市民に我慢強いるのでなく、暮らし最優先の市政をめざせ | 尾崎りいちオフィシャルブログ「東へ 西へ」Powered by Ameba

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 以下、本日、東大和市議会本会議で行った予算討論の原稿です。



 日本共産党東大和市議会議員団を代表して、平成24年度一般会計予算及び同国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計予算に反対する討論を行います。





 東日本大震災から1年が経過しました。東大和市にも被災地から避難されてきた方々がいらっしゃいます。1年前とは異質の不安のなかで暮らされています。農業を営んでいた高齢の方は、「原発事故収束どころか、いまだに除染さえ行われていない。いつ帰れるのか、果たして帰れるのか」と言っておられます。「80歳にもなって先行きが全く見えないということが一番体にこたえる」と健康への不安も訴えています。全国世論調査では72%が復興は進んでいないとし、福島県では92%が復興の道筋がついていないとしています。原発の輸出と再稼働だけに血道を上げる政府の責任が厳しく問われています。





 日本共産党も被災地へのボランティア派遣などの支援を続けています。東大和市として、被災地から避難されてきた方々に心を寄せた親身な支援と、被災地へのできる限りの支援をおこなうよう、まずはじめに要求します。





 さらに、防災対策については、「地震は避けられないが震災は避けることができる」の観点に立ち、市民の命を守る行政責任を果たす立場から抜本的な見直しをすすめるよう求めます。また、木造密集地域の耐震化・不燃化など人の命にかかわる防災対策で、三多摩格差が厳然として存在する状況を変えるため、国や東京都に働きかけることを求めます。





 平成24年度予算は、尾崎市長が編成する最初の予算です。編成にあたる市長の政治認識が鋭く問われています。一つは市民の暮らしの実態をどう見ているのかということであり、もう一つは地方政治の現実の流れの中でどういう位置に身を置くのかということです。





 市長は、持続可能な市政を実現するため「あれも、これも」ではなく「あれかこれか」の視点と言います。そもそも、政策決定とは、いくつかの選択肢の中から選定し事業化していくことですから、どんな為政者でも「あれかこれか」を選択しています。その当たり前のことを、わざわざこのような形で強調する意図がどこにあるのか。「あれもこれも」でなく「あれかこれか」。これは、端的に言えば、財政が大変なんだから我慢しなさいということに他ならないと私は思います。





 市民の暮らしはどうでしょうか。市の資料でも市民の収入は大きく減っています。給与所得者でいうと、15年前400万円を超えていた所得金額が10年前には383万8千円となり、平成21年度で366万7千円、24年度は340万8千円とされています。15年前から15%60万円減少、3年前から7%26万円の減少です。市内商店数や売り上げ、農地も大幅に減少していることは市も認めているところです。生活保護受給者も平成22年7月で前年比225人の増、24年2月で79人の増、24年度も4.1%の増を見込んでいます。





 15年前、消費税が5%に引き上げられ、健保本人の窓口負担が2倍の2割に引き上げられるなど年間9兆円の負担増が好調だった日本経済を一気に失速させました。その後も介護サービスの切捨て、定率減税の廃止、公的年金控除の縮減や老年者控除廃止などの増税が相次ぎました。年金支給額もどんどん下落しています。なによりも労働法制の改悪でいまでは非正規雇用が4割近くなり、格差と貧困が急激に拡大しました。東大和市においても、国保税値上げ、保育料の便乗値上げや扶助費の削減、事業系ごみの全面有料化や手数料等の値上げが実施されました。さらに年少扶養控除の廃止による増税、介護保険料や後期高齢者医療の保険料の大幅値上げと年金支給の大幅減などに直面しています。消費税の大増税が追い打ちをかけようとしています。わずかな年金から税金や保険料、公共料金などをまじめに支払い、窓口負担が払えないからと医者に行けずに体調が悪くて引きこもっている市民の状況も、私は議場で紹介しました。市民はこれ以上我慢できないというほど我慢させられてきているというのがありのままの事実です。市長は市民生活のこの実態を踏まえたうえで、さらに我慢しなさいというのでしょうか。厳しい市民の暮らしに寄り添い、どう支えるのか、いま、ここに市政の最大の課題があるはずです。来年度予算でそのための新たな施策が示されていないことは予算特別委員会で市も認めたところです。それどころか、来年度、市は「定期的見直し」の名のもとに、国保税や保育料などの値上げを検討するとしています。





