変だー、大変だーというのも、ストレスを与えるだけで、あまり意味がないのも分かりそうだ。

この数字が意味するところは何なのか、

産経のほか読売、朝日に記事があるので
比べてみる。

幾つか気になる。

読売
525億ベクレルを
「東電が4月時点で推計した同原発からの海への総流出量に比べると約10万分の1の値」と書いている
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20111124-OYT1T01108.htm

産経
1日当たり524億ベクレルは
「東京電力が福島第1原発事故で4月に海に意図的に放出した低濃度汚染水の840億ベクレルを2日で超える」

朝日
1日あたり約500億ベクレル、
「東京電力が4月に海に放出した低濃度汚染水のセシウムの総量に匹敵する」
http://www.asahi.com/national/update/1124/TKY201111240671.html

阿武隈川の河口の数値が微妙に違う、読売では525億、産経では524億とあり、細かいが違う、朝日は大雑把に捉え約500億。
また3社とも、4月の原発から汚染水の流出量と比較しているのだが、
読売は、産経、朝日と違うデータと比較しているらしいが、どういうデータなのかはまったく分からない。

朝日には、阿武隈川の流域地図が載っている。
流域は、郡山市、福島市など福島県中通りの全域、宮城県南部地域を含む。流域面積は5400平方キロである。
汚染濃度が比較的高いこの地帯に降った雨は、一部は蒸発するが、それ以外は、最終的には阿武隈川に流れ込むことになる。

もうひとつ気になることがある。
中流域の伊達市の記事だ。

産経
福島県伊達市の中流では、セシウム137と134合わせて1日当たり1765億ベクレル。
セシウムの9割以上は水中を浮遊する土砂に付着して運ばれ、
土砂がせきなどで止められて中流より河口で低くなったとみられる。

読売
上流側に南西約40キロの福島県伊達市内では、計1763億ベクレルに達した。
放射性セシウムの9割以上は、水中の土砂に含まれており、
河口までのダムで一定量はせき止められたとみられる。

朝日
伊達市の記載がない

産経と読売では数値が微妙に違う
この調査が行われた8月らしいのだが、そのころは中流域が最も濃度が高い。
放射性セシウムが付着した土砂は、中流域のせきやダムなどでせき止められている。
その後、9月10月と大きな台風が来ている。いまの汚染状況は違っているはずだ。
ずっと下流に移っているのか、また流域奥地から流れ出て中流域が再度濃度が上がっているのか、
現在はどうなっているのか、継続した調査がぜひ必要だ。
いずれにしても
このまま放置すれば、汚染土砂はいずれ下流域に移り、
河口から最後は海に流出する。
最終的には、海底に沈殿することになるのであろう。。

海への流出を食い止めるには、せきやダム底にたまった比較的濃度の高い土砂を効率的に浚渫する必要がある。
そのときに出る大量の土砂から放射性セシウムを抽出し低濃度化する技術など早く確立し、実効的処理をはかるべきだろう。
それが出来ず、大量の汚染土砂をどこにも引き受けてがないまま放置されるのはさけられるのだろうか。

長い時間かけて海底に自然堆積するのを黙認することになるのだろうか、
決して良しとは思えないが、このままでいけば否応なく海底が最終処分場になっていく。

阿武隈川の汚染の報道記事の内容を検証しているサイトがあった。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-498.html

ニュースソースをまず追求している。
調査を担ったと報道されている
文部科学省、京都大学防災研究所、筑波大学、気象研究所のどこにも
報道に使われた元のデータの公開がされてていない。
なぜ公開されていないのか、不明だが、
公開し、つまらぬ誤解は解き、
他の研究者や識者の利用に供すべきだ。

525億ベクレルを前提とし、
このサイトの運営者は、
阿武隈川の流量を算出し
単純計算で、河口から平均して1リットルあたりでは4ベクレルの放射性セシウムが流出していると結論付けている。
※1ベクレルとは、1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量である。

阿武隈川の水1リットルすなわち1kg中に含まれる放射性セシウムは4ベクレルとなる、
ただしセシウムがすべて水に溶けているという仮定である
伝えられるように、土砂への付着性が高いとなると、水に溶けている割合が低くなり、
4ベクレルは最大で、それより低くなる。
注意すべきは土砂となる。
元のデータを公表すればこれも明らかになるのではないか、と思える。

いちおう比較が出来る

食品の暫定基準値
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/79101.html
では
食品の飲料水1kg中に含まれるセシウムの暫定基準値は200ベクレルとされている
阿武隈川河口の水1kg中に含まれているセシウムは最大でも4ベクレル程度ではないか
もし仮に飲んだとしても放射性セシウムの影響は、ほとんどないいって差し支えない数値ではないか、と思える。
ただここで採れる魚は、別の調査がいる、魚そのものの調査をぜひして公表して欲しい。

このサイトの著者は、マスコミに
分かりやすい報道、イメージの持てる報道を提唱している。

阿武隈川の対岸に行くには亘理大橋を渡らねばならない。
この橋上から、阿武隈川下流河口方面を撮る

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上流である。

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手もとにある市販の地図には、赤字で『驚くほど水量が少ない』という書き込みがある。
見るように水量は満々としているように見える。
震災前は、河川敷が広がり、グランドとか野球場公園などがあったと思う。
大きな川の河川敷は利用価値があるのだ。
中央に細く深くえぐられるように川が流れて、広い河川敷を確保できた。
台風で増水して極たまに河川敷まで水面になったが、
水が引けば、中央の水路を川が流れ、河川敷は元に戻った。
ところが今回の津波は、この中央の水路を汚泥や土砂で埋めてしまったのではないか。
すると浅く広く水面で阿武隈川は覆われていることになった。
311津波のすさまじさをここでも見る思いがした。