日本共産党都議団はじめ5会派が共同し「費用弁償は実費へ」条例改正案を提案 | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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2月18日から始まった都議会第1回定例会は、本日・3月27日に閉会しました。日本共産党都議団は「第1回定例会報告」の談話を発表しましたので、紹介します。


今定例会は、安倍内閣による消費税増税、円安政策にもとづく物価高騰など「アべノミクス不況」というべき事態にくわえ、年金削減、高齢者医療の窓口負担増、介護報酬の大幅削減、生活保護の切り下げをはじめとした社会保障の大改悪がすすめられようとしているなかでひらかれた議会でした。それだけに、東京都に問われたのは、安倍内閣の暴走から都民のくらし、福祉をまもるためにどれだけ力をつくすかということでした。


舛添都政として初めての本格予算としての来年度予算は、予算編成の基本として「都民福祉の充実による生活の質の向上」を位置づけ、評価できる新規事業などがふくまれるものです。しかし、全体としては、不要不急の大型開発に力をそそぐ一方、国の悪政から都民生活をまもる立場に欠けるものでした。

わが党は知事が安倍内閣の暴走に対し、都民の立場で批判的態度をとることをもとめるとともに、都に都民生活をまもる対策を最大限すすめさせるために奮闘しました。


1.都民とわが党が奮闘するなかで、都民施策が前進したことは重要

知事が提案した予算案が、認可保育園や特養ホームの増設、非正規から正規雇用への転換など、福祉、雇用、中小企業などの分野で、都民要求がある程度反映されるものとなったことは重要です。


都議会での質疑の中でも、保育園や特養ホームなどの整備のために公社住宅建てかえにともなう3ヶ所の用地提供がしめされたほか、交通局は適切な用地についても、具体的に地元区とも相談する用地があることが表明されました。また、公園面積を減らさないようにして保育園などを都立公園内につくる「立体都市公園」制度の活用を検討することも答弁されました。住民と合意できるところでは整備できるように、わが党は力をつくします。

多摩地域の公立病院の要請にこたえた、地域支援ドクターの確保にとりくむなどいくつかの前進的答弁がありました。

国民健康保険料(税)の引き下げを求める質疑のなかで、知事が、わが党の問題意識もふくめて「今後とも議論を深めていきたい」と答弁したことも今後につながるものです。


雇用をめぐる質疑の中で、知事がディーセントワークは重要であるとの認識をしめしたことは都の雇用問題の基本的な考え方となるものであり重要です。また、都職員の未払い残業代について、都が「適切な対応をはかっていく」と答えましたが、ただちに実行に移すことが求められます。非正規雇用の処遇改善、正規雇用化をすすめるために、わが党はひきつづき全力をつくします。そして、一刻も早く最低賃金を時給1000円にするために、奮闘するものです。

障害者スポーツをめぐって、知事が障害のある人と無い人がともに生きる社会の実現につなげていきたいと、答弁したことは重要です。わが党は、障害者のスポーツ権を保障するために力をつくします。

2.都は、国の悪政に反対し、都民のくらし、福祉、安全をまもる立場に立つべき

わが党が、国の社会保障制度の切り下げについての認識をただしたのに対し、知事は「将来を見すえれば、制度を維持するための財源を確保し、給付の重点化と効率化をはかりながら、持続可能なものにつくりかえていかなければならない」と答え、国に同調する立場をしめしたこと、労働法制の見直しについても、「国の動向を注視する」との答弁にとどまったことはきわめて遺憾(いかん)です。


介護報酬の大幅引き下げについて、知事は、介護報酬の原資は国民が負担する介護保険料と税金だから、介護事業者であっても、効率的な運営のために経営努力を行うことが必要だと、現実から目をそむける答弁をしました。わが党は、独自の特養ホーム調査をしめし、現在でも特養ホームでは介護職員の人手不足のために特養ホームやショートステイの受け入れができない事態がひろがっていること、その上、介護報酬の大幅な引き下げが行われたら介護職の不足がさらに深刻になり、介護難民・退院難民がひろがりかねないことを明らかにし、都としての対応をもとめました。

わが党は、ひきつづき介護対策の抜本的拡充をはかるため、全力をつくします。


保育園、特養ホームを増設していく上でも保育士や介護職などの確保・定着は待ったなしの課題です。


保育士や介護職などの処遇改善について、知事は保育士などは月額2万1千円、介護職は2万円賃金アップになるという発言をしてきました。しかし、このモデル試算は、現在サービス推進費を受けている8割の認可保育園には当てはまらないため、平均賃金アップはわずか3,500円程度でしかないことを否定できませんでした。介護士についても賃金アップ2万円というのは、ごく一部の職員に限られていることも否定できませんでした。多くの保育士や介護職は落胆しています。保育士や介護職などの確保・定着のためには十分な処遇改善と人員増が欠かせません。そのためにわが党は、ひきつづき全力をつくします。

