【ネタバレ、ガッツリあります。】

 

 

 

エレベーターで映画館のある8階へ行くと、

上のお写真のような大きなポスターがお出迎えしてくれました。

 

 

で~まず最初にした事は、

整くん以外の主要登場人物6人のアクスタとポスターのお写真を撮る事。

「赤峰ゆら」「狩集理紀之助」「波々壁新音」「狩集汐路」「車坂朝晴」「犬堂我路」の6人です。

(整くんは別売りだったので買いませんでした。ごめんなさい。)

 

 

こちらの立体パネルは上映前に伺った時もありましたが、

田村由美さんのサイン入りポスターはお初です。

 

 

田村由美さんのサイン&イラスト、すっごくかわいいんだけど、

寄りで撮るとどうしても光が入ってしまって、きれいに撮れませんでした。悲しい。

 

 

だったのですが、どうしても諦めきれず後日再びトライしたら、

田村由美さんのサインに光が入らず何とか撮れました。ホッ。

 

 

「喫茶パール」で軽食を調達。「ピザトーストセット」をチョイス。1,080円也。

 

     

 

滅多に外で何かをいただく事がないので、絶対「コレがやりたい!!」と思っていました。

アクスタの「朝ちゃんと一緒」~。「映画チケットと朝ちゃん」もパチリです。

 

いよいよです。始まります。まずは朝ちゃんをナデナデ。

アクスタは朝ちゃんですが、もちろん気持ちは中の人、洸平くんです。

 

     

 

漫画も映画ノベライズも読んでいますので、犯人も知った上での鑑賞です。

 

 

ちなみに上のお写真は、マンガ本の2~4巻「広島編」に付いていた「しおり」です。

 

シーンの始まりは印象的な美術館のシーンから。開館前の撮影だったようです。

でも…。背景は全然別の場所…。

全体的に「広島編」と言っても広島の風景はそれこそ観光スポットの「点」しか映ってなくて、

ロケ地の中心は群馬県甘楽郡の「楽山園」と岡山県倉敷市の「旧野﨑家住宅」のようで、

広島は殆ど絡んでいませんでした。

舞台挨拶が広島でなかったのは当然かもしれません。

(大阪の舞台挨拶、落選しましたし。悲し~い。)

 

広島で美術館にいても電車に乗っていても、人の視線を感じる菅田将暉さん演じる久能整。

原菜乃華さん演じる狩集汐路は

事件を相談するのは整がよいと、永山瑛太さん演じる犬堂我路から紹介されていたのです。

整は、狩集家に車坂家と真壁家が関連する遺産相続に半ば強引に巻き込まれますが、

狩集家の遺産相続は子孫に分配するのではなく、

なぜか血縁者の1人に相続させるという、ちょっと変わったものでした。

狩集家の財産は、

顧問税理士の「真壁家」と顧問弁護士の「車坂家」によって管理されています。

狩集家の子どもたち、

つまり滝藤賢一さん演じる汐路の父・狩集弥やおじ・おばは交通事故で命を落としています。

子どもたちの子ども、つまり狩集家の孫たち4人が、

不可思議な蔵の謎を解きながら自分の親の死の謎にも迫っていきます。

 

狩集家の孫4人は次の通りです。

柴咲コウさん演じる赤峰ゆら、町田啓太さん演じる狩集理紀之助、

萩原利久さん演じる波々壁新音、そして整を巻き込んだ狩集汐路。

このあたりは、エンタメとしてのミステリー要素満載です。

 

汐路の祖父の従妹である松坂慶子さん演じる鯉沼鞠子の回想で、

「鬼の集い」という物語がかつて劇で上演されていた事がわかりました。

どうやらそれは、150年前に起こった狩集家の事件が発端になっているようです。

 

「鬼の集い」とは…。

3匹の鬼がおり、そのボス的な鬼は「天パ」でした。

3匹の鬼は人に化け、雇われながら生活をしていたのですが、

鬼のボスは狩田家に嫁いで来た嫁に恋をしました。
鬼たちは狩田家の嫁以外、主人や使用人等全ての人を殺しました。
その後、殺した人々はバラバラにして埋め、その上に4つの蔵を建てたのです。
そのうちの1つの蔵に嫁を閉じ込める座敷牢戸作り、

嫁は鬼の子供を産み子孫を残すことに成功。

一見うまく乗っ取ったように見えて、

実は狩田家を惨殺中に狩田家の1人娘を逃してしまったのです。
その娘がいつか自分たちを殺しに戻ってくるのではないかと怯えていました。
素性がバレないよう、代々、ボスの鬼似の「天パ」の子供を殺して来ました。

そしてその風習が、現代まで受け継がれているという内容でした。

整は、鬼は比喩であり実話を元に作られたと予想しました。

1人のボスと2人の従者が本当の狩集家の人間を皆殺しにして、今の狩集家となりました。

蔵の謎を解いていく途中で、整の名言が紡がれます。

汐路は祖父から「殺しあう一族なんだ」「お前もそうなる」と言われていたことを告白しました。

それを聞いて整は「子どもの心はかわく前のセメントみたいなものです。

何かが落ちてくれば必ず痕が残ります。」と言って寄り添います。

児童心理学者ハイム・G・ギノットの言葉です

 

4人の候補者と洸平くん演じる車坂朝晴を喫茶店に呼び出した整は、

遺産相続トラブルで亡くなった狩集家の人間が全員、「天パ」だったと言います。

舞台の脚本を書いたダンディ坂野さん演じる宝田完津次(鯉沼鞠子の弟)が

自殺したと知った整は、その舞台の物語をみんなに見せます。

整と4人の候補者と朝晴は、それぞれの情報を開示していくうち、

整は、生前に弥が兄弟と「狩集家」の謎を調べ、本当の狩集家の子孫を見つけ、

「USBメモリ」に保管していたと推測します。

 

