定例都議会・代表質問に日本共産党都議団、大山とも子幹事長「豊洲新市場問題」質問 | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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10月4日の定例都議会では、日本共産党都議団を代表して大山とも子幹事長が質問に立ちました。今回の代表質問では、豊洲新市場の問題、オリンピック・パラリンピックの施設見直し、待機児童問題などを取り上げました。


<代表質問 ①>

日本共産党都議団を代表して、質問します。
 小池百合子新知事に対する初めての質問ですが、私は、都民にとって良いことは賛成し、より良いものにするために積極的に提案する、そして都民にとって悪いものについては批判し、是正を迫るという都民第一の立場で質問します。


一、豊洲新市場について

 はじめに、いま都政をゆるがす大問題となっている豊洲新市場の問題です。
 わが党は、深刻な土壌汚染地である東京ガス豊洲工場跡地への築地市場の移転に一貫して反対し、現地調査を行い、きびしく追及してきました。

 築地市場の豊洲移転は、2001年2月に石原元知事が施政方針演説で、候補地にすると表明したことが発端です。その目的は、築地の跡地を再開発して民間に高く売ることでした。しかし、その1カ月前には、東京ガスが豊洲工場跡地から環境基準の1500倍の発がん性物質ベンゼン、490倍のシアンなど、高濃度の有害物質で汚染されていることを公表していたのです。石原氏がこれを知らなかったはずはありません。


Q1 東京ガス豊洲工場跡地は、1956年から約30年間にわたり、石炭を原料にして都市ガスを製造していました。その過程でヒ素が使われ、ベンゼンやシアン化合物などの副産物ができていたのです。また、大量のタールがドラム缶に仮置きされ、それがもれ出して地中に浸透していました。
 にもかかわらず、浜渦元副知事が交渉に乗り出し、強引に買収したのです。深刻な土壌汚染があることを知りながら、市場の移転候補地にした石原氏の責任はきわめて重大です。
 豊洲新市場予定地の土地取得が進められた経過と責任の所在について、この機会に徹底検証し、公表することが求められていると思いますが、知事いかがですか。


Q2 市場の予定地の取得価格は、土壌汚染がないものとして評価され、1859億円にもなりました。東京ガスは、汚染された工場跡地が高く売れただけでなく、もともとこの土地の関連企業の負担で実施することになっていた、周辺の防潮護岸整備費の負担をまぬがれました。一方、東京都は212億円もの負担を負うことになったのです。
 土壌汚染の除去は、本来、売り主である東京ガスの責任ですが、その費用負担は78億円にすぎません。一方、東京都は、土壌汚染対策に858億円も負担することになり、新市場建設費などと合わせ、これまでだけでも6100億円近い財政支出を行ったうえ、借金の利息370億円など、今後にわたって負担が追加されることになります。
 石原元知事が無理矢理、東京ガス豊洲工場跡地を買収した結果、東京ガスが莫大な利益を得て、市場は莫大な財政負担を余儀なくされたのです。
 知事、とんでもない公金の浪費だと思いませんか。

 都は、土壌汚染対策を調査、検討し提言を行う「専門家会議」と、専門家会議の提言を経済的にすぐれたやり方で進めさせる、つまり安上がりに進めさせる「技術会議」をつくりました。しかし、そのもとで実施した土壌汚染の調査と対策工事は、抜け穴だらけでした。


Q3 専門家会議は、汚染された地層の下には、水を通さない粘土層があるから、粘土層の下に汚染がある可能性は低いとして、その部分の汚染状況を調査しませんでした。ところが、専門家会議が解散した後に、粘土層のない所があることがわかり、その後の調査では、実際に汚染が広がっていたのです。
 さらに、東日本大震災の時には、豊洲新市場予定地で液状化により108か所にわたって噴砂・噴水が発生しました。汚染が拡散した可能性が高いにもかかわらず、都が任命した技術会議の委員は、根拠も示さず「汚染土壌の移動は考えにくい」と決めつけ、それを根拠に都は調査すらしませんでした。
 土壌汚染対策が有効であるかどうかを判断するための2年間のモニタリング結果を待たずに、「対策が完了した」として建設工事へのゴーサインを出したのも、技術会議です。
 「豊洲への移転第一」という歴代知事のもとで、あげればキリがないずさんな調査をもとに「安全宣言」をしてきたのです。
 知事、こうした経過から言っても、食の安全・安心を守るために、関係部局や都がつくった専門家会議、技術会議が当時とった対応もふくめ、これまでの土壌汚染調査・対策への全面的な検証が必要ではありませんか。


Q4 専門家会議による、土壌汚染対策の提言の、おもな内容は、地下水を建物の下では環境基準以下に抑え、4・5メートルの盛り土をする、地下水はその盛り土内に上昇しないように管理するというものでした。これは、日本環境学会など第三者の専門家からは汚染の実態調査が不十分なうえ、有害物質による地上部への影響が避けられないと、きびしく指摘されたものでした。
 ところが日本共産党都議団の調査で、各売場棟の地下に空間があり、その盛り土さえやっていないばかりか、地下水がたまっていることが、明らかになりました。
 知事、第三者の専門家から、不十分な対策とされてきた盛り土ですが、それすらやらずに、建物の下に地下空間がつくられ、地下水がたまっている問題について、どのように認識していますか。