わが党は都民のくらしを守るために国民健康保険の加入世帯の中でも所得の低い世帯の保険料(税)減免のために補助をおこなう条例案を提案しました。国民健康保険は、所得が低く医療費は高い高齢者や、非正規雇用者など低所得者が多く加入しているため、保険料(税)の負担はきわめて重いものになっています。わが党は、毎年のようにくりかえされる値上げによって国民健康保険料(税)の負担は限界をこえており、高すぎる保険料が払えず滞納する世帯は2割以上にもなり、保険証の取り上げも広がる深刻な事態となっていることを質疑で明かにしました。


根本問題は国庫負担割合を縮小してきたことですが、都民の苦難を前に、都としても保険料(税)の負担軽減のために最大限の努力をするときです。

しかし、自民、公明、民主などは付託された厚生委員会では質問もせず、なぜ反対なのかの意見も表明せずに否決しました。国民健康保険は、現在は協会けんぽなどに入っている人も、退職後は国民健康保険に加入します。最終的にはすべての人が加入する制度であり、国も都もこの制度を誰もが安心して利用できるようにする責務があります。そのために、わが党はひきつづきがんばりぬきます。


わが党が、戦後70年にわたって人口密集地にいすわっている米軍横田基地の実態をしめして、対応をもとめたのに対し、知事は、「日米安保体制は不可欠で横田基地もその一翼を担う」との認識をしめしました。わが党はアメリカ国内の基準では人口密集地における基地の存在は許されないこと、危険なため、沖縄本島でも行われていないパラシュート訓練が横田基地で行われていることを明らかにし、このような状態を放置していてはならないとせまりました。ひきつづき基地のない平和な東京にするために、都民のみなさんと力を合わせていく決意です。

3.大企業呼びこみ、大型開発重点の経済・都市政策の転換を

わが党は、この間の歴代政権がトリクルダウン(大企業や富裕層がもうかれば、国民の生活が豊かになり、中小企業も元気になるという経済理論)の立場から、大企業を優遇し、非正規雇用化などをすすめてきたことで、格差と貧困が広がっていることを指摘、OECD(経済開発機構)などが格差を拡大させる政策では経済成長は遅れる、中間層や低所得層に質の高い教育や保健医療などの公共サービスを拡大させる転換が必要だと指摘していることを示し知事の認識を問いました。IMF(国際通貨基金)などをふくめ国際的に格差と貧困を拡大する政策の転換をもとめる声がひろがっているにもかかわらず、知事は「資本主義がかかえる問題に一石を投じたもの」との認識をしめすにとどまりました。


わが党は、東京を国際金融センターにするとして、外国の金融機関を呼びこみ、国民・都民の財産をリスクの大きい金融商品に使わせようとしていることを批判。都のやるべきことは、雇用や中小企業対策を抜本的に強化するなどで、内需を拡大することだと迫りました。

また、少子高齢化、人口減少社会、都市施設の老朽化対策費がかさむ時代をむかえ、1m1億円という巨額の投資を行う外郭環状道路建設をはじめ、新規の都市施設整備をおさえ、すでにある道路等の都市施設の維持・更新、耐震化を重点にすべきと主張しました。

4.福祉・くらし、防災対策などを重点にする予算組み替え動議を提出

お金の使い方を変えれば福祉などに使う財源を生み出すことができます。


今定例会でわが党は、一般会計予算の3.3%にあたる2,265億円、46項目を削減し、124項目、1,107億円を都民施策にまわすとともに、都債発行を約1千億円抑制する組み替え提案をしました。

これにより、介護報酬削減の影響を緩和する施策の拡充、介護職員や保育士などの処遇改善をより拡充できます。高すぎる国民健康保険料・税や後期高齢者医療保険料、介護保険料について所得の低い方の負担軽減をおこなえます。ブラック企業対策や公共職業訓練の拡充、小規模企業振興を拡充することもできます。戦後70周年にふさわしい平和事業の拡充、小学校3年生までの35人学級、特別支援学校の教室不足の早期解消、都営住宅の新規建設の再開、住宅の耐震化・難燃化への助成の拡充などもできるのです。この方向こそ都民の利益にかなう予算の使い道です。各会派の賛同が得られませんでしたが、ひきつづき都民要求実現のため力をつくします。


