東京藝術大学作曲科に進学を目指すことに致しました。 | ピアニスト・作曲家恩田優美子のブログ Oyumis Musik leben.

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このブログは、私がピアニストデヴューしてからの成長記録及び奮闘記を日記として紹介いたします。

皆様、こんにちは。

 

沖縄・奄美地方は台風6号の影響で強烈な暴風雨に、反対に北海道地方は秋雨前線の影響で大雨が降っている状態とは裏腹に、本州は猛烈な猛暑で大変なことになっている日本列島ですが、年を追うごとに地球上は異常気象が増長しています。私が子供の頃は、エアコンが現在ほど普及してなく、また、通勤電車の全てに冷房が搭載されてなく、ドル箱路線の山手線でも一部の車両にしか冷房がない状態で、乗客は窓を開けて扇風機をフル稼働させるといった日常生活でした。今から40年も昔のことです。その時代は昭和50年代で、オイルショックから立ち直り始めてよりバブルに向かい始めた時代でした。また、現代のような過酷な暑さはそれほどではなく、当時の夏は家の窓を開けて扇風機を回すだけでも暑さをしのげることができました。今は懐かしい日常になっています。

 

さて、今回は、今年の初夏から各大学で開催されています「オープンキャンパス」に私も参加させて頂きました。そして、各大学の作曲科の説明会やカリキュラムに参加を致しまして、同じ作曲科でも、大学によってカリキュラムや教育方針がかなり違います。なので、自分自身に合った教育を提供して頂ける大学を選び、それに向かって受験準備する形になります。

 

まず、最初に訪問致しました東京音楽大学様です。東京音楽大学様は東京都目黒区にあり、最寄り駅は東急東横線と東京メトロ日比谷線中目黒駅になります。元々は東京都豊島区にありましたが池袋キャンパスですが、附属高等学校を残し、2019年に全ての機能を目黒区の代官山中目黒キャンパスを新設移転し、写真のようなキャンパスになっています。

5月3日(祝日)に本校でオープンキャンパスが開催されました。受付を済ませ、10:00開始の学校説明会に参加、TCMホールで各専攻の説明を受け、本学の特長と教育方針の説明を受けました。その後に同ホールで11:00から1時間弱、ウェルカムコンサートが開演されました。音大生の演奏を拝聴し、音大生が日々研鑽に勤しむ姿に深く脱帽致しました。

終了後は個別相談を受け、学費の調達方法(奨学金など)などの相談を受けました。私立音大の4年間の学費は800万円台ですが、他にもコンサート関連費用や衣装代、コンクール参加費、生活費、楽器関連費用などがかかり、トータルで1300万円以上かかります。現在の物価上昇で、これから大学の学費の値上げも予想されます。

午後は作曲「芸術音楽コース」の説明会及び新学長で作曲家の野平一郎教授と糀場富美子教授のトークを拝聴し、野平先生と糀場先生が学生時代からの思い出などの懐かしの出来事をトークに交え、本学作曲科に関係する質問にも親切にお答えし、参加者の参考の手助けになりました。その後は、関連学科であるピアノ「ピアノ・創作コース」の説明会に参加し、「ピアノ・創作コース」の学生の作品演奏を拝聴し、佐藤俊教授と作曲「芸術音楽コース」の糀場富美子教授による説明を受けました。私の場合、作曲をメインにするか、ピアノをメインにするかといえばで専攻は変わると思うので、教授陣に質問し私のおすすめの専攻をご教示頂きました。私は作曲50:ピアノ50の割合で活動したいので、まずは作曲「芸術音楽コース」を選ぶことに致しました。

今回お世話になりました野平一郎先生、糀場富美子先生、佐藤俊先生、本当に有難うございました。

東京音楽大学(代官山中目黒キャンパス)

 

2件目に訪問致しました大学は武蔵野音楽大学様です。武蔵野音楽大学様は東京都練馬区にあり、最寄り駅は西武池袋線江古田駅、西武有楽町線新桜台駅、または東京メトロ有楽町線と副都心線小竹向原駅になりますが、都営大江戸線新江古田駅からも歩いて行くことができます。2017年に江古田キャンパスの校舎をベートーヴェンホールを残して全て建て替えて新校舎に致しました。他に入間キャンパスがあり、こちらは大学の体育の授業と、附属高等学校の授業を行っています。最寄り駅は西武池袋線仏子駅になります。写真は江古田キャンパスです。

