「作文教育が罪にされた時代」を読む | 尾崎りいちオフィシャルブログ「東へ 西へ」Powered by Ameba

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 図書館で借りて「獄中メモは問う 作文教育が罪にされた時代」を読みました。


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 北海道綴方教育連盟事件をとりあげたものです。

 「事件は、既に日中戦争が勃発し、戦時体制が世の中を覆っていた1940年(昭和15年)から翌1941年(昭和16年)にかけて起きた。子供たちに自分の暮らしや日々の思いをありのままに作文に書かせる「綴方(作文)教育」に励んでいた青年教師たちが、「貧困などの課題を与えて児童に資本主義社会の矛盾を自覚させ、階級意識を醸成した」などとして次々と逮捕され、11人に有罪判決が言い渡され確定した。旭川出身の作家、故三浦綾子さんの長編小説「銃口」の題材となったことでも知られる。」(「はじめに」より)


 有罪判決を受けた方が、戦後、担当検事(当時)を訪ねて詰問したやり取りも載せられています。


 自分たちを共産主義者だと思っていたのかという問いに対して、当時の担当検事の言葉が凄まじい。


 当時の治安維持法は共産主義者の取り締まりをしたのではない。 「すべてはっきりと国家主義をかかげない、いっさいの運動と団体を弾圧したものだ」(99ページ)


 国家主義とは、国家に個人を従属させるものです。


 戦争法の廃止を求めてきた市民団体のみなさんも、日本共産党も、戦争法廃止・立憲主義を取り戻すのスローガンと並んで「個人の尊厳を守る社会」といっています。現憲法の13条「すべて国民は個人として尊重される」をひくまでもなく、個人の幸福のためにこそ国家はあるという民主主義の基本を改めて掲げたものです。


 憲法違反の戦争法を強行し、「1億総・・・」「国のために子どもをたくさん産んでほしい」など、国家主義的傾向を強める安倍政権が、「緊急事態」にあっては、国会に諮らず法律に等しい政令を政府が発し、基本的人権を制限できるという憲法改悪を狙っています。


 この流れを押しとどめるために、それぞれの当面の狭い利害を超えて、戦争法廃止・立憲主義を取り戻す・個人の尊厳を守るを一致点として、野党が大きく共闘を進めるべきです。