汐路の父が車で出掛けた日、

朝晴が持って来たジュースに汐路は口を付けませんでした。

弥は「おいしい。」と言いながらゴクゴク。

その日に弥と同乗した新音の母、ゆらの母、理紀之助の父は事故死しました。

 

朝晴が帰宅した後、新音が飲み物をこぼすのを見た汐路は、

父・弥との最後の日、ジュースをこぼしたことを思い出します。

汐路が8才の時に描いた「秘密の花園」の絵の話等から、

整はUSBメモリの場所に気付き、「関係者全員に共有するように」と汐路に言いました。

 

USBメモリの場所が厳島神社の鳥居付近にあることを知った犯人は、

USBメモリのデータを読み出し、狩集家の子孫の居場所を知って火を放とうとしますが、

駆け付けた刑事たちによって取り押さえられました。

整たちは、犯人の朝晴に偽のUSBメモリを見つけさせたのだと言います。

真壁家と車坂家は、「従者」として「鬼」のルールを厳格に守り続け、

謎に近づく者や「天パ」の狩集家の人間を殺害してきました。

整は死に追いやったのが睡眠薬入りのジュースであることに気づき、

汐路とともに朝晴を罠にかけました。

4人に偽の遺産相続話を持ち掛け、「狩集家の子孫」を見つけさせて始末しようとしたと告白。

そして朝晴は「汐ちゃんのおかげだよ。」と優しい口調で一言。

汐路が父・弥の行動を教えてくれたから実行できたという意味らしいです。

汐路は恋心さえ抱いていた朝晴から優しい口調でひどい言葉を浴びせられ、

立っていられない位ショックを受けました。

しかし汐路は、この心の傷からは時間はかかっても立ち直れると思いました。

なぜなら、父を殺害したのが朝晴だという証拠を思い出し、

整や4人に共有して朝晴をおびき寄せる事に協力できていたから。

汐路に「朝晴が犯人」という悲しい事実を受け入れる心の準備はできていたハズです。

 

駆け付けていた、

角野卓造さん演じる真壁軍司や段田安則さん演じる車坂家のおじいちゃん・車坂義家が

止めるのも聞かず、

謎を知った宝田完次は「真壁家や車坂家のおじいちゃん」が殺害したことも

朝晴は明かしました。

 

朝晴と「真壁家や車坂家のおじいちゃん」の3人に向けて整は、

「犯罪とは人間の努力が裏側に出ているのだ」というのがあるのですが、

きっと、努力ではあったんだと思います。」と言います。

映画「アスファルト・ジャングル」からの引用です。

なくなった4人のうち、ゆらの母と理紀之助の父は巻き込まれただけだと朝晴。

ひどい話です。

この杜撰な汐路の父・弥と新音の母の殺害は、朝晴の初仕事でした。

USBメモリの件といい、ターゲット以外の人を巻き込む件といい、本当にツメが甘いです。

 

整は言います。

「明」「聡」「温」「恭」「忠」「敬」「問」「難」と、

4つの蔵は論語の九思に基づいて名付けられていますが、一番大切な「義」がない。

「義」とは「正しい道」を表す。さすがに付けられなかったんですね。

ご先祖は悪事だとわかっていた。」

その場の全員が黙り込みます。

 

「僕は汐ちゃんの言った事だから信じた。USBメモリが厳島神社にあるって。

汐ちゃんが僕に嘘をついていたなんて悲しいよ。」という朝晴のセリフは、

自分の罪を知っていながら認められなくて、自分の事を慕っていた汐路を責めて、

何とか自分を保とうとする卑怯な哀れみが漂っていました。

 

整は4人にアメジストドームに隠されていた弥のUSBメモリを渡し、「狩集家の子孫」を訪問。

松嶋菜々子さん演じる君原奈津子という、石を用いたアクセサリーを作るその女性は、

狩集弥達の訪問を受け、狩集家の人間として日本人形をもらった事や、

「「鬼」のルールを自分たちが終わらせる」という約束を受けたことを語ります。

そして奈津子は4人に、それぞれの親から注文を受けたパワーブレスレットを渡しました。

 

事件後、整は疲れて帰りの新幹線で寝て帰る事に決めました。

映画では東広島駅から「のぞみ」に乗ったようですが、

実際は東広島駅には「のぞみ」は止まりません。

汐路は事件の顛末と整の面倒くさい性格について我路にメールしていました。

奈津子の家の前でみんなと撮った写真とともに。

その写真には、苦手だといっていたマフラーを巻いた汐路が写っていました。

完全に汐路は新しい一歩を踏み出したと確信できました。

と同時に、朝晴はきっとまだ立ち直れていないんだろうなと思えて、とても切なくなりました。

 

にしても朝晴は何故、

「天パ」を殺害するといったナンセンスな使命にがんじがらめにされたのでしょうか。

自分の犯した殺人は崇高な使命があり、普通の殺人とは違うと思いこんだのでしょうか。

朝晴も、整の言った「子どもの心はかわく前のセメントみたいなものです。

何かが落ちてくれば必ず痕が残ります。」の言葉通りの犠牲者のような気がします。

とは言っても、朝晴は自分勝手な大義名分を言い訳にしています。

ある意味純粋で一途だけれど愚かで哀れです。「朝晴」という明るい名前ももの悲しいです。

朝晴のキャラ設定が、エンタメ性の強い作品に奥行きを作っていると思います。

 

登場人物が多い割にはストーリーがわかりやすく、重くなりすぎず、

2時間ちょっとを飽きずに観る事ができました。