 もう一点、地方政治の現実の流れの中で市長がどこに身を置くのかという問題です。いま述べた、国による増税・負担増と社会保障の切捨ては、とりわけ小泉内閣が誕生した平成13年以来、地方自治体の切捨てと車の両輪ですすめられました。地方財政措置は8年連続で切り縮められました。平成19年、「くらしをこれ以上いじめるな」という世論は参院選での自民党の大敗をもたらし、その翌年から地方への財政措置は増大を続けています。東大和市財政好転の最大の要因もここにあります。市民のための施策を展開する財政力はあります。市の第4次行政改革大綱が、「財政調整基金の残高を標準財政規模の10%に維持する」とか「経常収支比率を90%以内に抑える」などという前向きな目標を掲げられるようになったのは、国の地方財政計画の方向転換が最大の要因です。国民世論がつくりだしたこの大きな変化を、国民と、市民と一緒になってさらに前へ進める立場に立つべきです。市民の暮らし向きがいっそう苦しくなっている現実を踏まえれば、当然のことです。市財政が好転していることを認めた今、市長が「市財政は大変だ」という最大の根拠は、国の財政が破たんしているからあてにできない、いつどうなるかわからない、だから国の財政に頼らない市政運営をめざすというものです。これは、国民世論がつくりだしてきた変化に水を差し、地方自治を保障する国の責任を事実上免罪する論理です。市長に政治姿勢の転換を求めます。





 15年前と比べて日本のGDPは91%しかありません。アメリカ、カナダ、イギリスなどが180%、190%、ドイツ、フランスが134%,157%と増やしているのに比べて異常な姿です。賃金、国民の収入が減り続けている唯一の先進国でもあります。日本経済の6割を占める個人消費、つまり国民の暮らしをいじめ続けてきた愚かな政治が日本経済も国民の暮らしも、そして国家財政をも破壊しています。失政の転換が、いま求められています。内需が冷え込んでいるために国内に投下先を見いだせずにだぶついている260兆円もの大企業の内部留保を日本経済全体に、とりわけ6割を占める個人消費の回復に向かわせる、そのために最低賃金の大幅引き上げや雇用は正社員が当たり前の社会に戻さなくてはなりません。市長が、社会保障を充実させ、市民の暮らしが安定してこそ、経済も財政も安定するという認識のもと、市民の暮らし向上のために、国民、市民と一緒になってそのための財源保障を国に求めること、市民負担の軽減と暮らしに寄り添い暮らしを支えるサービス向上をはかるよう求めます。





 一般会計について述べます。市民の切実な要求にこたえ、学校耐震化と小学校へのクーラー設置を前倒しで実施したことは高く評価します。また、高齢者肺炎球菌ワクチン接種事業の開始やシルバー交番制度への踏み出し、狭山保育園の耐震工事実施、住宅リフォーム制度の拡充についても評価します。





 市長は、費用対効果の分析を行い「あれかこれか」の視点で事業を見直すといわれました。生きがいデイサービス利用料の大幅値上げによる財政効果は320万円程度です。過去に実施された手数料値上げが350万円、事業系ごみ全面有料化は1100万円程度。平成20年に扶助費の削減が行われました。難病患者福祉手当の削減や修学旅行のお小遣いなどの支度金をなくすなどの内容で、当時、年間で1680万円の支出削減とされました。ところが市長は、来年度予算で道路占用料2368万3千円の減収を見込んでいます。わざわざ条例を改正して、東京電力に125万7千円、東京ガスに1186万7千円、NTTに1055万9千円、値下げした結果です。大企業3社にこんなにオマケしてあげる財政力があるなら、削減された扶助費を復活すべきです。修学旅行にお小遣いを持っていけない子どもをなくすために使うべきです。市長のすすめる行政改革の中身が、市民の負担軽減やサービス向上の方を向いているのかどうか、厳しく問われています。第4次行革計画で平成24年度には国保税や保育料、学童保育所育成料、使用料、手数料などの見直しが予定されています。市民負担を増やさないよう求めます。





