多摩北部医療センター基本構想検討員会「産科の病床数も試算されたことは重要だが、独法化先にありき」 | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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4月19日に開催された、「第4回 多摩北部医療センター基本構想検討委員会」を傍聴しました。傍聴してわかったことや傍聴して感じたことをまとめました。

 

(多摩北部医療センター・今見ごろを迎えているキンラン)

 

1, 今回は「病院整備にあたっての検討事項」と「論点整理案」が議題になりました。

(1) 病院整備について

①   持続可能な病院運営の実現・・・独法化により予算の弾力的な運用等が可能になり、効率的・効果的な病院運営が推進。新病院の病床規模は、今後の病院運営を左右。病床利用率は、近年の診療報酬改定により在院日数が短縮化する方向にあるため低下傾向。稼働状況等を踏まえ、病床の規模を検討されました。

▲現病院の病床規模・・・337床

▲平均在院日数・・・(令和元年 9.6日)

▲病床利率・・・(令和元年 71.5%)

 

② 持続可能な病院運営の実現・・・新病院の病床規模【試算例】

1日当たりの入院患者数(令和元年度223.4人をもとに将来の入院者数の伸びを考慮(1.1倍)して推計。産科については、年間1,200件程度(月100件)が他圏域で分娩していると仮定し、うち半数程度の分娩を見込んだ推計。病床利用率は、地方独立行政法人東京都立病院機構第1期中期計画(80.3%)の中期目標を参考。

 ▲新病院の病床規模【試算例】・・・・338床

 ▲一日あたり入院患者数・・・現診療科将来推計262.4

                   産科推計9.0

                (計   271.4)

     目標病床利用率・・・80.3%

 

③   施設整備にあたっての留意点

竣工から36年経過、設備機器類も耐用年数を大幅に超過するなど老朽化が進行。元々高齢者専門病院として高齢者を診療するための構造・仕様となっているなど、現在担っている医療機能に合っていない。

 

(2) 論点整理案

〇次回の基本構想検討委員会で議論し、報告書のとりまとめ(夏をめどに)をしていく。

 

2, 基本構想検討委員会で出された意見について

・産科を増やすかどうかの検討中ということが分かった。新病院での試算では「正常分娩」の計算になっている。高齢者分娩なども含めて試算すべきだ。

・いい病院をつくってほしい。

・多摩北部医療センターには素晴らしい資源がある。例えば、地域に出向いて行っての活動(リハビリ、糖尿病などにもいかしてほしい)

・産婦人科を充実するとなると、小児科の充実も必要になる

・「産科」の文字が入っていることはうれしい。

・独法化について、医療機関は「人の命を預かっている」。効率化ではなく、市民のことを考えて医療をしてほしい。

 

<傍聴して感じたこと>

①   委員の方も発言があったが、新病院の試算例に具体的に「産科」が入ったことは重要です。

②   新病院の「試算例」は、独法化が前提であり、病床利用率は「地方独立行政法人東京都立病院機構第1期中期計画」の中期目標を参考にしているということですが、独法化は7月からです。第1期中期計画はまだどこにも明らかになっていないなかで、試算例を多摩北部医療センターの新病院の試算例を出すのは重大な問題です。

③   独法化になれば、不採算の診療科目はなくなる可能性がある⇒現在の一般病床337床が新病院での一般病床は326床、産科が11床となる。

④   産科⇒独法化になれば、サービスを充実し患者負担を増やす可能性は大きい。他の地域で出産をしていた人を多摩北部医療センターに迎えるための魅力を何にするのか?ホテルなみにするのか?

⑤   目標病床利用率80.3% ⇒現状では、71.5%ですから、病床を埋めるため何が行われるか?

 

<独立行政法人には反対>

小池知事は、7月1日から都立病院・公社病院を独立行政法人にしようとしています。そして、7月1日には地方独立行政法人東京都立病院機構としての中期計画を提案し議決する方向です。

 

日本共産党都議団は、都が直接医療を提供する都立病院、運営費の一部を財政支援している公社病院を守るため、効率化優先の地方独立行政法人には反対です。

 

多摩北医療センターに住民のみなさんの要望であり、私も一貫して要望してきた産科ができることは大変重要ですが、独立行政法人化先にありきでの議論ではなく、都民が安心して、お金の心配をしなくてもお産ができる産科をつくること。不採算医療は排すするのではなく、都民の命を守るための医療を維持することが必要です。7月からの都立病院、公社病院の独立行政法人化は中止することを求めて頑張ります。