5.都議会改革に全力

費用弁償といって、都議会議員が都議会の本会議や委員会に出席するたびに交通費として一律1万円又は1万2千円が支給されています。4年間で総額2億円にのぼります。「議員報酬の二重取り」などと批判されているものです。この一律支給をやめて、交通費の実費支給とするよう、日本共産党都議団をはじめ都議会維新の党、かがやけTokyo、都議会生活者ネットワーク、東京みんなの改革の五会派が共同で条例改正案を提案しました。各会派の垣根をこえて一致点で共闘する画期的なものといえます。このきっかけは、私たちが費用弁償を廃止する条例を出すことを各会派に呼びかけたことがきっかけでした。この提案に、交通費実費支給なら一致できるなどの意見が出たため、一致点の共同を重視し、実費支給での共同提案となったものです。都内や近県に出張したときの費用弁償一律1万2千円支給も廃止するというものです。


しかし、自民・公明・民主の三党は、多数の力で継続審査とすることで先送りしてしまいました。

2005年にもわが党は同様の条例提案をし、否決されましたが、そのとき、自民党の議員は個別問題だけで議論すべきではないといって反対したのです。ところが、それからすでに10年たったにも関わらず、自民、公明、民主などはこの問題を検討する機会すらつくろうとしなかったのです。これ以上の先送りは都民の理解は得られません。共同提案した5会派は条例案を上程し、採決すべきと主張しました。

わが党はひきつづき都民のみなさん、今回共同した各会派のみなさんと力を合わせて実現のために努力をつくします。また、これにとどまらず、税金の使い方をただし、都民の声がより反映できる都議会にするためにひきつづき全力をつくします。


6.公明党による予算審議の場を借りての共産党攻撃を糾弾する

予算特別委員会の場で、公明党議員による2度にわたる、わが党への誹謗発言がありました。わが党は2回ともただちに必要な批判と反論をしましたが、予算特別委員会という、都民生活を守るための建設的な議論をつくす場において、もっぱら他党をおとしめるような発言をすること自体、議会人としての品性を疑わせるものであり、都民からの批判はまぬがれないでしょう。


ひとつは、共産党が介護報酬の削減には反対、介護保険料の引き上げにも反対は無責任だというものです。わが党はただちに、介護報酬とは別枠で職員の処遇改善をおこなえば、介護保険料が上がることはないこと、しかも、かつては実施されたものであり現実的な提案であること、あるいは介護保険財政に対する公費負担の割合を引き上げればよいことなどを明らかにし、反論しました。また、公明党自身、かつて介護報酬の引き上げが必要であり、同時に介護保険料の上昇を抑えるために、公費負担をふやすことを提案していたことを明らかにしました。公明党の共産党批判は〝天に唾するもの〟で、わが身に降りかかってくるものだったのです。

国の財政が悪化したのは、ムダな大型開発をすすめたり、大企業や富裕層の税金をひきさげてきたからであり、ここにメスを入れることこそ求められています。国民の負担をふやしたり、福祉を削減しても、国の財政は改善しません。


2つ目は、認可保育園や特養ホームが増えたのは、日本共産党都議団が17人に躍進したからだと誇大宣伝している、というものです。しかし、この問題について、日本共産党が、都民のみなさんの運動とむすんでとりくんできたことは、議事録やマスコミ報道などでも明らかです。認可保育園の増設を進めるために日本共産党は繰り返し、独自に、区市町村の待機児数を調査し、発表し、一般紙でも「認可保育所に2万人入れず、共産調査」などと、報道されてきました。都議会の論戦でも、昨年の予算特別委員会におけるわが党の質問に、都が「待機児ゼロにするための工程表をつくる」と答弁しています。公明党などは、逆に、くり返し提出されている10万人、20万人近い都民からの認可保育園の増設を求める請願を、ことごとく否決してきたのです。

特別養護老人ホームについても日本共産党は繰り返し東京の深刻な実態をただし、土地確保、用地費助成などの支援強化を求めてきました。土地確保、都有地活用については、17名に躍進し、回復した議案提案権を最初に行使して、保育園の用地費助成条例を提案するなど、都の取り組みを前に進めるために力をつくしてきました。


都議会は都民から付託され、都民の要求実現のために真摯に議論をつくしあう場です。そして意見の違いはあっても、一致することでは協力しあい、都民の願いを最大限実現する大局的立場で臨むことこそ都議会各会派に求められていることです。わが党は、この立場で、ひきつづき最大限の努力をしていく決意です。