 職員給与については、これ以上の削減は民間給与水準を引き下げ、地域経済を一層冷え込ませるものです。非正規職員の待遇改善と正規化をもとめます。





 市民に開かれた市政というのであれば、市の態度を市民の前に公式に明らかにする場である市議会の審議をインタネット配信などでリアルタイムで市民に知らせることは最優先の課題であるべきで、予算計上すべきです。





 高齢者や障害者の住宅の問題は、個別対応も含めて行政責任を果たす立場で取り組むよう求めます。総合福祉センターの建設を求めます。高齢者の見守りや災害時要援護者対策の拡充を求めます。





 認可保育園の定員増や学童保育所の増設は評価します。市が保育義務を果たす立場で、国有地や都有地の活用も含め認可保育園の増設を軸に待機児解消を図るよう求めます。





 みのり福祉園、やまとあけぼの学園、狭山保育園などについて民間活力の導入を検討する、窓口業務の委託化をすすめるとしていますが、守秘義務の問題や公共サービス後退の懸念があり、民間委託に反対します。





 3市共同資源物処理施設については、想定地への建設不可能という庁議決定についてすみやかに小平市、武蔵村山市の理解を得るよう取り組むべきです。市民と議会の意向を尊重し、想定地への建設計画撤回を明確にすべきです。市民不在で計画を推進した失敗の轍を踏むべきでありません。





 家庭ごみの有料化によってごみ減量は実現しません。ごみ減量のための独自施策の推進こそ要求します。家庭ごみ有料化には反対します。





 放射能汚染について、測定器も買い足して測定と除染に着手していることなどは評価しますが、住宅など民間施設については実施しないとしていること、食品の測定について規模も範囲も頻度も極めて不十分です。東京電力に責任を負わせ、抜本的に強化すべきです。また、農家やお茶屋さんへの風評被害などの対策についても取り組むよう求めます。原発の再稼働に反対し、原発に頼らないエネルギー政策を要求すべきです。





 ヘリコプター等の航空機騒音と最低安全高度を下回るような危険飛行をなくす対策の強化を求めます。





 ダイエーの閉店によって多くの市民が職を失う可能性があります。国や東京都とも連携し、実態の掌握と対策を求めます。





 消費税増税は多くの中小零細事業者を倒産・廃業に追い込むといわれています。消費税増税に反対し、商工業対策を強化するよう求めます。





 ちょこバスについては車両台数を増やすことで利便性向上と支出削減をはかるべきです。





 公民館活動の充実のため、無料の原則を堅持し、館長不在の状況を改善するよう求めます。





 図書館の夜間レファレンスの再開を求めます。





 桜が丘市民広場の削減に反対し、警視庁グラウンドの借り上げや夜間照明、未利用の国有地・都有地の活用をふくめ、スポーツ環境の改善を求めます。





 国民健康保険については、国庫負担を5割に戻し、高すぎる国保税の減額が必要です。ジェネリック医薬品利用差額通知事業は評価し、健康診断などの施策の拡充を求めます。





 下水道会計について、日本共産党が長年要求してきた雨水浸透桝などの設置補助事業を評価します。来年度見直される下水道使用料の値上げは行わないよう求めます。





 介護保険について、保険料の多段階化は支持しますが、市民の暮らしの実態から、これ以上の保険料値上げは受け入れることはできません。低所得者対策や減免制度の拡充を求めます。また、訪問介護サービスの時間短縮などのサービス後退をおこなわないよう求めます。保険あって介護なしと言われる状況を打開し、必要な特養ホームなどの建設を求めます。





 後期高齢者医療制度について。大幅な値上げが予定されています。高齢者だけを囲い込めば保険料が高騰することは端から明らかでした。公約通り直ちに廃止するよう求めます。





 以上で討論を終わります。





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