受け付けを済ませ、ガイダンス、入試説明会を受けるためにブラームスホールに行きました。本学の教育方針、卒業後の進路、キャンパスライフなどの説明を受け、入試説明会では、入試の特徴や課題、変更点などについての説明を受けました。本学の建学の精神「和のこころ」についての説明を聞き、感銘致しました。

これらの説明会が終了したら学生食堂に行き、少し早めのランチを頂きました。本学の学生食堂は他の大学様にないレストランを運営する会社様がテナントになっており、あの有名な「銀座スエヒロ」様がご提供している学食です。お料理は折り紙付きで、しかも600円代で頂けて、お財布にも優しいランチです。

ランチを頂いた後、個別相談を受け、作曲コースの先生に相談し、今までに勉強致しました楽譜を見せ、色々と話を進めました。そのため、楽しみにしていました学生によるコンサートを拝聴することができず、そのまま午後の作曲コースの体験授業に参加致しました。

作曲コースのコース説明会と体験授業は、「音楽を聴く、音楽を知る」と題した内容で、作曲コース長の野崎勇喜夫教授により、西洋音楽の歴史などにも触れながら、音楽の作られを旋律、和音、リズム(音楽の三要素)などを時代ごとに比較致しました。中世、ルネッサンス、バロック、古典、ロマン、近現代ごとに音楽を視聴し、違いなどを理解していく内容でした。

今回お世話になりました野崎勇喜夫先生、本当に有難うございました。

武蔵野音楽大学(江古田キャンパス)

 

3件目に訪問致しました大学は昭和音楽大学様です。昭和音楽大学様は神奈川県川崎市麻生区にあり、最寄り駅は小田急小田原線と同多摩線新百合ヶ丘駅になります。2007年に神奈川県厚木市にあったキャンパスを現在の新百合ヶ丘キャンパスに移転し、専攻学科も従来からある専攻に加え、ポピュラー系専攻、舞踊系専攻、音楽療法専攻など加え、専攻別バラエティが豊富な音楽大学です。建学の精神は「礼・節・技の人間教育」で、各々の専門分野における実践的な能力を備えた教養豊かな人材を育成することを目的にしています。

受け付けを済ませると最初に5階のユリホールに行き、全体ガイダンス&学生によるミニコンサートを拝聴致しました。全体ガイダンスでは、各専攻別内容、本学の歴史及び教育方針の説明を頂き、ミニコンサートではピアノ演奏家コースによる演奏でリストの超絶技巧練習曲第8番S. 139-8が演奏され、迫力十分で格別なテクニックを聴かせて頂き、ピアノの奏法を改めて学ぶことができました。2曲目はサクソフォーン四重奏による演奏でダマーズのサクソフォーン四重奏曲が演奏され、フランス近現代らしいミステリアスかつリズミカルな響きを持つ作品です。今回の拝聴でサクソフォーンの魅力に取りつかれ、サクソフォーンのための作曲・編曲法の勉強になりました。今後サクソフォーンのための作品を書きたいと思います。

ユリホールでの説明会とミニコンサート終了後、1階の学生食堂でランチを頂き、午後の体験授業に備えました。作曲・音楽デザインコース(芸術音楽コース)の体験授業では、コース長の後藤洋教授によります授業で、オーケストレーション(管弦楽法)の初歩を取り挙げ、時代ごとに管弦楽曲の構成や作られ方を音楽を聴きながら検証致しました。管弦楽法はとても奥が深く、私も10代から勉強していますが、実際に管弦楽で使われる楽器について、各楽器奏者と二人三脚でないと細かく学ぶことが難しい学問で、座学の理論だけでは身につきにくい学問なのです。管弦楽法の授業は各大学の作曲科で必修になっているほど、とても重要な学問です。