Q5 知事は調査特別チームをつくって検証を進めていますが、先日発表された調査報告では、「資料がない」などの理由で、事実経過も責任の所在も明らかにされませんでした。
 都は、これまで都民、都議会に対して「法を上回る4・5メートルの盛り土をしてあり安全」と、虚偽の答弁をくり返し、欺いてきたのです。都民が納得できるわけがありません。隠ぺい体質にメスをいれ、なぜこのようなことが起きたのか、真相の解明と責任の所在を、早急に明らかにすべきです。知事いかがですか。


Q6 豊洲新市場整備にあたって行われた、環境影響評価は、実際にはおもな建物下の盛り土をしていないにもかかわらず、4・5メートルの盛り土がされたことを前提に行われたものです。環境影響評価をやり直さなければならないと思いますが、知事の見解を伺います。


Q7 建物下に地下空間があり、盛り土がないということは、汚染された可能性がある地下水から、揮発したガスが売場に上昇してくるという危険があります。事実、地下空間には地下水がたまり、有害物質が検出されています。地下水が上昇してこないようにする対策装置も働いていない可能性があり、重大な事態です。知事は、どう認識していますか。


Q8 東京都が行っている8回目の地下水モニタリング結果で、青果棟施設がある5街区の3つの地点から、環境基準を上回るベンゼン、ヒ素が検出されたことも、きわめて重大です。これは、都がこれまで行ってきた土壌汚染対策では、地下の土壌汚染物質が取り除かれていないことを示すものです。汚染された地下水によって、土壌全体が再汚染されていく可能性もあります。知事は、どのように考えているのですか。


Q9 都が重視する豊洲新市場の地下水管理システムにかかわる問題で、新たな重大な疑惑があります。都は、地下水管理システムの設計を、競争によらない公募型見積もり合わせで株式会社日水コンと契約しました。見積参加の条件は、「汚染水に関する対策検討業務の実績を有すること」、「地下水流動解析を行うための実験研究施設を有すること」などとなっています。
 ところが、この企業は、上下水の水処理技術が中心であり、汚染地下水の処理・管理技術の実績が十分とは思えません。日本共産党都議団が、この企業の汚染地下水処理技術について確認したところ、同社総務課長は、社のメインは、水道、下水道のコンサルティング等であり、地下水を汚染処理したり流動解析をする実験研究施設はもっていないとの説明でした。これでは、都の見積参加条件に不適格ではありませんか。


Q10 この日水コンとは、その後も地下水管理システム維持管理計画書作成委託や、地下水管理システム運転保守業務委託も「可能な唯一の業者」などとして、特命随意契約を続けています。何を根拠に「可能な唯一の業者」だとして、特命随意契約にしたのですか。


Q11 知事、地下水管理システムをめぐる日水コンとの随意契約、特命随意契約についても、調査、検証が必要だと考えますが、見解を求めます。

 豊洲新市場の問題点は、土壌汚染だけではありません。


Q12 建物の構造上の問題も重大です。水産仲卸棟では、4階の荷さばきスペースのコンクリートの厚さが、実際には15センチであるにもかかわらず、構造計算は1センチで行われています。建築確認申請も、この構造計算で行われており、実際の施工に合わせた構造計算書による建築変更手続きが必要です。何よりも、耐震性にも重大な影響を与えかねません。また地下空間があることによる構造計算ですが、地下室のないものとして計算したのか、地下1階をふくむ建物として計算したのかなど、どのような考え方で行われているのかについて明らかにすべきです。
 こうした建物の構造上の問題が指摘されていることについて、調査チームでも検証課題になっていますが、重大な問題であり徹底した検証が必要です。知事の見解を伺います。


Q13 新市場予定地は、環状2号線や補助315号線が通っており、土地が分断されています。この問題が解決されなかったため、市場関係者から、売り場が分断され、野菜・くだものと水産物の買い回りを一体にできないなど、致命的な欠陥があると指摘されていることを、知事はどう考えていますか。


Q14 知事は豊洲新市場の開場を延期しましたが、深刻な土壌汚染にくわえ、建物の安全性や耐震性も疑われ、市場としての使い勝手があまりにも悪い豊洲新市場への移転計画は、抜本的な再検討が求められています。知事は2008年の著書で、豊洲新市場予定地は「食との関係の薄い分野で活用すればよい」、築地市場の「現在の場所で建物だけ建て直すのが一番妥当と思われる」と述べています。知事、いまこそ豊洲移転中止に向けた本格的検討を進めるべきと考えますが、いかがですか。

 豊洲新市場をめぐる問題の真相解明には、都議会として百条委員会を設置することが必要だという、都民のみなさんの声が、大きく広がっています。 日本共産党都議団は、すでに百条委員会設置を提案しましたが、改めて都議会がその役割と責務をはたすために、強い調査権限を持ち、証人喚問を行い偽証罪にも問える百条委員会を、すみやかに設置するよう、すべての議員のみなさんに強く呼びかけるものです。