12月16日、本日、第4回定例都議会が閉会しました。
日本共産党都議団は、「第4回定例会を終えて」の談話を発表しました。
一、今定例会では、新国立競技場整備費について、舛添知事が国言いなりに、4分の1、当面448億円を負担することの是非が問われました。
都は、東京都が新国立競技場整備費の一部を負担する理由として、同競技場に8万人分相当の備蓄倉庫が整備されることが、都の防災対策に役立つからだと説明しましたが、わが党の追及で、最大8万人という新国立競技場の観客や従業員のために備蓄倉庫を整備することは、設置者である国として、当然の責務であり、都負担の根拠とならないことが明確になりました。
また、わが党の質問で、地方自治体が国立施設の整備費を負担することは地方財政法に反し、その前例もないことが明らかになりました。
知事は、負担を合法化するために新たな法整備をするといいましたが、その法整備の内容は国への白紙委任です。都による負担を義務化するばかりか、改修や維持管理費にまで負担を拡大しかねない危険があり、全国的にも国立施設の地方自治体負担という悪しき先例になりかねません。
国の圧力に屈して、このような根拠も前例も無い負担をおこなうことは、後世に汚点を残すものです。
わが党は、引き続き、都が整備する施設も含めて、費用を大幅に抑え、都民の暮らし・福祉を守る施策を充実させる中で、オリンピック・パラリンピックをむかえるために、都民の皆さんとともに全力をつくします。
二、知事が所信表明で、安倍政権とスクラムを組んで政策をすすめると表明したこともきびしく問われました。
わが党は、アベノミクスで、大企業は空前の収益を上げる一方、国民の暮らしも営業も厳しさにさらされていること、そればかりか、社会保障の切捨てや、雇用条件の改悪などにより、ますます暮らしを困難に追い込もうとしていることを示し、何よりも重要なことは、都民生活を苦しめる政策の、是正をきびしく迫ることであると質しました。
これに対し知事が、安倍内閣に政策の是正を迫る考えは無いと答弁したことは、国の悪政を容認し、都民の願いに背を向けるものといわなければなりません。
わが党が高齢者の切実な実態への認識をただしたのに対し、知事は、「低所得の方や家族の支援を受けられない方がいることは十分承知している」また、「高齢者対策に対する都民要望が高いことも承知している」と答弁しているのです。だとしたら、安倍政権による社会保障切り捨てにきびしくモノを言うべきです。
また、知事が、「消費税率の税率引き上げにより社会保障財源を拡充することが避けて通れない」と答弁したことも重大です。
消費税創設以来、消費税による税収は、社会保障の充実どころか、大企業、富裕層への減税の穴埋めに使われる結果になったことは、すでに明らかです。しかも、この間も、年金、医療、介護をはじめ、社会保障のあらゆる分野で予算削減が強行されたことに加え、安倍内閣は、今後3年間でも社会保障の自然増を、年間3000億~5000億円削減する切り捨て計画を進める一方、300兆円もの内部留保を溜め込むなど、空前の利益をあげている大企業に巨額の減税をおこなおうとしているのです。消費税の「軽減税率」を実施するといっても、その財源を確保するために「4千億円の低所得者対策」を取りやめるというのでは、何のための「軽減税率」か、まったく説明がつきません。
わが党は引き続き、10%への消費税増税を中止するよう、都民の皆さんとともに全力をつくします。
三、東京都が地方自治体としての最大の使命である住民福祉の増進を図る上で、予算の使い方を福祉・くらし優先に改革することが、ますます緊急かつ切実な課題となっています。
わが党は、都が「世界一の都市にふさわしい交通インフラ整備」などとして、幹線道路整備などに膨大な財源を投入しようとしていることを批判し、ヨーロッパなどが交通渋滞解消の手段として交通需要抑制政策を推進していることを示し、幹線道路建設の中止・廃止など見直しをおこなうよう求めました。これに対し都は、交通需要抑制策にはなんら言及もせず、ひたすら幹線道路建設を進める立場の答弁をおこなったことはきわめて重大です。一方で都は、「引き続き、社会資本ストックひとつひとつについて必要性を検証する」とも答弁しているのです。この立場で、幹線道路などについて1本1本の必要性を検証し、ムダ使いをただしていくことは避けられません。
四、横田基地へのCV22オスプレイの配備について、都は、輸送基地としての役割は変わらないと強弁しましたが、明らかなごまかしです。CV22がおこなう対テロ作戦は、海外の要人などを拉致し、殺害したりするものです。そのためにCV22オスプレイは特殊装置をつけ、暗闇の中でも渓谷などを地形にそって低空飛行し、他国の奥深くまで潜入します。このため、CV22のパイロットなども含めて、特殊部隊のメンバーであり、環境レビューにはその司令部を作ることまで書き込んであるのです。CV22オスプレイおよび特殊部隊が横田基地に配備されれば、首都東京での報復テロなどの危険が高まることは明白です。沖縄県の翁長知事は、辺野古への新基地建設の暴挙に真っ向から反対し、地方自治と民主主義を掲げてたたかっています。
舛添知事は、翁長知事の姿勢に学び、都民の安全と平和を守るため、毅然と声を上げるべきです。
五、今定例会でわが党は、心身障害者福祉手当を精神障害者と65歳以上の新規申請にも拡充するための条例改正案と、議員の期末手当を現行水準に据え置くための条例案を提案しました。
来年4月からは、障害者差別解消法が施行されるもとで、精神障害者を対象からはずしていることや65歳以上の新規申請を認めない現状を放置し続けることは許されません。精神障害者本人や家族団体から長年にわたって要望されてきたものです。残念ながら他会派の賛同は得られませんでしたが、障害者の方々から早期成立を願う声が寄せられました。
議員の期末手当を現行水準に据え置く条例案は、都議会生活者ネットワーク、東京みんなの改革との共同提案であり、都議会維新の党、かがやけTokyoが賛成しましたが、自民、公明、民主などの反対で成立にはいたりませんでした。わが党は引き続き条例提案権も生かし、都民要求実現と議会改革に全力をつくします。