お世話になりました後藤洋先生、本当に有難うございました。

昭和音楽大学新百合ヶ丘キャンパス(南校舎)

 

4件目は、芸術系大学の頂点であります東京藝術大学様です。東京藝術大学様は東京都台東区にあり、最寄り駅はJR各線、東京メトロ銀座線と日比谷線上野駅、または京成本線京成上野駅になります。他にはJR山手線と京浜東北線鶯谷駅、または、東京メトロ千代田線根津駅から歩くこともできます。上野キャンパスは音楽環境創造科を除くすべての音楽学部と先端芸術表現科の除くすべての美術学部で、校舎は音楽学部と美術学部と道路を挟んで向かいになっています。千住キャンパスは音楽学部音楽環境創造科と大学院国際芸術創造研究科、取手キャンパスは美術学部先端芸術表現科(1年生は上野キャンパス)と大学院美術研究科先端芸術専攻、グローバルアートプラクティス専攻、横浜キャンパスは大学院映像研究科がそれぞれの校舎で授業を展開しています。芸術系大学の歴史で一番古く、旧制学校では東京音楽学校と東京美術学校で、卒業生には世界で活躍した芸術界の大家が多く、幸田延(ピアノ、声楽、作曲)、安藤幸(ヴァイオリン)、瀧廉太郎(ピアノ、作曲)、三浦環(声楽)、今村静子(声楽)、久野久(ピアノ)、山田耕筰(声楽、作曲、指揮)、團伊玖磨(作曲、指揮)、芥川也寸志(作曲、指揮)、黛敏郎(作曲、指揮)、矢代秋雄(作曲、ピアノ)、高村光太郎(彫刻)、横山大観(日本画)、下山観山(日本画)、平山郁夫(日本画)、青木繁(洋画)、小礒良平(洋画)、朝倉文夫(彫刻)、六角紫水(工芸)、今和次郎(建築)、吉村順三(建築)、清家清(建築)柳宗理(デザイン)などといった芸術界の大御所たちがいます。

今回は、作曲科の学科説明会に参加致しました。内容は、林達也教授によります各試験及び、エクリチュール分野の教育とピアノ新曲についての説明、鈴木純明教授によります第三次試験についての展望を説明頂き、安良岡章夫教授によります作曲科のカリキュラムについての説明を頂きました。作曲科の中で、言うべくもなく、東京藝大の入試が一番大変です。入試の内容もかなり濃く、作曲の基礎であります和声と対位法もかなり高度で、作曲家になるには必要不可欠な勉強であり、他にも楽曲や音楽全般を理解するために楽曲研究やソルフェージュ、楽器演奏もかなりできなければなりません。ちなみに、第一次は和声(ソプラノ・バス各3時間)、第二次は対位法(与えられた定旋律をもとに多声音楽を作曲、コラールを作曲)、第三次は室内楽曲の作曲(与えられた動機を用いて指定された楽曲を作曲)、第四次は聴音、新曲視唱、ピアノ新曲、面接(口頭試問)、楽典、副科ピアノの他にも大学入学共通テスト(国語と私はドイツ語)といった、ヴォリューム満点の内容の入試を全てクリアしなければなりません。なので、受験対策に数年は必要になります。

お世話になりました林達也先生、安良岡章夫先生、鈴木純明先生、本当に有難うございました。

東京藝術大学(音楽学部上野キャンパス)

 

オープンキャンパスに参加をしてみまして、私が求めている音楽教育を提供して頂ける大学を絞ってみた結果、桐朋学園大学様と東京藝術大学様の2大学になり、じっくり考えた結果、東京藝術大学作曲科に進学を目指すことに致しました。理由は、私は音楽を極めるのにあたり、他の私立音大では物足りず、カリキュラムの履修に退屈してしまうということです。

実は、ドイツブレーメン芸術大学作曲科に進学を予定していましたが、コロナ禍、ウクライナ侵攻と円安で渡航費用が高騰し、終息するのに時間がかかるので、ドイツでの勉強は一旦白紙に戻し、東京藝術大学様に受験、進学を果たすために、今後とも日々音楽道に不惜身命で精進して参ります。