遠方の方の動画レッスンも回を重ね、だいぶお互い慣れてきました。
上京の際はご多忙な中、レッスンに来て下さるので、フォローもできます。
従来のレッスンの様に直接演奏が聴ければそれが一番ですが。
でも、手や身体の使い方が悪いと音が荒れてくる事は動画でもはっきり解ります。怖いですね(*^^*)
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以前も書きましたが、ツェルニー40番の単発レッスンを頼まれました。
曲が長いので、手が途中で痛くなる、という事でした。
で、その後ご連絡を頂きました。
普段の先生に又レッスンに言ったら言われたそうです。
「フニャフニャな音です」
「テンポ遅すぎます」
これ、想定内でして、もちろんレッスン前にお話しておきました。
確かに鍵盤を下まで押さないと、芯のない音になり、フニャフニャ何言いたいのか解らない演奏になります。
けれど、それは指先できちんと鍵盤を押して!という事で、実は大変です。
指を付け根から下に押す筋肉、というのは大変小さい筋肉です。
小さな筋肉は意識しにくく、中を通る神経回路も少ないです。
なかなか大きなしっかりした音は出せません。期間かけて育てる必要があります。
ここでしっかりした音だけ求めてしまうと、他の方法で出してしまいます。
指を鍵盤から離して上から落としたり・・・
手の甲や手首で一音ずつ押したり・・・
こうすると確かに簡単に大きなしっかりした音は出ます(やかましく重たいですが)
只、一音一音上下運動を伴う為、次の音にスムーズに進まず、ボテボテ聴こえます。
ひどい場合、大きな音の為に体重を乗せるので、次の音への移動が重労働になります。
速く弾ける様にならない、とか色々問題ありますが。
何より、重くてダサくて素敵にならないのです。
でも何故か「ツェルニーだから素敵でなくていい!」となってしまうのです。
確かにツェルニーはイマイチな曲かもですが!
無理矢理、とにかく素敵に弾いて欲しいのは、習得する技術が間違ってしまうからなのです。
(他にも理由がありますが)
できれば素敵でない弾き方で弾いて欲しくないのですが、この「素敵」には基準がないので説得力がない訳です。
結局、目の前で実例を示すのが一番です。
ちゃんと指で押すとこうなる。手首や手の甲で押すとこうなる。
どっちで弾きたいですか?
(子供も大人も指できちんと鍵盤を押した、ここでいう「素敵」な音を選びます)
只「指でちゃんと押して音出して!」と理想論を振り回しても、現実は、指を動かす小さな筋力や神経が未発達な状態で弾かねばならない訳です。
そこで上手に折り合う必要があります。
ツェルニー40番の方の場合、その方の先生の仰る事も一理あります。
只、今の指の筋肉では、ちゃんとした音で速く弾くのは無理なのです。
なので妥協して、少し他の動きを頼って弾いていいです。
只少しずつ指で鍵盤を押せる様に、出来る所は気をつけて、時間かけて筋肉と神経を育てて欲しい訳です。
求められる音とテンポだけにこだわらない様に!
特に大人の場合、その事を普段から意識して無茶しない様に!という事です。
困った事に、身体の特定な小さな部分、特に脳から遠い部分を思い通り細かく動かすのは大変難しいです。
指先できちんと鍵盤押すより、手の甲で「ぶん!」と押す方が、脳的には最初は楽です。
指差し確認等が良い例です。大きな動作でやると忘れないですよね。
「ガスOK、電気OK、戸締まりOK」脳的には楽に確認し、記憶でき、外出してから「あれ?」となりにくいですね。
最初は、ゆっくり、少し大きく指を動かして、頭を整理するのも良い方法です。
最終的に、最小限の動きで、きちんと指で鍵盤を押せる様に・・それを意識する事が大切です。
きちんと意識して練習するのも疲れるとは思います。
なので何となく気晴らしに弾いても良いです。でもまず1回でも2回でも、意識して音を出す習慣をつけましょう。
少しずつ、それが楽になり、常に意識出来る様になります。
日常生活で、特に4,5指だけ動かす事はまずありませんし、脳の命令が指先まで伝わらず手の甲で止まってしまうケースはよく見られます。
気長に練習していくしかありません。
でも意識すると意外に早く動く様になりますよ。
感覚としては、いちいちどの筋肉を伸ばしてどれを縮めて、とは考えていませんよね。
でも、脳はそれを処理してます。
練習とは
①どう弾くのか、きちんと曲を理解する事(理解)
②その為にどこをどう動かすのか、脳が正しく認識する事(意識)
③それを常に再現出来る様、身体に記憶させる事(要期間と反復)
という事なので、無理解、無意識、無茶は、上達には良くないです。
で、ここで大人のピアノの問題が1つ
好きな曲を弾きたい!これは構わないのですが、と~んでもなく難しい曲を選ぶケースも多いのです。
「何もそこまでてぇ~へんな曲を選ばなくても(汗)」
という事も多くなりました。
でも「好きだから弾きたい!」と言われれば、それはもう金言で(汗)
只、理解して頂きたいのは、レベルオーバーな曲は上達の大きな妨げになるいう現実。
(現実は残酷なのです)
当然、
①音楽がややこしく、理解が難しい。
②脳が動きを正しく把握出来る以上の情報量になってしまう。
③弾きにくい動きが多く、当然、手首や腕をブンブン振り回す事が多くなり、指が出来る事を習得できません。
結果、大きな音で凄い大曲ガンガン勢いで弾くけど、音楽的に残念で(無理解)指動いてない(無意識と無茶)という事に・・・
リストやラフマニノフの大曲をガンガン弾く(やかましい事が多いです)
でも、ショパンのワルツとか、ドタバタ聴いてられない!
という事、現実多いのです。
あと、手の負担が大きいので故障のリスクも高くなります。
ま、これも理想論振り回すより、バランス取りながら、上手にやれば良いです。
只、上達の妨げになる事をしつつ、早く上達したい!とか無茶言わないで下されば(笑)
あともう一点、
やっぱりセンセとしては、上達して欲しいのです。
ずっと非音楽的なピアノは聴くのが疲れます。上達してる!という希望は、センセの心の大きな支えなのです。
半分冗談ですが(笑)・・・
よく無理矢理でも褒めて下さいと言われます。お気持ち理解できます。
もちろんちゃんと褒めてます。(無理矢理でなく心から)
そのかわり、時々素直になるフリだけでもして下さい(笑)
センセも単純なので(笑)
何事も上手に妥協してやっていく事と良いですネ
で、上手な妥協の仕方・・・
規模大きい難曲ばかりでなく、音の少ない小品も併せて選んだり。
難曲なら時間かけて少しずつ進む様にしたり。
色々な方法を考えてみるのも楽しいですよ。
指先にまで繊細な神経を!ぐっと表現の幅の拡がります。
どんな音が欲しいのか?もっともっと意識してみましょう。
指先には、素晴らしい可能性が眠っています。使わないのは勿体無いですよ~(*^^*)